【渋谷飛鳥インタビュー】原作から大胆にアレンジされた舞台『つか版 忠臣蔵』に出演「ぜひ劇場に笑いに来て」 | GirlsNews

【渋谷飛鳥インタビュー】原作から大胆にアレンジされた舞台『つか版 忠臣蔵』に出演「ぜひ劇場に笑いに来て」

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渋谷飛鳥
渋谷飛鳥

女優の渋谷飛鳥さんが約2年ぶりとなる舞台『つか版 忠臣蔵』に出演する(22日から上演)。あの『忠臣蔵』に比べて、ひとくせもふたくせありそうな“つか版”の内容と、演じる“志乃”への思いを、渋谷さんが語ってくれた。

--まず、今回の舞台の内容を紹介してもらえますか。『忠臣蔵』を知らない人にもわかるように。

「はい。浅野内匠頭と吉良上野介の二人が江戸城で対決して、刀を抜いてしまった浅野内匠頭が切腹させられます。でも世の中的には『吉良も悪くない?』と思っていた。そこで切腹した浅野内匠頭の家来、大石内蔵助が仲間を集めて敵討ちをしに行こうとなります。敵討ちをしたら武士の面目は保たれるけど、終わったら切腹しなければいけない。それはセットでついてくる。そういう時代の中で、殿のために自分の命を投げ打って戦うのか、やめるのか。結果90人以上いた家来が47人になってしまうけど、その人数で敵討ちに行って最後には切腹する。それがかっこよかった……という話なんですよ、ベースは」

--それが“つか版”になると……。

「もう、めちゃくちゃアレンジしています(笑)。まず浅野内匠頭が切腹にあたり辞世の句を詠もうとするんですけど、おバカすぎて詠めないというところから始まるんです。どうしようかとなって、大石内蔵助が今回の物語の主役・宝井其角に句の代筆を依頼します。其角は松尾芭蕉の弟子でもあった侍ですが、落ちぶれてしまい、バイト的に『辞世の句作りますよ』という活動もしています。その落ちぶれた原因が、私が演じる志乃なんです。志乃は“泣き女”という、お葬式を泣いて盛り上げるという職業をしていて、身分がすごく低い“河原乞食”といわれていた立場。その河原乞食とお侍さんが、『ロミオとジュリエット』じゃないですけど、恋をして、宝井其角が落ちぶれていくというところから物語が展開していきます」

--元の『忠臣蔵』からはかなりのアレンジですね。

「『忠臣蔵』を知っている人に怒られそうな展開で(笑)。大石内蔵助が本当にやる気がなく、『え、僕討ち入りするんですか!?』みたいな態度をとったり、吉良上野介が元の『忠臣蔵』では悪役の代表みたいな感じで描かれているんですけど、めちゃくちゃいい人で……。あと後半では、、近松門左衛門と、芝居の脚本も書いている宝井其角とのバトルがあったり、いろんな展開があります」

--『忠臣蔵』が大好きな人が観たら「おいおい……」ってツッこんでしまいそうな。

「でも元の『忠臣蔵』を知っている人ならより楽しんで観てもらえると思います。ベースがあってのパロディなので」

--そのギャップでね。“つか版”ということはかつて、つかこうへいさん演出の舞台で何度か上演されたことがある?

「もともとは、つかさんの劇団の作品なんですけど、でも『飛龍伝』や『蒲田行進曲』などは何度も再演されているので知っている人も多いと思いますが、『忠臣蔵』は1982年 の大晦日にテレビ東京のドラマで一回放送されただけなんです。観たことがない人が多いと思います」

--そのドラマ版は観たんですか?

「はい。ドラマ版では志乃役を松坂慶子さんが演じられていたんですけど、松坂さんの色気が凄すぎて、私には無理だと思い、別アプローチに変えました(笑)」

--全体的には笑える話なんですね?

「はい、笑ってもらえます。ドラマ版でも設定がいきなり現代も入ってきたりごちゃごちゃになっているんですけど、今回の舞台でも衣装もセリフも、『忠臣蔵』の時代と現代がごちゃごちゃになっていて、私はずっと着物ですけど、ほかの人は洋服だったり(笑)」

--元の『忠臣蔵』がもつ重さはあまりなく?

「ところが意外とその重さもあるんですよ。大石内蔵助が討ち入りしたくないんですけど、『忠臣蔵』といえば討ち入りじゃないですか。誰が討ち入るのかというポイントもあって。ちゃんと『忠臣蔵」の重さは残しつつも、笑えるところは思いっきり笑える内容になっています」

--当時“泣き屋”という職業は実際にあったんですか?

「あったみたいですね。あと“色を売る”じゃないけど、そういうこともしながらで。身分が低い女の人がその時代に生きていくには大変なんだなと思います。河原乞食 vs お侍さんの構図もあって、いろんな要素が入ってるんですよね、この作品って」

--そんな志乃は、どんなキャラクターの女性なんですか?

「思い込みが強く、自分の思いにまっすぐな人です。大願成就できれば、自分以外の誰を傷つけても構わないというような。それを側から見るとちょっと怖かったりすると思います。いろんな演じ方を現場で試しているんですけど『鬼みたいだね』と言われます(笑)。でも私の中では一本筋は通っています」

--今までにやったことがないタイプの役柄なのかも?

「ここまで自分の思いのためなら他の人を犠牲にしても……みたいな、その思いを正当化してやる役というのはなかったですね。だから結構な挑戦です。でも、ただの“自己中”じゃなく、もう一歩深い思いがないとここまでのことはできないなということをしちゃうんですね」

--志乃を理解するまでに時間はかかった?

「かかりました。ドラマ版見たり、台本を読んだりしたんですけど……。ただ、今回の作品では演出家が二人いらっしゃるんですけど、お二人が“魔法使い”なんですよ。普通台本を読んで自分なりの解釈をして、自分なりにセリフの言い方を考えるところから始まるんですけど、演出家の一人、四大海さんが、つかさんと同じ“口立て稽古”の手法で、台本を持たず、セリフをわかっていない状態で相手役と向き合い、四大海さんが発するセリフを聞いて、それと同じテンションでセリフ言っていくんです。自分がこれから何を言うのかわかんないし、どんな展開になっていくのかわからない状態でいうやり方なんですね」

--“口立て稽古”の経験は?

「私は初めてでした。でも、すごいなと思ったのが、その方法で芝居をするといきなり完成度が80点くらいまで出るんですよ。お客さんが聞いても私たちが言っても心地いい音とリズムを聞かされてからやれるので、舞台経験が少ない若い共演者でもいきなり80点を出す。スタートで魔法をかけられ、心地よく感じた中で、残りの20点を探っていくという手法です」

--なるほど。そこが“魔法使い”だと。

「そこで、もう一人の演出家・木村孔三さんが、分析する学者みたいな感じで、今私のセリフで何が原因で言いにくくなっているのか、を分析してくれるんです。“Aパターンの解釈でやっているけど、Bパターンでやったらすらすらセリフが出ると思う”と言われてやってみると、『わ、本当だ』と。そんな形でお二人に導かれています」

--その手法で戸惑いはなかった?

「最初は不安でしたね。俳優がそれで満足しちゃいそうだなと」

--最初の“80点”の段階でね。

「私自身が一応の正解を出せてるから、それ以上のことを求めなくなるのは怖いなと思っていたんですけど、演出的にOKな振れ幅があって、それじゃなきゃダメというわけではないんです。でも結果的に演出家のテンションに合わせていったほうが伝わりやすいというのもあって。そして、そのやり方じゃないと間に合わないくらい、“つか版”の台本の解釈って難しいんです。セリフ回しが本当に難しくて、一歩間違えるとまったく入ってこないんですよ。私も俳優としての欲が出てきて、一度四大海さんの指示を無視してやってみようと思ったんですけど、全然できなくなってしまって(笑)、気持ち悪くなってしまうんですね」

--演じているうちに、飛鳥さん自身が志乃さんと同化してしまうことは?

「同化してしまったら本当に怖い! この役は使うエネルギーが多すぎて、今までは演じていて自分のテンションをコントロールできなくなったことってないんですけど、今回はたまに危ないなというような、テンションが戻らないことがあって、『あ、あ、まずい、まずい』と思って一回部屋の外に出るとか……。エネルギー量がすごくて疲れちゃう。家に帰ると脱力感がすごいです」

--理解するけど同化はしない?

「時代劇なので、完全に役が入ってきちゃうという感覚はないんですけど、怖いなと思う瞬間がたまにくるし、気持ちが乗らないとセリフが言えなくなっちゃう。これまでそんなことはなく、とりあえずゴールまで走るというのがモットーだったので、『まずい、気持ちが乗らない』と思っても、そこから盛り返すこともできたんですけど、今回は気持ちが乗らないとセリフが言えなくなっちゃうんですね。役と客観的に接するとセリフが言えなくなるし、入り込みすぎると気持ちがおかしくなってしまう」

--そのバランスはなかなか難しいところですね。

「ただ“恋する女の気持ち”は、時代は違えど共通するところで、演出家とは『初恋だよね』と言っています。身分の問題があるから恋なんかできない、『氷のように心を閉ざし、その感情から喜怒哀楽を捨て去った……』というセリフがあるんですけど、そうやって心を閉ざさないと生きてこれなかった時代の人が、思わず恋をしてしまう。『好きな人のために……』というところは共感していただけるのではと思います。この人のために何かをしたいとか、そういうのってやっぱり恋愛だけじゃなくて、親子でも友達でもあると思うんですけど、そういう感情が根底にあって演じています」

--単に思い込みが強くて怖い、というところが出るということでなく、そういう思いもきちんとあって……。

「今回の『忠臣蔵』は登場人物がみんな、誰かのために動いているんですよ。もともと『忠臣蔵』って大石内蔵助が浅野内匠頭のために討ち入りしたというもので、そのベースがあるし、みんな優しいんですよ。誰かのために人を殺めようとしたり、誰かのために騙したり、誰かのために戦っているんですよね。今話しながらそう思いました」

--観終わったあとに救いがあるような展開に?

「はい。重さや悲しみの部分があっても、最後には救われるような展開になっています。一方でバラエティ要素が強く、物語の振り幅はすごく大きいです。ぜひ劇場に笑いに来ていただきたいです!」

--さて2020年も始まったばかりですが、今年やってみたいことは?

「昨年YouTubeを始めさせてもらったんです! 特技である似顔絵を描いたり。もともとブログに載せていたんですけど、どうせならYouTubeでやろうという話になって、鉛筆で似顔絵を描いたりだとか、描いてる過程を紹介したり、あと“100均ショップ”についての番組をやったりしています。今後も1ヶ月に1回くらいのペースでアップできればいいなと。これからも芝居を中心にやっていきたいのはもちろんありますけど、今年はそれ以外の活動にも積極的に取り組んでいきたいと思います」

舞台 パフォーマンスユニットTWT 第7回公演 『つか版 忠臣蔵』は22日(水)~26日(日)、浅草 木馬亭で上演。

キャスト、内容などの詳細は下記の公式ホームページにて
https://twt.stage.corich.jp

〈プロフィール〉
渋谷飛鳥(しぶや・あすか)

生年月日:1988年7月13日
出身地:新潟県
2002年、「第8回全日本国民的美少女コンテスト』にてグランプリ、マルチメディア賞をW受賞したことをきっかけにデビュー。ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)、『ハンチョウ~神南署安積班~』(TBS系)、映画『DEVILMAN デビルマン』『仮面ライダーダブル』、舞台『アンフェアな月』、『君はどこにいるの』などに出演。

渋谷飛鳥さんのYouTubeが見られるオスカープロモーションの公式チャンネル
https://m.youtube.com/user/oscarproch

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