【田中珠里インタビュー 】舞台『BASARA』で主演、勇ましい少年と涙脆い少女の両面を見せる イケメンすぎるビジュアルにも注目

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田中珠里
田中珠里

田村由美氏による漫画作品が原作の舞台『BASARA』が1月13日より上演される。原作は「別冊少女コミック」(小学館)において1990年から1998年まで連載され、単行本全27巻を発行。また1998年にテレビアニメ化、2012年から2019年にかけて舞台化もされている。今回キャストをほぼ一新して上演される舞台『BASARA』で、田中さんは主人公・更紗役に抜擢された。

--今回舞台初主演ですね!

「はい、まさかの……。まだ舞台は今回で2回目なんです。それで主演させていただくことになって、正直まだ驚いています」

--オーディションで起用されたんですか?

「はい、オーディションでした。『BASARA』という作品でオーディションがある、とマネージャーさんから聞いていたのですが、この作品について以前から知っていて、すごくたくましくてカッコいい、そういう更紗に憧れていたので、“ほかの誰かが演じるくらいなら、絶対私がやりたい!”と思って受けました」

--内容と役柄について簡単に教えてもらえますか。

「文明が崩壊した日本が舞台で、暴君が支配するようになった世の中で双子の男女が産まれます。預言者が男の子のほうを指して『この子は運命の少年。未来を救う存在になる』と宣言し、その“タタラ”は村の人々から崇められるんですけど、“赤の王”という敵国の王から攻められて、タタラは殺されてしまいます。そこで立ち上がったのが妹の更紗で、お兄ちゃんの代わりにタタラとして生きていくことになるんです」

--役柄は女の子だけど、男子として演じる部分もあるわけですね?

「そうなんです。でも、敵の赤の王と更紗はお互い顔を知らず、戦いとは別の場所で男女として出会って恋仲になってしまうという、せつないストーリーとなっています」

--演じるにあたって改めて原作を読み込んだりして研究しました?

「めっちゃめちゃ研究しました。原作が全27巻あるんですけど、全部読み込みました。更紗って最初はたくましい女の子かなと思っていたんですけど、本当はすごく弱くて涙脆くて、周りの支えがないと頑張れない女の子ということがわかって。でもタタラとしてみんなの先頭に立つから、強くてたくましい女の子を演じているという姿もカッコいいなと思います。そこは目力や表情を意識して頑張りたいと思います」

--目力の強さはバッチリですね。

「強いですか? あんまりその意識はなかったんですけど、会った方によく言われます(笑)」

--特に気合が入った状態じゃなく平常時の表情のときでも強いです(笑)。

「今だと普段からマスクをするじゃないですか。目しか見えないから、『怒ってるの?』と聞かれることもあります(笑)。目が鋭いとかよく言われますけど、それは役者として武器にしたいです」

--更紗は強さと弱さを兼ね備えているという、演じるのに難しそうな役柄ですね。

「難しい役ですね。そういう、弱いけどたくましい女の子というのは今まで演じたことがなかったので。しかも舞台だと生じゃないですか。どう表現しようかと試行錯誤中です」

--稽古は始まってますか?(取材は12月中旬)

「始まってます」

--自分で研究してイメージを作り上げてきて、それを実際演じてみた感じはいかがですか?

「動きがついて、さらに更紗に近づいてきた実感はあります」

--頭の中で作っていたものがさらに具体的に?

「はい。あと殺陣も。殺陣は人生で初めてなんです」

--殺陣は別途稽古するんですか?

「全体で動きの稽古をしたあとに殺陣だけの稽古もしていただいてます。経験者の方が多いのでみなさんで私を支えてくださっています」

--現場では座長感を出すわけでもなく?

「全くないです。いかに存在していないかというくらい、存在感を消して縮こまっています」

--稽古を進めていく中で壁にぶつかったような経験は?

「それはまさしく今です! 殺陣が初心者なので、『こう切ったら相手は死ぬんだよ』とか詳しく教えてもらっている最中です。殺陣をしながらセリフも言って……、それがすごく難しいです。でもやるからには本気でぶつかっていかなければと思います。今は勉強中です」

--舞台の良さと怖さもあります。

「そうですね。それが魅力ですね。ずっとマネージャーさんに『舞台をやりたいです』ということを言っていて。今回一つの夢が叶いました」

--グループ活動(X21)を卒業して丸3年になりましたね。

「グループ活動時代からドラマなどには出させてもらっていたんですけど、解散してそこからはずっと演技を中心にやっています。今は“なんでもこい!”という感じです。ドラマも舞台もなんでもチャレンジする気持ちでやってきました。」

--3年間で女優として成長できたと思える作品は?

「やっぱり『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(2020年)ですね。もともと原作がある作品だったので、髪型からすべて役柄に寄せていきました。役柄がどんな性格かも全部原作に詰まっているので、撮影に向けてすごく脳を使って研究しました。結構ぶつかっていく挑戦的なシーンが多かったし……。あと同世代の子たちの演技を間近で見て、“自分も頑張らなければ”と刺激をもらえたので、その現場を経験してお芝居をもっと勉強したいという気持ちになり、自分自身変わっていきました」

--今後も演技中心で……。

「はい」

--こういう役をやってみたい、というのはありますか?

「表情一つ一つを意識できるようになってきたので、何か内に秘めているような女の子の役とかやってみたいですね。それ以外にも、本当に幅広い役を演じられるようになりたいなと思います」

--オーディションでは結果が出ないこともあると思いますが、やはり落ち込むことも?

「基本まったく落ち込まなくはないんですけど、オーディションに向けて自分が準備してきたことを出せて、満足して、それでも落ちちゃった場合は、吹っ切れて、次頑張ろう!と思えます。でもそのオーディションまでに自分の準備に足りないところがあったら、何やってるんだろうなと思います」

--今回ほぼ初めての舞台で主役を勝ち取ったのは素晴らしい! 最後に改めて舞台『BASARA』で見てもらいたいポイントを。

「やはり殺陣と、更紗の女の子としての可愛らしい部分と、立ち向かっていく男の子のカッコいい部分の両面を見せられたらと思います」

田中珠里(たなか しゅり)

1998年12月14日生まれ、京都府出身。2012年『第13回全日本国民的美少女コンテスト』ファイナリスト。ドラマ『だから私は推しました』(NHK・2019年)、『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(MBS/TBS系・2020年)などに出演。
SNS:https://twitter.com/umekichi_office
https://instagram.com/umekichi_official/

田中珠里出演 舞台「BASARA」
原作:田村由美「BASARA」(小学館)
公演期間:2022年1月13日(木)~23日(日)/東京・シアターサンモール
公式HP:https://officeendless.com/sp/basara-st/