『アリスインデッドリースクール』15周年記念公演 あわつまい、遠藤瑠香らが意気込み

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遠藤瑠香・あわつまい
遠藤瑠香・あわつまい

舞台『アリスインデッドリースクール/ネクサス』が10日、東京・築地ブディストホールで開幕した。同所にて14日まで上演される。本番を前にゲネプロが関係者に公開された。

本公演は同作品の誕生15周年を記念するもので、墨尾優役のあわつまい、百村信子役の遠藤瑠香をはじめ、フレッシュな実力派キャストが集結。多数の女性キャストが出演している。

『アリスインデッドリースクール』は、毎年バージョンアップを重ね、派生作品を含め20作以上上演されている人気作品。今回は、初演時の演出を手掛けた松本陽一氏が再び演出を担当し、より原点に近い作品が届けられた。

舞台は真夏の登校日、屋上で漫才の練習をする墨尾優と百村信子の二人の前に、怪我をした生徒たちが駆け込むところから物語は始まる。三年生の紅島弓矢の手には血濡れの金属バットがあり、知らぬ間に世界は死体が蘇り、人間を襲い出す地獄と化していた。屋上に集まった様々な境遇の少女たちが、恐怖と絶望の狭間で決断を迫られる・・・。

あわつまいさんは、15周年記念公演で優役を演じることの喜びを語った。「今回は実力者が揃っている感じ」とキャストの布陣に自信を見せ、「ガールズ演劇なのにタフなキャストが多いので、すごく安心して優を演じられています」と語った。

遠藤瑠香さんは、これまでも『デッドリー』シリーズに何度も出演してきた。作品の魅力について、「辛いけどまた帰ってきちゃう。公演ごとに痛みを一旦忘れちゃうけど、帰ってくると『やっぱ苦しい』みたいな。それが楽しいというか、『デッドリー』の世界で生きられる安心感もある」と独特の表現で語った。

また、役柄のツッコミについて質問されると遠藤さんは、「基本的にツッコミができない性格なので、今回一生懸命に取り組みました。稽古途中で、ある日突然覚醒したと言われました」とエピソードを披露。アドリブシーンについては、「可能であれば、毎回変えたい」と意欲を見せていた。

【コメント抜粋】

あわつまい(墨尾優役)
「改めて『デッドリー』15周年に優役を務めさせていただけること、大変嬉しく思います。普段、アリスインプロジェクトさんやスタジオK’zさんは、フレッシュなキャストが多い印象があるのですが、今回の公演は、謎の安心感と安定感があり、座組全体に実力者が揃っていると感じています。ガールズ演劇でありながら男っぽく、タフなキャストが多いので、私自身も安心して優を演じられています」

遠藤瑠香(百村信子役)
「私は何度もこの『デッドリー』の世界で生きさせていただいておりますが、この作品には辛さがあるにもかかわらず、また帰ってきてしまう何とも言えない魅力があります(笑)。公演ごとに一旦痛みを忘れてしまうのですが、作品に再び向き合うと、やはり苦しい気持ちにさせられます。しかし、それがまた楽しいと感じられることや、『デッドリー』の世界で生きられる安心感もあります。これからも『デッドリー』が続いていってくれたら嬉しいです」

中村朱里(青池和麿役)
「『デッドリー』シリーズに初めて出演させていただきます。ありえないファンタジーな世界観ですが、舞台上ではすごく現実味があり、危機が迫った時にしか出ない本音があります。人間味のある舞台であり、これが愛される理由だと強く感じ、青池和麿を演じていてもすごく楽しくやらせていただいております。ゲネプロを終え、これから公演が始まりますが、この繰り返し上演される舞台で、私自身がもっと没入できる、そんな感覚を覚えたゲネプロでした。千穐楽までこの気持ちを持ち続けながら、皆さんと共に頑張っていきます」

永瀬がーな(高森朝代役)
「私が初めて舞台に出演したのは10年前の『デッドリー』で、その時『アリスインデッドリースクール』は10周年でした。私も様々な役で何度も“屋上”に来ています。作品は繰り返し上演されていますが、キャストが変わるたびに新しい『デッドリー』が生まれており、これは今後も続いていくのではないかと私も思っております。15周年を迎えたので、次は20周年ですね。私自身は年齢的にきつくなってきてはいるのですが、『デッドリー』は続いてほしいと願っています。私にとって『デッドリー』では、これで4役目になります。おそらく一番多く出演しているのは遠藤瑠香さんと私です。私が瑠香さんと共演した時は瑠香さんは優役でした。その時私はキリコで出ていたので、不思議な感覚でした」

桐下愛未(辻井水貴役)
「この歴史ある『デッドリー』シリーズの舞台に出演させていただくのは初めてだったのですが、このような重厚な舞台に立つこと自体が初めてで、心に響くものがあります。舞台上では、普通の学校生活を送っていたところに突然ゾンビが現れ、生徒たちも次々とゾンビになっていくという展開の中で、現実世界でも考えさせられることがあります。私もいま日々送っていますが、いつかなくなってしまうかもしれないという儚い気持ちを得ることができました。本当にこの舞台に出られてよかったなと思います。歴史ある舞台ですので、辻井水貴という役を大切に、『デッドリー』シリーズをこれまで見たことのある方も初めて見る方も、見てよかったなと思っていただけるよう、走り抜けます」

一本鎗希華(紅島弓矢役)
「私はずっと『デッドリー』の紅島さんに憧れていました。5、6年前の『コネクト』に出演した際は墨宮はるな役を演じていましたが、今回2度目で紅島さんを演じさせていただくことになりました。役の幅の広さに驚いています。以前感じなかったさまざまな感情や経験(苦しみ、辛さ、楽しさ)を、今回別の視点で見ることができてよかったです。この新しいメンバーで『デッドリー』ができたことも本当に素敵だと感じています。今回15周年ということで、もっと多くの方に知ってもらいたいし、ずっと上演を続けてほしいと思う作品です」

日和ゆず(堂本千十合役)
「『デッドリー』は初めて出演させていただきますが、今回のゲネプロは『デッドリー』の洗礼を強く浴びたように感じました。どれだけ綺麗にしても、カーテンコールの頃にはメイクが落ちてしまうので、何かよいスキンケアがあったら教えていただきたいです(笑)。」

三姫奈々(橙沼霧子役)
「『デッドリー』は4回目の出演になりますが、前回出演時は千秋楽まで駆け抜けることができませんでした。そのため私には思い残しがあり、今回15周年という節目の素敵な機会にまた“屋上”に呼んでいただけて、本当に幸せだと感じています。私が初めてこの団体に出演することになった舞台が『デッドリー』なのですが、その時永瀬がーなさんが橙沼霧子を演じており、永瀬がーなさんが演じる橙沼霧子は私にとって憧れの存在でした。その永瀬さんがやっていた役を今回演じさせていただくことができて、本当に今めちゃめちゃ幸せです。最後まで駆け抜けられるように頑張ります」

内木志(竹内珠子役)
「今回はゲスト出演なのですが、沖田桃果さんとほぼダブルキャストのような形です。初めてのゲスト出演ですが、3年前にこの劇場で主演をさせていただいて以来のブディストホールとなります。ゲスト出演として今回初めて『デッドリー』さんに出演できて嬉しいです」

沖田桃果(竹内珠子役)
「もう一人の竹内珠子役で、明日から出演します。15周年という節目の記念すべきタイミングで、初めて『デッドリー』に参加させていただきます。稽古中も歴戦の猛者たちがたくさんいらっしゃり、松本さんも何度も演出されているので、すごく深みや重みを感じる稽古だったと思います。私は本当に初めてなのですが、演者の方々からは“何度も出ているから大丈夫だよね”と言われてしまうほど、馴染んでいるようです。ぜひその馴染み具合を感じていただけたらと思います。お楽しみに。髪の毛を黒に染めました。久しぶりの人間役ということもあり、ぜひ私の黒髪にご注目ください!」

濵川明那(黄市恵美役)
「私もダブルキャストで、5公演だけ出演させていただきます。私、あわつさんがずっと好きで、優役もすごい憧れている役なんですけど、もうあわつさんの優が良すぎる。この『デッドリー』でご一緒させていただくのがほんとに嬉しいです。他の皆さんのキャラクターもそれぞれ大好きなので、最後までついていきます!」

桜羽まりの(宍戸舞役)
「今回初めて『デッドリー』に出演し、歴代の舞役に関わっている方々に、“すごく舞さんだった”とか“めっちゃ舞さん”といった言葉をいただきました。しかし、私はこれまでの舞役を知らないため、“ありがとう”としかお答えできませんでした。それでも、皆さんがそう言ってくれるので、それが自信になっており、安心して、その安心を届けられる舞さんを演じられていると感じています」

松本陽一(演出)
「15周年ということで、私は15年前の初演『デッドリー』から演出を担当させていただき、今回で4回目か5回目くらいの参加となります。今までの作品で最も濃厚だと感じており、脚本自体も削ぎ落とされ、これまでの公演で一番短い1時間50分の上演時間ですが、その分、重要なエッセンスがぎゅっと詰まっています。そして、全員が主役に見えるというのが、今回の『ネクサス』の最大の特長だと捉え、キャストと一緒に舞台を作り上げてきました。

稽古場で着実に積み上げていけている実感があります。私はスポーツが好きなので、例えるなら、全員サッカーや全員野球のようなものです。サッカー日本代表の森保監督が掲げる『全員が守備をサボらないハードワーク』という言葉のように、本当にそれがキャストの皆さんが全員体現してくれています。ご覧になってわかるように、ほとんどのキャストがずっと出ずっぱりの舞台なので、全員が集中力を持ってこの屋上にいるという状態を、1時間半ずっと作り続けなければなりません。これは非常に体力と精神力を要するもので、少しでも気を抜くと上手くいきません。しかし、全員が集中し、セリフを言う人、それを受け取る人、それで戸惑っている人、それぞれが様々な状況を演じ続けることで、空間を濃密に作り上げてくれてます。それが今回の『デッドリー』の最大の魅力であり、何回見ても痺れる舞台になるんじゃないかなと自負しています」

『アリスインデッドリースクール/ネクサス』
12月10日(水)~ 12月14日(日) ※全8公演
会場:築地ブディストホール
原作・脚本:麻草郁
演出:松本陽一(劇団6番シード)

【キャスト】
あわつまい / 遠藤瑠香
中村朱里 / 一本鎗希華 / 桐下愛未 / 日和ゆず / 三姫奈々 / 永瀬がーな / 絃ユリナ
加藤瞳 / 有井ちえ / 天知ひまり / 桜羽まりの / 月詠乃愛 / 柏木れに / 神田緋那
もりしまりお

【変則ダブル】
濵川明那(10日(水)・12日(金)・13日(土)の5公演に出演)
北條里奈(11日(木)・14日(日)の3公演に出演)

【ゲスト出演】
内木志(10日(水)19:00・12日(金)19:00・13日(土)18:00・14日(日)12:00)
沖田桃果(11日(木)19:00・12日(金)14:00・13日(土)13:00・14日(日)17:00)

チケット等詳細:https://studio-kz.info/

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