【Bitter & Sweetインタビュー】約2年ぶりのニューシングルをリリース 「焦りもあったけどとにかく今できることをやろうと」

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Bitter &Sweet   (左から)田﨑あさひ、長谷川萌美。
Bitter &Sweet (左から)田﨑あさひ、長谷川萌美。

二人組ガールズユニット・Bitter & Sweetが約2年ぶりとなる、メジャー2ndシングル『遠いところへ行くのでしょう/ラブストーリーは始まらない』をリリースした。この新曲について、そしてこのリリースに至るまでの2年間の思いを二人が明かした。

--念願のシングルがついにリリースされましたね!

長谷川萌美「約2年ぶりなので『きたっ!』という気持ちです。最初にこの曲をいただいたときには、もうこれをリリースするというお話だったので、どんな曲なんだろうと思っていたら、懐かしい感じの、逆に今だと新しく思えるような楽曲で衝撃を受けました」

田﨑あさひ「今までだと何曲かレコーディングしてから、リリースする楽曲が決まるという流れだったんですけど、今回はこれで勝負するのか!と気持ちが高まりました」

--2曲とも、ちょっと1970年代、80年代の香りがするサウンドと歌詞で、最近ではあまりないタイプの曲なので、若い人には逆に新しく思えるのかもしれませんね。そんな今回のシングルの内容を詳しく紹介してもらえますか。

長谷川「今回の2曲はハモりが多く、お互いの歌声が行き来して、二人がずっと歌っているのですが、そこがBitter & Sweetらしい曲だな思います。何回も歌っていく中で、相手が歌うメロディや声色を今まで以上に聴いて歌っている感じがして。ずっとハモっているので、お互いの声がよく聴こえます。今日の調子どうか?ということもとってもわかります」

--「今日のあさひちゃん、いつも以上にノッてるな」とか「今日は調子悪そう」とか(笑)。一方の田﨑さんは?

田﨑「私も相手の声をより聴くことができるようになりました。ボイストレーニングを受け始めたころ、先生から『相手の声をよく聴くようにして歌いなさい』と言われていたんですけど、意外と難しくて、どうしても自分の声をまず意識して今まで歌ってきていました。今回は相手の声色に合わせ、最初から最後までずっとハモっているので、一瞬たりとも気が抜けず、いつも以上に慎重に歌っています」

--これまでの楽曲と比べて馴染みやすいメロディで、カラオケでも盛り上がれそうな。

長谷川「まさしく!『遠いところへ行くのでしょう』はJOY SOUNDのカラオケに入りました。たくさんの人に歌ってほしいよね!」

田﨑「うん、意外とハモりも簡単だし、一番を覚えるだけで全部歌えます! 現在リリースイベントで各地を回らせていただいていますが、少しでも足を止めていただければ覚えていただけると思います」

--懐かしさを感じるメロディで40代、50代の人も馴染みやすそう。

長谷川「はい。一回聴いてもらうと、帰り道にすぐに口ずさめる曲になっています」

--そのリリースイベント、1stシングルのときは発売の2ヶ月前くらい前からずっとやっていましたが、今回はリリース直前から始まり、今も継続中なんですね。

長谷川「今回はリリース前後に集中的にイベントをやるということでなく、発売週が終わったあとも、それこそタイトル通り、遠いところまで時間をかけて行ったりしながら、みなさんに広めていくイベントをしていけたらと思います」

田﨑「日にちをかけてみなさんに知っていただけるように活動していきたいです。これからもまだ続く予定なので、いろんなところに行くのが楽しみです」

--ところで昨年夏くらいまでのBitter & Sweetといえば、バンドスタイルでロック色の強いサウンドも多い気がしましたが、久しぶりにリリースとなるシングルでは「この路線で来たか!」と驚かされました。

長谷川「今回のシングルがこのような色で、私たちの“歌”をより一層聴いてもらえるような楽曲になっていますが、決してバンドサウンドを封印したということではなく、いろんな私たちを見せていけたらいいなという思いは変わらないです」

--なるほど、次のシングルではさらに違うテイストを見せる可能性もあるのかも。

長谷川「はい。あるかもしれません。そんな中で今回のシングルは、私たちにとっても新ジャンルへの挑戦で、私たちの世代にとっては、懐かしいというよりは、一周回って新しい感じで、でも40代、50代の方は懐かしいといってくださったり。『遠いところへ行くのでしょう』はフォーク調の楽曲やメッセージ性が強い歌詞というのは懐かしく感じてもらえると思うんですけど、歌詞の内容が今現在に象徴されるものがあって、『世界のどこへ行ったって 自分ファーストを叫んでいる 見えない壁で心が離れていく』という部分などは、人によっては政治的なメッセージに取れたり……」

--たとえば戦場など危険なところに向かう恋人を思うように捉えたり、普通に遠距離恋愛の歌に捉えることもできる。

田﨑「はい。歌詞の内容が限定されているわけではないので、聴いていただく方の状況に合わせて歌詞を当てはめていただければと思います。愛犬のことを思って聴いたと言っていただけたこともありました」

長谷川「元号が新しくなり新しい時代を迎えますが、この曲は昭和っぽいとか懐かしいと言われることもあるんですけど、この時代の変わり目にこういう曲を歌うことに意味があるんじゃないかなと思っています。懐かしい面と新しい面、両方含まれている楽曲じゃないかと思います」

--『ラブストーリーは始まらない』も新しさと懐かしさが同居している感じですね。

田﨑「こちらは歌詞が複雑な感じでドラマティック。『これ、ドラマなどでありそうだな』と、いただいたときに思ったんですけど、自分たちでも歌っていくにつれて、『ああこういう関係ってあるな』と、すごくかみしめて歌っています。『好き』って口に出せる人って多分少ないと思うんですよ。だから後悔している人もいて、そういう人に寄り添えるのかなと思っています」

長谷川「今音楽系の女性デュオってそんなにいないというか珍しいと思うので、親しみやすいと感じてくださる方もいれば、新しいと感じてくださる方もいて。また、今回の楽曲に今の私たち自身が合ってるんじゃないかと思います」

--さて、今回のシングルをリリースするまで約2年かかったということで、田﨑さんは以前のインタビューで、1stシングルのリリースから半年後くらいにはすごく焦っていたけど、ここ1年くらいは意外とマイペースで、今できることをやろうという気持ちになっていた、と話してくれました。一方の長谷川さんは?

長谷川「私は逆に、間が空くにつれて焦っていましたね。『もしかしたら次はないんじゃないか』という気持ちになっていて、リリースがない状態が当たり前になるのは怖いなと思っていたところで、今できることとして二人とも曲作りをしてライブでも歌っていたんですけど、どんな形でもいいからリリースしたいという気持ちでした。そしたらようやくシングルをCDでリリースできて!」

田﨑「私は最初ありえないくらい焦りすぎていて、周りの人もそういうのを気づいていたみたいで、でも焦っても、自分たちでできることの限界を知ったりもしたので、だったら今自分が動けること、曲作りは今のうちにストックしなきゃと」

--一つの目標として、以前から自作詞曲の楽曲をリリースすることを掲げていた田﨑さん。今回も提供曲でのリリースとなりましたが、今後もその目標は変わらず?

田﨑「はい!それは今も夢に思っていることです」

--長谷川さんも自作曲のレパートリーが増えてきましたね。

長谷川「はい。8曲になりました。イベントやライブでは、今回のシングル曲をメインで歌いつつ、『私たち自分で作っている曲もあるんですよ』と歌えたらいいなと思います。そして、今はCDはもちろん、配信とかいろんな形があるので、いつか何かしらの形で自分たちの曲を発信していけたらいいなと思います」

--最後に改めてシングルの聴きどころを。

長谷川「二人の歌がみなさんの心に響くように歌っているので、ぜひ新しいBitter & Sweetを聴いてほしいです。『遠いところへ行くのでしょう』はたくさん口ずさんでほしいですし、カラオケでも歌ってもらいたいです。『ラブストーリーは始まらない』は、ご自身の昔の恋を思い出したり、ぜひ自分に重ね合わせたりしながら聴いてほしいなと思います」

田﨑「『ラブストーリーは始まらない』は情報番組『ひるおび』(TBS系)のエンディングテーマになっていて、より多くの方に聴いていただける機会が増えるんじゃないかなと思いますので、テレビでは少しだけですが聴いて少しでもいいと思ったら、CDで改めてじっくり聴いていただきたいです。『遠いところへ行くのでしょう』は何も考えず、リラックスした状態で聴いていただくと、より歌詞が入ってくるんじゃないかなと思います。ぜひ聴いてください!」

Bitter & Sweet(ビター・スウィート)

2012年「第2回FOREST AWARD NEW FACEオーディション」でグランプリを受賞し、2013年にソロデビューした田﨑あさひと、2013年開催の第3回の同オーディションでグランプリを受賞した長谷川萌美により2013年に結成。2014年3月、インディーズ1stシングル『Bitter & Sweet/インストール』をリリース。2017年には『幸せになりたい。/写真には残らないシュート』でメジャーデビューした。