【矢島舞美インタビュー】特撮アクション時代劇『BLACKFOX: Age of the Ninja』で物語のカギを握る少女を熱演中

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矢島舞美
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現在配信中の特撮アクション時代劇『BLACKFOX: Age of the Ninja』に出演する矢島舞美さん。「ウルトラマン」「仮面ライダー」「スーパー戦隊」「パワーレンジャー」を手掛けてきた坂本浩一監督による注目作で、アニメ×時代劇の連動プロジェクトによる本作。公開中のSF アクションアニメ映画『BLACKFOX』(野村和也総監督、Studio 3Hz 制作)が近未来を舞台に忍者一族の末裔を描くのに対し、本作はアニメの“ご先祖様”の物語を描いている。

本作で物語のカギを握る少女・宮(みや)役を演じるのが、元℃-uteのリーダーで、現在は女優として活動する矢島舞美さん。演じる宮は、人里離れた山中に父親と暮らす、特殊な能力を持つ少女。何者かに追われ、心配する主人公の律花(山本千尋)に反し、父の仇打ちすることを誓う。そんな矢島さんが、本作の撮影エピソード、そして℃-ute卒業後の演技に対する思いについて語ってくれた。

--今回はアクションが見ものの作品となっています。演じていてアクションならではの難しさはありましたか?

「ありましたね。私は特殊能力を持つ女の子役だったので、自分自身が刀を振ったり、身体を動かすというのはあまりなかったんですけど」

--矢島さんの特殊能力はCG合成で表現されるため、動きとしては、襲われる側で逃げたりするシーンが主ですね。

「はい。映像でのアクションって画角にちゃんと収まるように動かなくてはならなかったり制約があり特に難しくて。動くと勢い余ってしまいがちだったり、その中でもちゃんと決められた角度があったり」

--矢島さん演じる宮はどんな女の子?

「この物語のキーマンになっていて、宮によって周りが動く形になる重要人物です。過去の悲しい出来事を背負って、裏切られたり魂がなくなったりだとか、波がすごくあるので見どころはたくさんあります。宮自身は戦わず守ってもらう立場なんですけど、芯は強い女の子です」

--宮は父一人子一人で、お父さんと仲が良く、一緒に将棋をさしたり、微笑ましい場面もあります。自分の親子関係と重なる部分ってあるのかな?

「私は将棋はできないんですけど(笑)」

--矢島さんが小学生の頃からやっていたという野球ってお父さんの影響?

「はい。父はスポーツ全般が好きで、ラグビーのワールドカップのときにも『今日の試合どうだった!?』と盛り上がってたし、サッカーのワールドカップで日本代表戦をやっていると、私が寝ていても『舞、すごいよ!』って起こしてきたり(笑)。そういう仲の良さは共通しているのかなと思います」

--ところで本作の撮影が行われたのは……。

「2月に京都で行われました。雪も降っていましたし。私の衣装はまだ布があるほうなんですけど、露出が多い衣装の人は大変そうでした。だから私は弱音は吐けないと思い、鳥肌立てながら(笑)頑張って戦っていました」

--寒さは強いほう?

「いや~、私結構ガクブルしてしまうほうなので、心の中で寒さを『忘れろ忘れろ』と思いながら(笑)」

--作品の配信はすでに始まっていますが、反響はありますか?

「アクションをやっていたことを知ってくださっているファンの方もいて、監督に対して『舞美ちゃんの良さを引き出してくれてありがとうございます』という声も嬉しかったです」

--矢島さんのファンって℃-ute時代からずっと応援しているファンが多い?

「そうですね、そういう方も多いし、ファンの方と直接会う機会も少ないですけど、たまにイベントをやると、最近知ってくれたファンの方もいらっしゃいます」

--女優として確固たる地位を築いて、いつか「矢島さんの℃-ute時代を知らないです」というファンが大半になる時代が来るのかも。

「そういう人がどんどん増えてくれたら嬉しいですし、昔から応援してくださる方には、女優としても成長しているんだなというふうに観てもらえたら嬉しいです」

--℃-ute解散からはもう2年以上になるんですね。はやかったですか?

「あっと言う間ですね。もうそんなに経つんだと」

--それは今の女優活動が充実しているからかも。

「生活のすべてが変わったというか、新鮮な日々で。解散直後はお休み期間をいただいて、そういう期間にもそれまで行ったことがない場所に行ってみたり、いろんな経験が新鮮で、それが理由ではやく感じるというのもありますね」

--℃-ute時代はリリースがあればイベントに多くの時間を割かれたり、同時に演技の仕事が入っていても、それだけに集中するのは難しかったと思いますが、今は演技に集中して取り組めているようですね。

「現役のハロプロメンバーと舞台で共演していたOGメンバーの子から話を聞くと、イベントが終わってから稽古に合流して、全然時間がなくてかわいそうなんだよって。でも実際私たちもそういう感じでやっていたんだと。でも今はがっつりと稽古や撮影に集中できていてありがたいです」

--集中して取り組めることで変わった点もありますか?

「女優としてやっていくという覚悟が自分の中で強くなったこともあるし、稽古で、自分が出ていないシーンでも周りを見て吸収したり勉強できるようにもなりました。『ああ、こういうふうに取り組むんだ』とか、その姿勢を学んだり、全てが大事で、無駄な時間が一切ない感じです」

--以前は自分のシーンが終わったら、稽古場や撮影場所を出なければならないということもあったのかも。

「はい。自分が関わるシーンだけでいっぱいいっぱいでしたが、ほかの人がこういう演技をするから自分はこう動いたほうがいいんだとか、そういうことを考える余裕が当時はなかったです」

--充実している一方、逃げ場がなくなったというか、今は女優としての評価がすべてということでのプレッシャーもあるのかもしれません。

「そうですね。やっぱり自分の中で甘えたくないという気持ちがあるので、女優としてやっていくと決めたからには覚悟をもってやるぞという気持ちは常にあります。プレッシャーというよりは、自分に悔しくなったりすることはありますけど、でも楽しいですね、それも含めて」

--℃-ute時代、パフォーマンスに取り組む姿勢でも人一倍ストイックな印象だった矢島さん。それは演技でも発揮しているようですね。

「演技でも妥協はしたくないですね。イメージしたとおりにできないと悔しいです」

--現在は舞台『フラガール』の稽古の真っ最中(現在上演中、取材は9月末)のようですが順調ですか?

「はい!」

--記者会見では、演じる“まどか先生”役に自分と重なる部分があると話していましたが。

「自分もステージに立って、スポットを浴びて歓声を受ける感覚を鮮明に覚えていますが、まどかもそういうものを実感してきた人なんだろうなというイメージができて。まどかの場合、本当は続けたかったのにできなかった人で、そこは私と違うところではあるんですけど」

--自分がステージで学んできたことを若い子たちに伝えようと。ところで卒業後、現在はハロプロとは接点はあまりないんですか?

「レギュラーのラジオ番組があるのですが、そこに現役ハロプロメンバーをゲストに迎えることがあって、そこが唯一の情報源という感じです」

--メンバーの顔と名前は一致しますか?

「今はもういっぱいいっぱいです。『この子は、えっと……あ、この子だ!』みたいな(笑)。どんどん新しい子が入ってきているので」

特撮アクション時代劇『BLACKFOX: Age of the Ninja』は現在、各種配信系メディアで配信中。詳細は公式サイトにて。
https://www.jidaigeki.com/BLACKFOX_Ninja/

〈プロフィール〉
矢島舞美(やじま まいみ)
1992年2月7日生まれ。2005年、アイドルグループ・℃-uteのメンバーに。2017年にグループ解散後は女優として活躍。主演作『LADY OUT LOW!』『銀幕の果て』をはじめ多数の舞台に出演するほか、ドラマ、映画など幅広く活躍。最新の舞台『フラガール ­ dance for smile – 』は10月27日まで東京・日本青年館ホール、11月2日~4日、大阪・サンケイホールブリーゼで上演。

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