堀田真由、映画『プリズン13』で監獄実験「監督が看守長みたいで一番怖かったです」

ニュース 女優 映画・ドラマ
堀田真由
堀田真由

NHK連続テレビ小説『わろてんか』や、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』などでお馴染みの堀田真由さんが主演する映画『プリズン13』が、8月30日より東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋ほかで公開される。

本作は、1971年に実施された“スタンフォード監獄実験”をもとにした密室サスペンス。12人の被験者の男女は、看守と囚人に分かれ監獄生活を疑似体験するが、次第に行動は死者を出すまでにエスカレートしていく。堀田さんは、人気VTuberが企画した公開実験に参加する女子大生・マリに扮する。

GirlsNewsでは、堀田さんに『プリズン13』の見どころや撮影の苦労などについて聞いた。

-- 過去にもいろいろな映画の元になっている“スタンフォード監獄実験”が題材になっていますが、最初に内容を聞いたときにどんな感想を持ちましたか?

「まず、これを日本でやったらどういう映画になるんだろうと思いましたね。海外の『es[エス]』 という作品では、監禁されるのが男性だけだったのですが、『プリズン13』の台本を読んでみたら男女が登場するので、これはかなり違うものが生まれるだろうなと感じました。やっぱり男女が一緒にいると学校の教室みたいに“この人を好きになっちゃった”とか、恋愛要素も盛り込まれるのかなとか、すごくワクワクしました。最初にいただいた台本から大筋は変わっていないんですけど、私自身も主演をやらせていただくという想いがあったので、こうしたいとか、ここを変えたいとか、渡辺監督に伝えました。リアリティを大切に、臨場感と緊張感を待たせられるようにと何度か台本が書き直されて、撮影している最中も変わっていきました」

-- 具体的にどこが変わったのでしょう?

「最初は看守だったマリが途中で囚人に変わるのですが、その節目をすごく大切にしたかったので、“こういうセリフを足してほしい”とか、“ここで気持ちをマックスに持っていけたら嬉しい”とか監督に伝えて台本を変えていただいたりしました。最後にマリのアクションシーンがあるんですけど、最初はマリの姉・ユマ役の板野友美さんが活躍して終わりだったんですよ。でも“やっぱり成長したマリのカッコいい部分も見せたいね”ということになって、実際に現場でボクシングのコーチに指導していただいて、いい感じのシーンになったと思います」

-- 役作りでの苦労されたところは?

「普段は作品に入る前に“マリをどう演じるか”とか、最初にじっくりと準備して臨むのですが、今回は監獄実験の結果に基づいて“人間は状況で変わってしまう”というのがテーマなので、“だったら、マリはどう変わっていくんだろう?”という、いつもとは逆のアプローチで考えていきました。マンガの実写化などとは役作りの入口が違ったと思います。この役は自分自身と似ているところもあって、私も我慢して溜め込んでいても“言うしかない!”と思ったらバーン!って言ってしまうほうなので、やりやすい部分もありました」

-- 作品では役割によって“人はこんなにも変わってしまう”と感じる反面、そういう状況でも変わらない部分もあるんだなと感じましたが。

「マリもこの出来事を通じて、弱かった気持ちが強くなったという変化はありましたけれども、すごく豹変したわけではなくて、芯の部分は最初から変わらないなと思います。中島健さんが演じられた元ヤンキーの囚人グレも、そこまで変わった感じではなかったので、みんながみんなが変わるわけでもないんです。でもやっぱり強い人が弱くなったり、弱い人が強くなったり、立場がひっくり返るところが面白かったですね」

-- 胸の中に秘めている部分が出てしまうのでしょうか?

「でしょうね、きっと(笑)。でもある意味、何も変わらない人のほうが怖いかもしれないです。普通の人ほどどういう行動を起こすのか分からないというミステリアスな面白さもありましたね」

--極限状態のドラマですが、撮影で大変だったことは?

「ずっと外の光が入らないスタジオで撮影していたので、実際に監禁されてる感じでした。時間の感覚も分からなくなって体内時計も狂ってきて。撮影期間中は牢屋に行って家に帰っての繰り返しでした。本当の監獄実験に比べたら、家でお風呂に入れるだけよかったですけど(笑)」

— 演者の方と設定とか、キャラクターの振る舞いについて相談されたりしましたか?

「撮影に入る前にワークショップもしましたし、舞台の作品を作るみたいに、みんなで意見を出し合ったりましたね。私は座長みたいな立場なので現場を盛り上げて喋りたいとも思ったのですが、マリが内向的な性格だったので、役の気持ちが入っていて“あんまり喋りたくないな”と感じることもありました」

--それぞれのキャラクターに緩急があって、感情の起伏が大きかったのですが、お芝居は大変でしたか?

「私は普段はそんなに感情の起伏が激しいわけではないので、あんなに気持ちがマックスになるなんて、自分で演じていてもこれが正解かどうか分からなかったんですけど、出来上がった映像を見てあれでよかったと思いました。現場では監督から“そんなんじゃダメだ!”って追い込まれていたので、看守長みたいで一番怖かったです(笑)」

-- 監督も自分の役割に飲まれてのかもしれませんね。堀田さん自身は役になりきって飲まれるようなところはないですか?

「テニスの映画を観るとテニスがやりたくなったりとか、わりと単純なところがありますけど、この仕事には向いているのかもしれないです(笑)」

-- 共演者の印象について聞かせてください。

「カミヤマ役の伊藤さんはマリに一番優しく接してくれる役なんですけど、いろんなお話をさせていただいて、悩みとかも聞いてくださいました」

-- お姉ちゃん役の板野友美さんはどうでしたか?

「私が小中学校の文化祭でAKB48の曲を踊っていた世代なので、“ともちん”というイメージで、ご一緒できてすごく嬉しかったです。実際に妹さんがいらっしゃるそうで、お姉ちゃんぽくて素敵でした。たくさん話しかけてくださったり、振る舞いがスターだなって思いました」

-- 実際に監獄実験の募集があったら応募したいと思いますか?

「えぇ~っ!100万円もらえるんですよね。うーん。以前だった怖くてやりたくないですけど、この映画を終えたあとだからこそやってみたいと思います。今は人は変わるんだっていうのが分かって、心の準備ができているので。そのときは絶対に看守でお願いします。そこだけは譲れません(笑)」

--今後も出演作がたくさん控えていますが、女優としてこれからの抱負は?

「負けず嫌いで常に上を見ていたい性格なので、ずっと自分に物足りなさとか、満足してない部分はあるのですが、この作品をはじめこの夏から秋に6本程映画が公開されて、全部違った顔の役を演じさせていただいているのが、自分にとって強みだと思います。二十歳になってからは、少し余裕が持てるようになって、何かお話が来たときに自分が期待以上のものが返せるように、ちゃんと準備をしておこうと思うようになりました。まだまだ満足は出来ていないんですけど、逆にこの気持ちを忘れていないというのが自分には安心ですね」

-- 最後にこの作品を楽しみにしている人に見どころやメッセージをお願いします。

「主役のマリの目線から見てもいろんなものが見えますけれど、他のキャストの目線に立っても何通りにも見え方が在るので、それが本当に面白い作品だなと思います。観終わった後にどう感じていただくかは人それぞれなんですけれども、とにかく観ていただいて、感想を聞かせていただくのを楽しみにしております」

映画『プリズン13』は、8月30日より東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋ほかで公開。

■公開記念イベント開催決定!
【日時】
9月1日(日)
18:55の回
【場所】
シネマート新宿
【登壇者】
堀田真由/板野友美/前野朋哉/中島健/岩井拳士朗/芹澤興人/伊藤麻実子/立石晴香/岡部尚/宮下かな子/岡本智礼/近野萌子/渡辺謙作監督

映画『プリズン13』公式サイト https://prison13.com