舞台『終わらない歌を少女はうたう』で好演の小原莉子「関係性をうまく築けたかな」

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舞台「終わらない歌を少女はうたう」星組ゲネプロより
舞台「終わらない歌を少女はうたう」星組ゲネプロより

アリスインプロジェクトの9月公演『終わらない歌を少女はうたう』が新宿村LIVEにて18日まで上演されている。相笠萌(元AKB48)、声優の小原莉子など、総勢37名のキャストが繰り広げる時空を超えたSFファンタジーとなっている。

物語は3つの時代にまたがっており、タイムトラベルのような直接の人の交わりはないが、AI(人工知能)に託された想いが意外な結末へと導いてゆく。3つの物語が区切られている分それぞれの場面で登場する人物も限られているため、総勢37名(Wキャスト含む)の舞台にも関わらず、それぞれの芝居の密度がとても濃く感じられる。

公演は、半数ほどがダブルキャストとなっており、今回は14日に行われた「星組」初日のゲネプロの模様を取材した。

座長となる相笠萌さんは、小原莉子さんと寺田真珠さんと共に現代の物語に登場し、未来に大きな影響を与える役柄を演じる。前日の月組初日を終えた気持ちも交え、「ゲネプロと本番で3度舞台をやって慣れてきましたが、新鮮味を持って演じていきたい」と気を引き締めた。

寺田さんは、物語で最初は距離を持ちながらも次第に打ち解けていく3人の関係性について「もともと萌ちゃんとは知り合いだったので、顔合わせの時から一番よく話していたのですが、たまたま同じ物語に出演できて芝居がやり易かったです」と稽古を振り返った。

小原さんは「私は2人とは初めてだったのですが、それが役柄と重なって関係性をうまく築けたかなと思います。実は稽古の時も隣同士に座っていたのですが、萌ちゃんのことが気になっていて横目で観察しながら、ひとりで役柄を妄想で膨らませていました」と明かした。

物語は、アリスインでお馴染みの扇田賢氏の演出と、守山カオル氏の脚本がベストマッチした、心にしみる良質なSFファンタジーに仕上がっている。SFファンとしても、これまで「心」が“ある”“ない”で2極化されがちな人工知能について最近の研究なども踏まえられていて、好奇心を強くそそられる内容になっている。

特にエピソードBで渡壁りささん(星組)が演じたアンドロイド・ココロは、観客にこの物語でのアンドロイド像を示す存在であり、前後の物語を繋ぐ“遺伝子”でもある。彼女(?)のAIがどのようにして生まれ、継がれていったかを考えると、さらにロマンが広がるだろう。

公演案内(公式HP)http://aliceinproject.com/