菊地亜美 アイドリング!!!への愛が詰まった不眠不休の卒業ライブ

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  • アイドリング!!!14thライブ 井の中のアイドリング!!!大海でバタ足ング!!! 夜公演 菊地亜美アイドル卒業までのカウントダウンより
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11月24日、アイドリング!!!菊地亜美さんの卒業公演「アイドリング!!!14thライブ 井の中のアイドリング!!!大海でバタ足ング!!! 夜公演 菊地亜美アイドル卒業までのカウントダウン」が渋谷・NHKホールにて行われた。

テレビをつければ、彼女がいる。そんな表現が使えそうなほどの売れっ子となったアイドリング!!!16号、菊地亜美。アイドルとは思えないトークの巧みさと底抜けの明るい性格で、近年はアイドリング!!!の顔としてグループを引っ張ってきた。そんな彼女が今年の夏、6年半在籍したグループからの卒業を決断し、ついに旅立ちの日を迎えた。会場のNHKホールには、16番のナンバリングTシャツを纏ったたくさんのファンが集結。秋晴れの空のもと、彼女のアイドリング!!!での最後の勇姿を見届けようと客席を埋めた。

そして、いよいよ開演。菊地亜美さんと三宅ひとみさんがプロデュースした清廉な白い衣装を来たメンバーとともに、「最後なので目立とうと思った」と一人ピンク色の衣装を着た菊池亜美さんが登場する。1曲目は自身初のセンター曲「シャウト!!!」。自らが考えたというセットリストに「卒業ライブといえば思い出の曲を入れるじゃないですか。なんか私それはありきたりかなと思って、でもあのー、みんなの好きな曲入ってないかもしれない(笑)」と不安のをぞかせていたが、「サマーライオン」「One up!!!」「Shine On」といった怒涛のアッパーチューンメドレーで客席の盛り上がりは早くも最高潮。客席からの大きな声援が、彼女の憂いを一掃した。

ライブの見どころのひとつとなったのが、ライブ中盤に設けられたユニット曲コーナーだ。「想いの詩」では自らピアノを生演奏。続いて自らが所属していたバンバンアイドリング!!!をあえて外し、ギザギザアイドリング!!!の「NA・GA・RA」を歌った。さらに関西出身のメンバーのみが歌っていた「まけへんで!」のイントロが流れると、客席から大きなどよめきが起こる。関西出身ではないが、北海道から上京し孤独と戦ってきた彼女が抱いた思いも同じ。客席で見守る家族の前で、感謝の気持ちをしっかりと歌った。そして、最も歓声が湧いたのは「どうしてもあのグループに入りたかったんですよね」という予告からNEO from アイドリング!!!の「mero mero」が流れた瞬間だ。自身初のセンター曲の、いわばライバルとして設定されたこの曲。「マジで入りたかった、入りたかったけどすっごい止められた側じゃん」(菊地亜美)と念願の加入だったことを明かし、最後は佐藤麗奈さんが務める最後の「mero mero」コールを乗っ取って、思いをかなえた。

もちろん、アイドリング!!!卒業式恒例のあの人も登場した。ユニットコーナー終了後、フジテレビ・森本さやかアナウンサーと元メンバーの谷澤恵里香さんが登場し、労をねぎらっていると聞き覚えのある”恩師”の声が。本人にはスケジュールの都合で行けないと伝えていたバカリズムさんが急きょステージに上がった。遠藤舞さんの卒業ライブに続き、今回もしっかりとオリジナルの長ランをプレゼントしたバカリズムさん。「あみみの歌50分はキツイ」と辛口ながらもエールを送り、メンバーはいよいよアイドル界初の挑戦となる50分ノンストップライブへと挑むことになった。

「寒い夜だから」から始まった50分のノンストップライブ。パフォーマンスのレベルは落ちることなく、笑顔を絶やさずに踊り続けるその姿は前日から不眠不休でライブに挑んでいることを忘れさせた。「粉雪が舞う街並みで」では、遠藤舞さんがかつて務めていたソロパートに挑戦。『来年も再来年も その先もいつまでも こんな風に肩並べて この季節過ごせますように』という歌詞が、もう一緒に過ごせる冬が来ないことを思い出させたのか、これまで気丈に振る舞ってきた彼女の瞳から一筋の涙がこぼれた。そんな湿っぽい雰囲気を、続く「GO EAST!!! GO WEST!!!」で一掃。2期生で歌った「ドーナツの向こう側」では、新曲「ユキウサギ」でボーカルを務める同期へエールを送り、再び涙をこぼした。前人未到の挑戦は、「やらかいはぁと」で無事終了。観客からは、大きな拍手が送られた。

菊地亜美の、菊地亜美による、菊地亜美のためのプログラムも、終わりの時が近づく。アンコール3曲目の「さよなら・またね・だいすき」が終わると、加入期ごとにメンバーが彼女へメッセージを送った。

「NEO期みんな、あみみさんを目標にいろんなことを頑張ってきました。(中略)ほかのメンバーがNEOに入りたくないと言う中、あみみさんは一番にNEOに入りたいと言ってくれて、すごく嬉しかったです。でも、今日一緒にNEOになれて、最後のmero meroは奪われたんですけど(笑)夢がかなってよかったです」(NEO期・佐藤麗奈)

「私たち5期生は加入して3年になりますが、あみみさんと会話らしい会話をしたことがありません(笑)(中略)でも、卒業発表したあたりからあみみさんとすごく話しやすくなって、仲良くなれたんじゃないかなって勝手に思ってます」(5期・高橋胡桃)

「あみみさんと仕事の話、プライベートの話、楽しい話をたくさんできるようになってからまだ半年近くしか経ってないね。なんでもっと早く打ち解けられなかったんだろうって後悔してます。(中略)これからは仕事に余裕があるとき、何か悩みがある時、知佳に会いたくなったら連絡してね」(4期・尾島知佳)

「亜美ちゃんは楓が3期生で入ったときからずっとかわいがってくれてて、お菓子買ってあげようかとか、アイス買ってあげようかとか、洋服もたくさんくれたし、亜美ちゃんに顔を触られすぎて楓の肌が荒れたって言われたけど、一番かわいがってくれた先輩でした(中略)楓が一番好きなテレビ番組は亜美ちゃんの出てるバラエティ番組なので、これからも楽しみにしています」(3期・橋本楓)

「卒業することはかなり前から心構えをしていました。やっぱり菊地亜美として、一人で活躍してて、心構えをずっとしてたんですけど、今日やっぱり思うのはもっとちゃんと話したかったなって…伝えたいことも伝えてないんだろうなって。なので今日は最後に…亜美の仕事に対する姿勢をずっと尊敬していました」(1期・外岡えりか)

「めちゃくちゃマジメなんですごく心配してたんですけど、亜美ちゃんがラジオを一人で始めるってなったときに、他の人のラジオを何十回、何百回聞いて研究したって話を聞いたりとか、バラエティ番組に出るときはあらかじめちゃんとどういうコメントを言った方がいいかとか一杯考えてるって話を聞いた時に、この努力が報われてるんだなあって思う」(1期・横山ルリカ)

後輩や、先輩からのメッセージ。彼女は、時に「マネージャーさんが書いたんじゃない?」「ほかの人は封筒に入れてたのに昨日書きましたみたいな紙」とツッコんで笑いを誘い、先輩からの褒め言葉には素直に頬を緩ませて喜んだ。彼女が、どれだけアイドリング!!!というグループを愛していたのか、垣間見えた瞬間だった。

そして、最後は6年半苦楽を共にしてきた、2期生からのメッセージとなった。

「卒業前だからもう言うけど、亜美ちゃんが番組とかでちょいブスって言ったり、お母さんをディスったり、正直こいつなんなんだろうって思ってました。(中略)でも、よく考えたら私のことこう言ってくれるってことは私のこと好きなんじゃんって。そこから妙に好きになって。そこからプライベートでもお酒一緒に飲んだり、話したいなって思う仲になりました」(河村唯)

「リハで泣いてたじゃん、私。リハの「さよなら・またね・だいすき」で泣いてて。だけどディスられたことを思い出したらふつふつと怒りが湧いてきて(笑)これからいっぱい遊びたいなと思います」(長野せりな)

「いろんな成長をした姿が見れて、私はよかったなと。これからは亜美ちゃんから甘えてくることを期待して、プライベートで『二人でサムギョプサル食べました~』って写メがツイッターにあげられるような、そういう付き合いができたらいいなと思います」(酒井瞳)

「2期生はこうやって変なことばっかり言ってるけど、一緒に入ってこれて、本当によかったなって思います。(中略)リハ中とかも先生が真剣に話してる時に『朝日、眠い』ってわざわざ言ってくるのもカンに触ったし、でも亜美ちゃんは素直な人だからそういうのが全部出ちゃうっていうのも知ってたし、そういう亜美ちゃんが好きだったから…これから番組とかで隣にいないんだなって思うとさみしいけど、亜美ちゃんの分まで一生懸命アイドリング!!!を盛り上げていくから、みんなで盛り上げていくから、亜美ちゃんは個人的に頑張ってください」(朝日奈央)

「私は芸能界に入ったのがアイドリング!!!だったから右も左もわかんなかったんだけど、亜美は2、3年お仕事ひとりでやってて下積みもあって、年も2つ上だったから、私はお仕事に対してのプロ意識は亜美を見て学んだし、亜美にたくさん教えられました。亜美はバラエティにたくさん出たいって夢を持ってて、私は女性誌のお仕事がしたいって夢をずっと語ってきて、亜美がずっと出たかったバラエティ番組にひっぱりだこになってるのを見て自分のように嬉しかったし、私が雑誌のモデルに決まったときも抱きついてきて、自分のことのように喜んでくれて、すごく嬉しかったよ。これからもお互いに切磋琢磨しあいながら、友達として仲良くしてください」(三宅ひとみ)

卒業ライブとは思えないカミングアウトや、思わぬ裏話が次々と飛び出す。しかし、ステージのメンバーも、客席のファンも、涙を流しながら笑って聞いていた。本当に大切な時間を共に過ごした、仲間だからこそ腹を割って話せると、皆知っていたからだろう。盟友と一人ひとりハグを交わして、最後は菊地亜美さんが別れの言葉を述べた。

「今までのメンバーが卒業するときはリハーサルからああ卒業するんだって思ってたんですけど、自分が卒業するとなると本当に実感が無くて。でもさっき、歌を歌ってる時にだんだん実感してきて、明日からアイドリング!!!じゃないんだって。(中略)PVとかジャケットとか、私を初期のころから応援してくださってる方はわかると思うんですけど、ほとんど映ってなくて、PVも3秒。シュって、1秒3回みたいな。でも6年半かけて、やっとCDのセンターになったときは本当に…本当にうれしかったです。だから、今NEOとかも頑張ってるけど、端っこの子も頑張ってほしいし、みんな思うこともあると思うんですね。年頃の女の子ですし…だから、そういうのに負けないで頑張ってほしいし、私も今バラエティに出させて頂いているのもアイドリング!!!のおかげだと思ってます。…全部がアイドリング!!!のおかげだとは思ってないんですけど…(笑)」

今や日本のアイドル界を代表する存在となった菊地亜美。ただ、彼女は最初からグループの中心にいたわけではない。歌では「PVもジャケットもいつも端っこだった」と振り返り、番組でも上手くいかず加入当初は泣いてばかりだったという。しかし、彼女はここまで来た。コツコツと積み重ねた努力は、加入から5年半でセンターというポジションを手に入れ、世間から愛されるバラエティの人気者としての座をもたらした。「美人薄命」のアイドル業界、これから彼女が進む道は決して優しいものではないだろう。それでも、アイドリング!!!で示したサクセスストーリーをさらに切り開くために、彼女の努力と挑戦は続く。その背中を見て、夢を繋げる人がいる限り。

●セットリスト
M1 シャウト!!!
M2 サマーライオン
M3 キュピ♥
M4 One Up!!!
M5 Shine On
M6 I’d Ring
M7 想いの詩
M8 NA・GA・RA
M9 まけへんで
M10 mero mero
M11 ベタな失恋~渋谷に降る雪~
M12 アイドル新記録50分メドレー!!!
(寒い夜だから~EZ DO DANCE~恋ゴコロ~サヨナラ純情~戦闘恋愛少女ロボB型の憂鬱~U~Iのスタンダード2014~粉雪が舞う街並みで~GO EAST!!! GO WEST!!!~夏のお嬢さん~涙のフリージア~ドーナツの向こう側~モテ期のうた-season2-~Snow celebration~やらかいはぁと)
M13 MAMORE!!!
M14 さくらサンキュー
EC1 SHA KA LA KA PARTY
EC2 「職業:アイドル。」
EC3 さよなら・またね・だいすき

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