クォンタムドールズ大阪公演で活動休止していた黒原優梨が復帰

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ガールズ演劇を企画するアリスインプロジェクト(以下、アリス)の大阪公演『クォンタムドールズOSAKA』が、日本橋のインディペンデントシアター2ndで26日に初日を迎えた(公演は30日まで)

東京から名古屋、大阪、そして世界へと活躍の場を広げつつあるアリスの3度目となる大阪公演は、ミライスカートの児島真理奈、ポンバシwktk(ワクテカ)メイツの福井柑奈、Miniature Gardenの長妻美玖、Fun×Famの笠松実夕・池田胡桃など、関西のご当地アイドルや、地元を中心に活躍する若手女優らがキャスティングされた。

物語は、6次元を介して人の姿を持った”武器”の力を借りる能力を宿した少女たち”フレイア”が、世界を破綻に導こうとする秘密結社“バチュラー”と戦う様を描いている。

主役となる女子高生のフレイア・明里を演じた児島真理奈さんは、ゲネプロを終えて「まだまだミスがあって不安がいっぱい。本番では改善して、いいスタートを切りたい」と心境を語り、「いつもの”はんなり”とした感じは消して、やさしく強い明里を演じられるように切り替えて頑張ります!」と意気込んだ。澄んだ声が耳に心地よく、演技の句読点というか、セリフの言い回しも的確で聞き取りやすく、主役にふさわしい印象だった。

明里の相棒となる武器で日本刀・八咫烏(やたがらす)役の知名えりかさんは「女性ばかりのキャストが魅力で物語も面白いし、殺陣もガッツリやってるのが見どころです」とアピールした。

今回演出を務めた河瀬仁誌さんが率いる劇団ZTONの看板女優・高瀬川すてらさんは、敵の首領であるアーデルハイドを演じる。「ラスボスとして物語をしめる立場であり、役者としてもこの中では経験があるほうなので、みんなを背中で引っ張って行きたい。経験がある子もない子もいるので、その差を感じさせないようなチームワークで、このメンバーならではのものを見せたい」と気を引き締めた。

明里たちを管理し、自らもフレイアの能力を持つ榊秀子を演じた新井ゆうこさんは「自分から出たいと言っていたのに、台詞があまりにたくさんあって、やっぱり辞めておけばよかったと思いました。プレッシャーで挫けそうになったけど、今はやってよかったと思います。人見知りなのですが、キャストのみなさんが優しくしてくれて、1ヶ月稽古してやっと心が開いてきました。千秋楽のころには全開になっていると思います」と話した。

新井さんはさらに演技での苦労にについて「演技の経験があまりないので、女優をしている妹に相談したのですが、セリフの覚え方から役柄についてまで、LINEで長文のやりとりをして教えてくれました。彼女も忙しかったと思うんですけど、とても助かりました」と振り返った。

東京公演と比べると、出演者が少なくなった部分もあるが物語はよりわかりやすい展開になり、大阪での公演らしく随所に笑いも取り入れられている。大阪らしいノリを感じさせてくれたユリ役の鳶野皐月さんは、「榊をとにかく振り回わす感じで、稽古でも演出家さんから思うようにやらせていただきました。せっかくの大阪公演なので、大阪らしく、私たちらしく出来ていたら」と笑顔を見せた。

アクションも東京公演よりさらに密度の高い物となっている。ダブルキャストの光組で安藤昇子を演じた平塚あみさんは、「大阪公演は出る予定がなかったので、観に行きたいなと思っていたら、まさかの安藤役で出演させていただきました。安藤はボクシングを得意としているので、スピード感を出せるように頑張りました」と言い、さらに「東京での公演に続いて今回も小道具を作らせていただいて、メリケンサックも私の手作りなんです」と明かした、

アリスのファンにとって、今回のキャステングで気になるのは、やはり7月のアリス公演のあと、やむを得ない事情で活動を休止していた黒原優梨さんの復帰だろう。黒原さんは「1月の東京公演にも出演しましたが、また新しいクォンタムドールズに出会えた。私自身も同じ役をやっているけど、また新しい蔵馬兎子に出会えて楽しい。大阪公演ならではの笑いあり、涙ありの作品になっているので、楽しんでもらえたら」と今回の公演への意気込みを語った。

そして、復帰を待ち望んでいたファンに向けて、「7月の舞台のあとにいきなり引退をするような形になって、応援してくれていた皆さんにお礼やお詫びを直接に言えなかったことが心残りでした。出演することは正直すごく迷ったのですが、初演と同じ役を故郷の大阪で演じられるということで決心しました。今回、こうして戻ってくることが出来て、ツイッターでも“おかえり”って言ってくれる人がたくさんいて嬉しかったです。応援してくれるファンの方がいてこその黒原優梨なんだなって、あらためて感じました。今回もたくさんの人が観に来てくれるようなので、舞台で頑張ってる姿を見ていただいて、結果として“よかったな”と思ってもらうことが一番の恩返しになるんじゃないかと思います」と想いを綴った。

さらに「実は今回で10作目の舞台出演なんで、自分にとっては大きなものだと思います。今後はまだはっきり決まってないのですが、もっと演技も磨いて精進していきたいと思いますし、歌うことも好きなので、いろんな形で皆さんにお目にかかることができたら。ファンのみなさんの声援が一番の糧になります」と抱負を語った。

また、今回が初舞台となる横野すみれさんは、明里を友だちとして慕う女子高生・草間玲を演じている。iDOL Streetのストリート生として活動する横野さんは、10月から隔週月曜日にAKIBAカルチャーズ劇場にて行われている「すとゅらみっChu SS 定期公演」にも参加している。「2日前の月曜日に秋葉原で公演があったので土日から東京で練習でした。舞台の稽古も大詰めだったのに休まなければならなかったのが大変でしたが、移動中の新幹線で必死に台本を叩き込んでなんとか今日を迎えました。この舞台はもちろん、AKIBAカルチャーズ劇場での公演も頑張っているのでそちらも応援してくれたら」とアピールしていた。

クォンタムドールズ OSAKA
http://alicein-osaka.info/