舞川みやこ、アドリブ心理劇のゲームマスター役に「ルールをしっかりと覚えるのが一番大変でした」

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「アドリブ心理劇 ドナー・イレブン」ゲネプロより
「アドリブ心理劇 ドナー・イレブン」ゲネプロより

アリスインプロジェクト12月公演『アドリブ心理劇 ドナー・イレブン』が19日に開幕した。30日まで連日公演が行われる。上演劇場の池袋シアターKASSAIでは、本番直前に行なわれたゲネプロが関係者に公開された。

本作は、アリスインプロジェクトの人気作品『魔銃ドナー』を元に、心理ゲームの要素を前面に出した舞台となっている。原作の世界観とゲームの進行が非常によくマッチしていて、“実はゲームを元に舞台化したんじゃないの?”と思えるほど違和感がない。アドリブによるゲームの勝敗によって、結末の変わるストーリーも見どころだ。

アリスインプロジェクト初の試みだけに魅力を伝えるのが難しい作品だが、ゲームマスター的な役割の“アルベルタ・アーベンシュタイン”を演じる舞川みやこさんは、「魔銃ドナーの世界観はそのままに、お芝居のパートもしっかりありながらも、主体であるゲームの部分は完全にアドリブなので、全体を通してひとつの作品として伝えていくのが大変でもあり、見どころでもあります」と紹介。

さらに「バイツの正体をお客さんが見ることも出来るんですけど、ルールが判ったら、お客さんも見ないで一緒に考えながら楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。勝敗によって毎公演エンディングも違いますし、何度観ても楽しめると思います」と薦めてくれた。

演じる上で苦労したことは、「最初からバイツとして登場するのは私だけなので、観客の方にバイツのイメージが伝わるようにキャラクターを保ちつつ、いかにルールを判りやすく説明するかという部分で悩みました」と言い、「舞台ではゲームに参加しないのですが、やはり、進行役の3人がルールをしっかりと覚えていなければならないので、それが一番大変でした。稽古中は実際にみんなとゲームに参加して理解していきました」と明かした。

直前に出演した舞台『君死ニタマフ事ナカレ零_改』の役では、堂々と台の上に立つことが多かった舞川さんだが、今回も台上からみんなを見下ろすことが多い役に、「演出の壱岱さんから“センター台上女優”って呼ばれています」と笑っていた。

舞台はイントロとなる劇パートに続いて、ゲーム、エンディング、アフタートークの4つのパートで進行する。舞台を楽しむために鑑賞前の心構えとして抑えておきたいことは3つ。“魔銃ドナーの世界観”“ゲームのルール”“キャストの個性”だ。

世界観については、最低限“バイツ”と呼ばれるバンパイアと“ドナー”というバンパイア・ハンターが存亡をかけて戦っていることが分かればいいだろう。さらに脚本の麻草郁氏が前日譚を小説にしているので、そちらを一読しておけば完璧だ。

ゲームのルールについては前説や劇中でも説明があるが、セリフだけではなかなか理解が追いつかないだろう。ぜひ、公式サイトの説明を理解してから臨んでほしい。特に“血液検査承認テスト”の仕組みが独特なものなので、留意してほしい。

ゲームパートは、それぞれのキャストの素の部分がそのまま出てきたり、あるいは裏をかこうとポーカーフェイスを気取りながらの心理戦が繰り広げられる。“誰が誰だか分からない”状態で観るよりは“このキャストは普段こうだよね”と分かっていたほうが断然楽しめるだろう。

観客が舞台に直接参加するわけではないが、ただ受け身になっていて楽しめる作品ではない。出演者とともに脳みそをフル回転させて、推理に没頭して観て欲しい。

公演情報(アリスインプロジェクト) http://aliceinproject.com/