【新井ひとみインタビュー 】加藤登紀子の名曲『時には昔の話を』をカバーし25日リリース「今の時代に特にぐっとくる曲です」
4人組ダンス&ボーカル・グループ「東京女子流」のメンバーで、80年代歌謡曲のカバーでソロ活動も行う新井ひとみさんが、25日に3rdシングル『時には昔の話を』をリリースする。本作は、ジブリ映画『紅の豚』のエンディングテーマとしても知られる、加藤登紀子さんの80年代を代表する名曲。今回この新曲について、またソロ活動を開始し丸1年となった今の思いを聞いた。
--これまで80年代アイドルのカバーをしてきた新井さんですが、今回は加藤登紀子さんの名曲という、また驚かされる選曲となりました。もともと加藤さんの曲は知っていたんですか?
「『時には昔の話を』を歌わせていただいたことをきっかけに、加藤登紀子さんの曲を知りました。今回スタッフさんが候補曲をいくつか出してくれて、全部聴いて歌ってみたんですが、この曲が、コロナ禍の今の時代のことを考えたら、聴いていて一番ぐっとくるかなと思いました。いろいろね、今は大変なことが多いけど、一度立ち止まって『自分のやりたいこと』って何だろうと考えたり、楽しかった思い出を振り返りながら聴いてもらいたいな。そしてそこからまた前に進み出してもらいたいなと思います」
--映画『紅の豚』のエンディングテーマとしても有名な曲ですね。
「これをきっかけに『紅の豚』も観ました。カッコいい! セリフや戦闘シーンがカッコよく、そんな中で(加藤登紀子さんが声と歌を担当したシンガー)ジーナさんの歌声がジーンときました。深みがあり艶やかな声で画面に見入っちゃいました」
--物語の終盤は戦闘シーンなど割とドタバタする展開ですが、エンディングのこの曲で浄化されるというか……。
「はい。エンディングでは落ち着くように静か〜に流れて、時の流れってこういう感じなのかなと思いながら聴いていました。この曲は青春時代を振り返るような楽曲で、私は実家に帰ると、よく昔の写真を見ることがあって、『時には昔の話を』を歌うとなったときに、歌詞と照らし合わせて、『家族たちと一緒にいろんなところに行ったな』とか、自分の昔の話とリンクするところもすごくありました」
--今回の曲はこれまでのひとみさんの歌ではあまり聴いたことがないような低音ボーカルで、深みのある歌声が特徴的です。
「低音で歌うことで、感情の深みだったり、歌詞の意味だったりをより感じられるようになっているなと思いますし、みなさんに、よりね、じっくり音楽を楽しんで聴いてもらえる楽曲になっていると思います」
--歌うときに心掛けたことは?
「今の私ができるのはなんだろうと思いましたが、やっぱりマネするのは違うなと思いました。一番二番は柔らかく歌っているんですけど、最後のブロックだけは、壮大な感じで盛り上がるじゃないですか。だからそこさらに深みを持たせて、低音を効かせて歌っています。そんなところにも注目して聴いていただきたいと思います」
--またレパートリーの幅が広がり、歌い方の幅も広がった印象です。
「こうやってソロでいろんな楽曲をやらせていただいて、80年代だったり、いろんなね、歌手の方の楽曲を聴くようになって、私もこんな曲もいいなとか、新しい発見がたくさんできて、すごくいい刺激をもらってます」
--衣装もこれまで以上にインパクトがあります。貴婦人思わせるような。
「『紅の豚』のジーナさんのイメージに、80年代アイドルの雰囲気も織り交ぜつつ、こういう衣装になりました」
--さて早いもので、新井ひとみソロプロジェクトもスタートして1年ですね。
「いろんな経験ができましたし、本当にたくさんの人との出会いもすごくあったなと思います。路上ライブもそうだし、アナログレコードを発売させてもらったりだとか、TシャツでヴィレッジヴァンガードさんやTODさんとコラボさせてもらったり、さまざまなところに行ってライブをしたりだとか、ボリュームたっぷりな1年になりました」
--『デリケートに好きして』のオリジナルの歌手の太田貴子さんとご対面されたことも。
「一緒にライブをやらせてもらって、ご飯にも行かせていただきました!貴重なお話をたくさん聞かせていただきました」
--ソロ活動をやってよかったことって?
「この活動をきっかけに東京女子流のことを知ってくださって、『気になるからライブに行ってみようかな』と言ってくれる方もいましたし、私のソロと東京女子流と一緒のライブができ、“二つの新井ひとみ”を見ていただけたこともあって、『あれ、さっきやってたソロの子だよね』と驚かれたり……。ステキな機会がたくさんありました」
--ソロではリリースごとに全く違うタイプの曲になっています。
「東京女子流とソロとのギャップを出すことができて、ソロでは特に『少女A』が加わったことで、レパートリーの中でも強弱がつけられて、私自身もやっていて楽しかったですし、“親衛隊”のみなさんも、初めて『少女A』を披露したときに、びっくり、驚き桃の木山椒の木!みたいな感じだったので、今回の『時には昔の話』でもファンの方にびっくりしていただけたらうれしいなと思います」
--そういえば、ソロ活動では、ライブでコールを送ったり紙テープを投げたり、80年代アイドルのファンのような“親衛隊”もいるんですね。
「はい、親衛隊のコールがあって楽曲の世界観が完成するので、早くね、ライブで声を出せるようになればいいなと思います」
--今後はどんな曲をやってみたいですか?
「今回バラードで歌い上げ系だったので、次はポップで明るい感じに挑戦したいと思います。たとえば河合奈保子さんの『夏のヒロイン』(1982年)を聴いていてポップで好きだなと思って、こういうファンの皆さんと掛け合いもできるような曲がいいなと思いつつ、オリジナル曲もやってみたいなと思います」
--改めて、今回の『時には昔の話を』を歌ったことで、ひとみさんの歌手としての可能性が広がった気がします。
「バリエーションが広がって、ポップな楽曲だったり、『少女A』のような力強く決めてる感じの曲だったり、バラードでじっくり聴かせる感じだったり、本当にさまざまな楽曲のジャンルに挑戦させていただいて、低い声から高い声までいろんなバリエーションを出してパフォーマンスさせてもらってるなと思います。ライブでも強弱流れを作ることができて、みなさんにね、楽しんでもらえたえらいいなと思います」
--特に『時には昔の話を』は。ひとみさんが45歳くらいになったときも歌い続けているイメージがわきます(笑)。
「(笑) 長~く歌っていけたらいいなと思います」
--息の長い歌手になってほしいですね!
「頑張ります!」
新井ひとみ / 時には昔の話を(teaser)
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