【田﨑あさひインタビュー 2】バースデーライブも目前 メジャーデビューから半年の今の心の内「今まで以上に焦りを感じるようになりました」

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田﨑あさひ
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二人組ガールズボーカルユニット・Bitter & Sweetの田﨑あさひさんが自身の22歳の誕生日にあたる20日、『Bitter & Sweet ASAHI TASAKI Birthday Live 2017 〜あい〜』と題し、バースデーライブを開催する。今年5月、結成3年半にして念願のメジャーデビューを果たしたBitter & Sweet。メジャーデビューから半年、今の心の内を明かしてくれた。

--メジャーデビューして半年になりましたが、その後はどんな活動を?

「リリースに向けて何曲か新曲を作ったり、ツアーは夏と冬と2回やらせていただいています。年2回のツアーは今年が初めてです」

--メジャーデビューして気持ち的な変化はありましたか?

「今まで以上に焦りを感じるようになりました。事務所の中でも年齢が下の子が増えてきて、そういう子たちのCDリリースのポスターを会社で目にすると、自分ももっともっとリリースできるようにならなければ、『Bitter & Sweet、何やってるんだ』という気持ちになります」

--でも年下の子となると、だいたいハロプロの子だから、ジャンルは違うし…。

「ジャンルは違うとわかっているんですけど、やっぱり焦ってしまいますよね」

--最近Juice=Juiceがデジタル配信限定のシングルを出したり、そういう流れにもなりつつあるのかなとも思ったり。田﨑さんとしてはCDの盤として出すことに強いこだわりはある?

「いえ、それはなくて、とにかくリリースできればと思います」

--以前のインタビューで、CDを出してジャケットの歌詞ページに「作詞・作曲:田﨑あさひ」と載るのが夢だと話していましたが、今もそれは変わらず?

「はい。その夢は今もあるんですけど、今はわがままも言っていられず、とにかくリリースできれば、形にはこだわりません」

--そういう気持ちの中で、音楽面でも変化は出てきましたか?

「作る曲は、自分の作りたい曲というより、『リリースできそうな曲を書かなければ』と思うようになりました。そうなると私が書きたい曲とはまた別になるので、その葛藤がありました」

--『蕾』のような内面をストレートに吐露したような曲や、『白い罠』のようなちょっとクセがある変化球的な曲はしばらくお休み?

「いえ、そういう曲もちょこちょこは作っているんですよ。やっぱり私の言いたいこともどこにも出せないままためておくのもあまりよくないと思うので」

--ミュージシャンなら誰しもある「売れるためのものと本当に自分がやりたいこととのギャップ」が、以前はそこまで意識しなかったのが、メジャーデビューしたことによって直面するようになったのかも。

「そうですね。自分が思い描いていた世界とちょっと違いが出てきたことは、それは当然だと思うんですけど、メジャーデビューしたことで、憧れているミュージシャンと同じ場所に立たせていただいているということを考えると、自分がやりたいことだけを求めるのはダメだなと身にしみて感じています」

--そういう憧れのミュージシャンの方たちというのは、田﨑さんよりもっと、世の中から求められるものと自分のやりたいことの間での葛藤は大きいのかもしれません。

「それは思います。私から見ていても相当なプレッシャーなんだろうなと思います」

--そんな中、リリースはまだないものの、Bitter & Sweetとしていくつかの新曲もできているようですね。

「はい、私が作詞した『シャイボーイと私』という曲は特によくライブでも歌っています」

--恋愛に奥手の男の子と女の子のデートシーンが微笑ましい内容ですね。

「キュンキュンする、少女漫画のような曲を作りたいと思いました。男子も女子も二人ともシャイだったら可愛くて微笑ましいなと。端から見ると早く進展しないのかなともどかしくなるような感じですが…(笑)」

--以前は詞を書く時には、小説をモチーフにしたり…という話もありましたが、この詞に関しては?

「私がこういう恋愛のシーンを見てみたいなという思いで書きました。見てるだけで幸せな気持ちになりそうなシーンで…」

--自分の経験を当てはめて、ということでもなく?

「はい。聴いてくれている人が、この少女漫画のような世界観に引き込まれてもらえればと思います」

--1年前のインタビューでは、恋愛の歌を書いた時にスタッフさんから「リアリティがない」とよくダメ出しされると話していました(笑)。

「そうですね。その頃は私には早すぎるような詞を書いていたからで…。スタッフさんから『薄っぺらいな』と言われていて、今読めば、私もそう思います(笑)」

--そしてすごくピュア路線に戻ってきたと(笑)。作曲も順調ですか?

「夏のツアーで、相方の長谷川萌美ちゃんと私が、それぞれ作詞作曲をした曲も二人で歌いました。曲作りについては今戸惑うことも多いです。自分はもっとかっこよくアレンジしたいのに、それに伴う技術がついてきていなかったり…」

--曲を作る時には、ピアノでのメロディだけでなく、アレンジも考えながら完成をイメージして作っていくんですか?

「ピアノだけで♪ラララ…と歌いながら作っていくこともありますが、出来上がって、スタッフさんや萌美ちゃんに聴いてもらう時には、ピアノだけだと、いくらアップテンポの曲を作っても勢いを感じないなと言われるので」

--今は志向としてはバンドサウンドという感じ? アコースティックというよりは。

「そうですね。1ヶ月か2ヶ月くらい前までは、ピアノ一本で作る曲のイメージもあったんですが、やっぱりバンドさんと一緒にツアーをさせてもらったりしていると、バンドサウンドで映える曲がいいなと思ったので、そういう志向になっています」

--今後Bitter & Sweetとしては、基本的にバンドサウンド的な方向になるのかな?

「うーん、今はどういう方向が一番あてはまるのか試行錯誤している時期で、今年はバンドサウンドになっていますが、またアコースティックな方向にいくかもしれないし、このままバンドサウンドが続くかもしれないし…」

--どんなアーティスト像だったらより受け入れられるのでは…という考えは?

「個性があったほうがいいとは思うんですけど、その個性を強めていけばいくほど、それを嫌がる人と、いいって言ってくださる人と二つに分かれると思うんです。それをどうしようかなと悩んでいるところではあります」

--たとえばどんな場面で?

「メジャーデビューシングル『幸せになりたい。』で歌い方をそれまでと少し変えてみたりすると、違和感を感じると言う方もいて。私としては『おっ!?』と思わせるような個性的なほうが好きなんですけど。耳に残るような…。ただ歌い方については、私一人の問題じゃなく、二人の声色が違うと歌の世界観が違ってくると思うので、それは萌美ちゃんと相談して決めたいと思います」

--長谷川さんとは二人で話す機会も増えました?

「そうですね。最近は特に。二人がやりたい方向性がかみ合ってないと、いい形ができるのは難しいと思いますので」

--時には議論が白熱したりすることも?

「二人ともボーカリストとして『自分はこうしたい』というものがあるので、どうしても曲げられない部分が出てくると、たまにぶつかることもあります。新しい曲を渡された時に捉え方の違いがあったり。捉え方が違うと歌い方も変わってくるので、そこはぶつかっても話し合います」

--そんなぶつかり合いがあってこそ、二人のハーモニーが研ぎ澄まされていくのかもしれません。

(22歳、新たに挑戦したいことも語ってくれたインタビューPart3に続く)

【田﨑あさひインタビュー 1】Bitter & Sweet結成以来初のソロライブを11/20の誕生日に開催「『これ選曲しちゃったの?』って反応が怖くなる曲も(笑)」

 

田﨑さんのバースデーライブ『Bitter & Sweet ASAHI TASAKI Birthday Live 2017 ?あい?』は20日、恵比寿天窓.swithで開催(19時開演)。

〈プロフィール〉
田﨑あさひ●1995年11月20日生まれ、長崎県出身。2012年『第2回FOREST AWARD NEW FACEオーディション』でグランプリを受賞したことをきっかけに2013年にソロデビュー。2013年に長谷川萌美と二人でBitter & Sweetを結成し、2014年にインディーズデビュー。2017年5月に『幸せになりたい。/写真には残らないシュート』でメジャーデビュー。

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