森七菜、2020年1月歌手デビュー決定 岩井俊二×小林武史による映画『ラストレター』主題歌「お芝居をする感覚で歌いました」

ニュース 女優
小林武史、森七菜、岩井俊二
小林武史、森七菜、岩井俊二

映画『天気の子』のヒロイン声優やドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)などで注目された女優・森七菜さんが、自身も出演する、岩井俊二監督最新作映画『ラストレター』の主題歌『カエルノウタ』で、2020年1月15日歌手としてデビューすることが決定した。森さんは「初めてお話をいただいた時、本当に私で合っているの?と驚きました」と率直な思いを明かしている。

森さんは『ラストレター』に、岸辺野颯香 / 遠野裕里(回想)役の二役で出演している。その主題歌『カエルノウタ』は、作詞を岩井俊二、作曲を本映画の音楽を務める小林武史が担当する。

森さんは「今回、歌手デビューとなり、映画主題歌に初挑戦です。それがこんなに素敵な、私が大好きな作品で、さらに岩井俊二監督、小林武史さんに作っていただいた唄を歌うことが、非常に重大な事だと感じました。歌詞、メロディともに一瞬一瞬聴き逃せなく、全部余すことなく歌わないと、と心掛けました。歌うことは楽しいですが、まだまだ未熟なので、ひとつの映画を作るような、お芝居をするような感覚で歌いました」とレコーディングを振り返った。

そして「スクリーンで最後に自分の歌が流れるのは、楽しみですが、すごく誇らしげな気持ちになるか、穴に入りたくなるか、どちらかだと思います(笑)」と歌手デビュー前のドキドキした気持ちを明かした。

今回森さんが主題歌を歌うことになった経緯について、企画・プロデュース担当の川村元気氏は、「『スワロウテイル』におけるYEN TOWN BAND、『リリイ・シュシュのすべて』から生まれたリリイ・シュシュ、岩井俊二監督作品から、いつも素晴らしい音楽が生まれてきた。では『ラストレター』からはどんな音楽が生まれるのか。岩井俊二、小林武史と話し合いを続けた。たくさんのアーティストが主題歌の候補としてあがるなか、答えが目の前にあることに気づいた。「試しに」と歌ってもらった森七菜の歌声には、少年と少女の間をたゆたうような瑞々しさと、誰にも真似できない力強さがあった。その声に惹きつけられて、岩井俊二がおとぎ話のような歌詞を書き、小林武史が映画の世界観を投影したメロディをつけた。エンドロールにこの主題歌が流れたときに、ついに”岩井俊二監督作品”が完成したのだと感じた」と説明する。

シングルのカップリングには小泉今日子の『あなたに会えてよかった』、荒井由実の『返事はいらない』のカバーを収録。主題歌『カエルノウタ』が使用された新特報は、11月22日より順次全国の映画館で上映される。なお、映画『ラストレター』のオリジナル サウンドトラックも同じ1月15日に発売となる。

■小林武史コメント
主題歌は、歌独自の世界観はもちろん、映画との関係性というのも必要で、今回、映画のエンドロールの使いどころも、透明感のある森さんの声にピッタリなので、トータルとしてうまく色々な要素がつながることになると思います。森さんは、レコーディングを一回一回重ねるごとに成長してくるんです。最初から表現しようとする気持ちがあり、やっぱり女優さんなんだなと思いました。歌詞の意味を岩井さんに確認したりしていて、その後のレコーディングは、また格段に良くなり、二歳くらい年齢が上がったような感じで、最後はあどけなさだけでなく、女性としての色気が出てきたのかなと思いました。女優だけでなく、歌い手としての顏もどこかで忍ばせていってほしいなと思います。

■岩井俊二コメント
イソップ童話のひとつをモチーフにしつつ、ショートフィルムも別に作るような感覚で、映画と程よい距離感を保ちつつ、いろいろな解釈ができる歌にできればと思い、作詞しました。
森さんは、やはり根に女優というものがあるので、「上手く歌おう」というよりも、「表現しよう」というアプローチが、撮影現場で役者としてやっていたアプローチに共通するものがあるんだな、と。歌だけですが、演じるような表現でひとつひとつの言葉に宿すものがあって、まだあどけない女の子なのに、すごく丁寧に、文学的に表現していて、とても感心しました。映画の主題歌には、そこまで観てきた流れを上手く支えて、余裕を持ちながら緩やかに着地していくような役割があると思いますが、そこはとてもうまくいったかなと思っています。映画を観る前に曲だけ聞く人もいて、そういった方々がどんな映画を想像するかな、なんて想いを馳せつつ書いたので、そういう楽しみ方もしてもらえたら嬉しいです。

(c)2020「ラストレター」製作委員会

映画『ラストレター』特報2