生駒里奈の原案によるハイセンス A3-D 朗読演劇『図書委員界』が10日、CBGKシブゲキ!!にて開幕した。初日前日の9日にはゲネプロと囲み取材が行われ、生駒里奈、若月佑美、斉藤朱夏、小松準弥、藍染カレン、平川結月、汐谷文康、長谷川かすみ、伊藤優衣が登場した。
ゲネプロを終え、今村海役の若月佑美は「この作品を幅広い年齢の方に見ていただきたい。原作を読ませていただき、お客さんが入ったらまた違う環境になるだろうと感じています。全力を尽くし、一人一人の顔を見るくらいの気持ちでこの作品を伝えたい」とコメントした。
原案および委員長役の生駒里奈は「素晴らしい作品ができたという喜びとともに、俳優陣とスタッフのおかげです。私の小中高のいじめられてた自分のちょっとした妄想の中の図書委員会の皆が具現化し、嫌いだった八神たちのことも好きになれるような、そんな作品になりました。悩んでいる人たちへのきっかけや支えになる作品として、多くの観客にご来場いただきたい」と、強い思いを語った。
質疑応答では、各キャストが演じる上で特に意識している点や、勇気づけられたことについて語った。
中元玲奈役の長谷川かすみは「私がこの作品の中で担うのは、いかにカイを追い詰めるかという役どころです。いじめの描写もあるため、仲間を引き立てつつどう演じるかを考え、気を付けてお芝居をしています。ネタバレになるので深くは言えませんが、そんな感じです」と、難しい役どころについて言及した。
赤城綾役の伊藤優衣は「以前は海の親友でしたが、憧れや思春期をきっかけに海を裏切ってしまう役です。その心苦しさや、キラキラしたグループに飛び込んだ中での葛藤も表現できるよう頑張っています」と、役の複雑な心情を語った。
八神桃華役の斉藤朱夏は「桃歌はクラスのトップで陽キャという立ち位置です。海を零奈とともに執拗に追い詰める役なので、見てくださる皆様に『胸くそ悪い』と感じてもらえるよう、一番気を付けて演じています」と、ヒール役としての心構えを明かした。
若月佑美は「今村海ちゃんという役は感情の波が多く、原作のキャラクターに近づきすぎず、自分の気持ちで全てを受け止め、伝えたいです。この朗読演劇で演じる意味を意識し、皆さんに影響をいただいて、最終的に『こうなりました』という海ちゃん顔を見せたい」と、役への深い理解を語った。
生駒里奈は「私は自分で委員長というキャラクターを作ったのですが、正直まだよく分かっていません」と、ユーモラスにコメントした。
コンテン役の藍染カレンは「コンテンは、明るくて正義感が強いサバサバした女の子です。気が強い人に見えないよう、常に裏付けされた優しさを意識して演じています。こんなこと言ったらよかったのに、というのを体現できたら」と、役の奥深さを表現した。
ユメカワ役の平川結月は「ユメカワは常に笑顔で、周りにやわらかい時間が流れているような雰囲気を出すことを意識しています。図書委員会の中のバランサーとして、周りをよく観察しながらお芝居をしています」と役へのアプローチを説明した。
バン役の汐谷文康は「闊達としていて明るくって爽やかなタイプに見えますが、誰とでも友達になれる彼の部分には、ただ明るいだけでなく、相手に合わせた温かい優しさが備わっているはずです。そうした多様な明るさや優しさを表現できるよう演じています」と、役の多面性を語った。
アポロ役の小松準弥は「声が大きくて、特にケンカするというところなんですけども、ケンカを通して海を救えるのかどうかは、見てのお楽しみに。ただ、海を思う気持ちだったり、僕もそうですし、図書委員会の皆は最後まで温かく見守ってるので、そういうところを大事にしつつ、あとは、すごく心苦しいシーンが結構続いたりとかすると思うんですけど、海自身だったりとか, 見てくださるお客様の心が少し軽くなるような、そんな空気感も作れるように頑張りたいなというふうに思います」と、役の役割を説明した。
作品にちなんで、「勇気づけられたこと」や「元気の源」について尋ねられると、各キャストが次のように語った。
長谷川かすみは「稽古場で、生駒さんが『図書委員界』の明確なイメージを持っていると感じていたので、うまくできているか不安でした。しかし生駒さんが稽古を見て『いい!』と言ってくれた時、とても勇気づけられました」と、生駒里奈からの言葉が大きな支えになったことを明かした。
伊藤優衣は「今までの人生で勇気づけられたのは、斉藤朱夏さんの言葉、生駒さんの喜び、そして金八先生のドラマで主人公の言葉に心救われた経験です。それが役者を目指すきっかけにもなりました。今回、『図書委員界』の委員の皆さんの言葉も私自身心救われるなと思いました。時代が変わって令和ならではの作品になればと考えています」と、過去の経験と今回の作品の両方から勇気を得たことを語った。
斉藤朱夏は「舞台のお芝居が2回目なので不安でしたが、みなさん優しく、多くを学ぶことができました。みなさんと朗読演劇ができることに感謝しています。生駒さんの物語と海のメッセージが胸に響き、この作品に関われて本当によかったです」と、共演者と作品から受けた勇気を語った。
生駒里奈は「原案の作品が朗読劇になったことに不安がありましたが、稽古に参加できない間、みんなが繋いでくれました。初対面や憧れの存在も多い中、みんなのおかげで作品が完成し、とても救われました。芸能界での自分の存在意義に悩むこともありますが、みんなが『まだここにいていい』と支えてくれました。この『図書委員界』を多くの人のきっかけにできるよう、みんなへの恩返しをしていきたい」と、作品と仲間への感謝を述べた。
藍染カレンは「作品完成後、生駒さん自身が物語に救われたという言葉に、私も同じ気持ちになりました。心が痛む作品ですが、演じる度に心が浄化されるような、幸せな気持ちになります」と、作品が自身にもたらした影響を語った。
平川結月は「良質な睡眠とバランスの取れた食事です」と、簡潔に答えた。
汐谷文康は「今回稽古に、毎回参加できたわけではなくて、限られた日程での参加になってしまっていたんですけど、その中でも仕事の合間を縫って、できる限り稽古に行こうとしました。スケジュールでは稽古休みになってるけど、合間を縫って少しでも顔出そうという感じで、稽古場のドアを開けたときにちょうど、一生同士をする直前だったんです。僕のバン役は、アンダーの方が務めていただく形になってたので、僕が行ったっていうところで、みんなが『国吉!』みたいに。すごい歓迎ムードで、輝いて見えたみたいで、やっぱ毎回行けてるわけじゃないので申し訳ない気持ちでそーっとドア開けたんですけど、みんなのリアクションが全然違ったので、本当に。それで、すごい生き返っているような、そんな勇気づけられた出来事でした」と、稽古場でのエピソードを披露した。
小松準弥は「僕が勇気づけられるのは、朝日で目覚めた時が一番勇気づけられるというか、カーテン開けて寝てるんですけど、その朝日の光とともに起きると、ちょっと今日頑張るかっていう気持ちになれるんで。雨の時は偏頭痛を起こすんです。雨が悪くないんですけど。たまには降っていただかないとやっぱ大地が乾いちゃうんで、どちらも好きなんですけど、やっぱ僕は朝陽が好きなので」と、勇気の源を語った。
公演は同劇場にて13日まで、一部をダブルキャストで上演する。詳細は公式HPにて。
https://eeo.today/stage/title/highsense_a3d_toshoiinkai/
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