高井千帆、 映画『彼の瞳に映る僕』初日舞台挨拶に登壇「みなさんに一番近い立ち位置の役だと…」

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ファッションモデルとしても活躍する女優の高井千帆さんが出演する映画『彼の瞳に映る僕』の初日舞台挨拶が17日、東京・イオンシネマ板橋で開催され、W主演を務める北澤優駿さん、増島拓実さんをはじめ、冬野心央さん、木村一翔さん、石田瑞樹監督、主題歌アーティストののんぴーさんと共に舞台挨拶に臨んだ。

本作は、性的指向が男性である主人公が、そのことを誰にも言えず劣等感を抱く葛藤を通して、誰もが「普通」に人生を歩むことの意味を問いかける作品。23歳の石田瑞樹監督がメガホンを取り、商業映画(劇場公開)における最年少監督の記録を更新した意欲作だ。

主要キャストは、篠崎風吹役を北澤優駿さん、志摩海斗役を増島拓実さん、蒼井奈那役を高井千帆さんが務める。立花空役を冬野心央さん、桜井弾役を木村一翔さんが演じた。スタッフには、脚本に雀野衣檻さん、音楽に余恩さん、主題歌をのんぴーさんが担当し、若き才能が集結した。

主人公・篠崎風吹役の北澤さんは、「このメンバーにしか出せない、すごく素敵な優しい作品になっています。何か感じ取っていただけたら嬉しいです」と作品の魅力を語った。同じく主人公・志摩海斗役の増島さんは、「帰り道、人それぞれの『普通』という言葉を改めて何か考えるきっかけになれば嬉しい」と、作品の根底にあるテーマに言及した。

篠崎風吹の幼馴染の大学生を 演じた高井さんは、「私も人それぞれの考える『普通』について考えながら撮影していました。完成した作品として見た後にまた考えがガラッと変わりそうだなとも思いますし、みなさんがどう受け取ってくださるのかをすごく楽しみにしています」と語った。

石田監督は、「答えなんてないので、みなさんの捉えていただけるような形で楽しんでいただければ。エンタメってそういうものだと思います。明日を生きる糧になっていただければ嬉しいです」と、観客に自由な鑑賞を呼びかけた。

主題歌『一色合采』を担当したのんぴーさんは、「私が作品を見て思ったことを曲に乗せています。監督のさまざまな思いも知っているので、それを感じながら楽に見てもらえたら」と語った。

撮影は昨年の8月、約2〜3週間をかけて行われた。高井さんは、自身の撮影期間を「みなさんとご一緒する期間は本当に少なかったんですけど、私にとって『儚い夏の思い出』みたい。大学を使って撮影するのが、すごく新鮮だった」と振り返り、短いながらも濃密な経験であったことを明かした。

北澤さんは、サッカーのシーンも見どころのひとつに挙げ、「匠くん(増島さん)がすごく上手で。みおくん(冬野さん)もサッカー経験者ですが、彼から見てもセンスあるって」と、増島さんの運動能力を称賛した。

増島さんは、冬野さんとの関係について「志摩海斗の親友ということで、冬野さんが優しくしてくださって、その空気感が出ていれば嬉しい。僕自身人見知りですが、やりやすかったです」と、役を超えた絆を感じさせた。

役柄へのアプローチについて、高井さんは「私が演じた蒼井奈那は、思ったことをストレートに言うタイプでして。私はあまりそういうタイプではないので、真逆の性格を演じるのに色々と試行錯誤しました」と、役柄に深く向き合ったことを明かした。。

さらに高井さんは「みなさんに一番近い立ち位置の役だと思う。共感できるところがあったら嬉しい」と、観客が蒼井奈那の感情に寄り添いやすい役柄であると説明した。

北澤さんは、自身が演じた篠崎風吹を「活発な自分とはかけ離れた物静かな人間。最初は悩んだのですが、脚本を読み込むうちに役の気持ちが自然と自分に染み込みました。僕らが体験するような感情や共感できる部分も多く、後半は役作りを意識せずフラットに演じることができました」と、役柄との一体感を語った。

増島さんは、志摩海斗役を「イケメンでクールな存在。彼なりの繊細さや臆病な部分もあり、人間らしさを表現しました。難しい役どころでした」と、内面的な深掘りをした役作りについて語った。

石田監督は、特に印象的なシーンとして、「空が風吹と喋る大学のシーン」を挙げ、「何気ないシーンですが、本当にいいことを言ってくれる。私のお気に入りです」と語った。続けて、高井さんが演じる蒼井奈那について、「高井さんが演じる蒼井奈那がカフェでいいことを言ってくれるシーンもいい。この二人のセリフに特に注目してほしい」と強調した。

主題歌『一色合采』の制作について、のんぴーさんは「監督からは具体的なオーダーがありましたが、私なりに感じて作った曲も提出しました。すると監督が『そっちのほうがいい!』って」と秘話を明かした。

舞台挨拶の後半では、のんぴーさんによる『一色合采』の生歌披露が行われ、透き通る歌声とメッセージが会場を包み込み、観客の映画への期待を一層高めた。高井さんはのんぴーさんの生歌を聞いた感動を、「ご本人様を目の前にして感無量でした。皆様とこうして公開日に一緒に迎えられたことにすごく感謝しております」と、感謝の言葉と作品への期待を込めた。

最後に石田監督は、「商業映画の最年少監督記録を更新しましたが、そのためではなく、皆さんにこの作品を届けたくて劇場公開まで進ませていただきました。受け取り方は人それぞれでいいので、どうかこの作品を末永く愛し、お友達にもご紹介いただけると嬉しいです」と、作品への純粋な思いと期待を語り、舞台挨拶を締めくくった。

本作は、性的指向が男性である主人公が、自身の性的指向を誰にも言えず劣等感を抱える中で、幼馴染の女性に告白されるという物語。主人公は自分に嘘をついているもどかしさを感じながら、重なる壁を乗り越えて幸せになるのか、あるいは幼馴染と付き合い幸せを得るのか。視聴者に性の多様性への理解だけではなく、誰もが「普通」に人生を歩むことについて問いかける。

高井さんは、この日の板橋での舞台挨拶に加え、18日にはイオンシネマ大高(愛知県)とイオンシネマ岡山(岡山県)、19日にはイオンシネマ四條畷(大阪府)と、合計4カ所で実施される全国舞台挨拶に、北澤さんと石田監督と共に登壇する予定だ。

『彼の瞳に映る僕』オフィシャルサイト :https://www.2lcorp.info/karenohitomi-movie

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