NMB48を卒業後、女優を中心に幅広く活躍中の市川美織さんが、8月17日(土)〜9月1日(日)に東京・IMM THEATERにて上演される、舞台『ブラック・コメディ』にメインキャストとして出演する。
『ブラック・コメディ』は、『アマデウス』や『フォロー・ミー』など映画化された作品でも知られる英国の劇作家 ピーター・シェーファーによる戯曲。秀逸なコメディとして、内外で高い人気を誇っている。物語はアパート全体が予期せぬ停電となり、居合わせた人たちが暗闇の中で次々と遭遇する騒動を描く。
出演は、愛する女性と富を一挙に手に入れるため画策する、主人公の若手彫刻家ブリンズリーに浜中文一。その婚約者キャロルに市川美織。ブリンズリーの元彼女クレアに三倉佳奈。ブリンズリーの隣人で東洋古美術商人のハロルドに山口森広。アパートの上階に住む女性ミス・ファーニヴァルに朝海ひかる。キャロルの父親で厳格な性格のメルケット大佐に渡辺いっけいと、実力派キャストが揃った。そして、今作の上演台本・演出にはヨーロッパ企画の大歳倫弘が挑む。
【市川美織さん インタビュー】
--まず、今回のお芝居についてご紹介をお願いします。
「爆笑必至といわれるコメディの傑作、『ブラック・コメディ』です。元の戯曲は1965年にロンドンで初演された作品で、日本でも何度も上演されてきました。
内容は停電から始まる物語で、劇中では電灯がついている場面では舞台上を暗く、停電して暗闇のときは明るくするという逆転の方法で表現しています。
登場人物同士は周囲が見えない設定ですが、観客には停電中のパニック状態でみんながどういうふうに動いているかを見ていただけるので、その最中に次から次に起こる波乱に登場人物たちが翻弄されたり、隠された本音や嘘が浮き出されていく様子が伝わり、風変わりで面白い作品です」
--出演される心境を聞かせてください。
「最初は私にできるかなって、ちょっと不安でした。かなりセリフがありますし、周りが大先輩方ばかりです。私が一番若い座組は久しぶりなんです。前回の舞台『放課後戦記』や、ガールズ演劇に出演しているときは、もう最年長のほうで、下の子たちの面倒を見る側になることが多かったんです。そういうポジションにいたところに、ここに来てまた新たに大先輩方に囲まれて、まだまだたくさん学ばなくてはと背筋を伸ばしています。30歳になって、新しい挑戦としてはすごくいい作品に出会えたと思います」
--共演者の方で、これまでお仕事でご一緒された方はいますか。
「渡辺いっけいさんとは、7年くらい前にドラマで共演させていただいたことがありました。でも、そんなに絡まない役だったんで、もう覚えてないかなと思いつつ、『お久しぶりです。覚えてますか』って、ご挨拶したら『もちろん覚えてますよ』って答えてくださって。普段も物腰の柔らかい、とてもいい方なんです。そんないっけいさんと久しぶりに再会できてすごく嬉しいです。今度は私の父親役なので、がっつり絡ませていただきます」
--7年間の成長を見せる機会ですね。
「そうなんですよ。いっけいさんはいろんな引き出しを持っている方で、稽古でもいろんなキャラクターを見せてくれるので楽しみです。すごく面白いですし、父親として安心して委ねられる感じがします」
--ご自身の役柄についてご紹介を願います。
「私の演じるキャロルは、元気で明るくてポジティブな女の子です。でも箱入り娘のお嬢様で世間知らずだったり、どこか抜けてておバカさんだったりもします。
私もわりとポジティブで、嫌なことも一度寝たら忘れて、次の日にはもうあっけらかんとしてるタイプですし、純粋になんでも信じてしまうところもあって、いい意味でも悪い意味でもキャロルに似てるなと思います。私はお嬢様ではないですけど、素のままの自分でキャロルになれている気がします。それぐらい、自分との距離感が近い役だなとは思いました」
— ではもう役作りは完璧ですね。
「素直にその時に起こったことを受け入れていけば、キャロルとして生きていける感じがします。だから、今回に関しては、私から何かを与えるというよりも、与えられたものを素直に取り込んでいけば、自然にキャロルが出てくる気がします。
その上で、キャロルの役がこの作品にどう作用していくか、役者として仕掛けていけるところがあるかを探りながら、頑張って稽古している感じですね」
--お客さんに、ぜひ見てほしいところは?
「物語が進むにつれて、いろんな登場人物がだんだん増えていって、どんどんカオスになっていくんです。停電になって最初はみんな手探りの状態だったところに、いろんな問題が発生して登場人物がそれにかき乱されて、さらにヤバくなっていくという。
その渦に巻き込まれていく過程がすごく面白いので、見どころはもう全部ですね。その中でキャロルも大変ヤバいことになるので楽しみにしててほしいです。きっと、みなさんにお面白いと思ってもらえるはずです」
--この作品では、登場人物の隠れた部分があらわになるそうですが、市川さん自身にはそういう“ブラックレモン”な面はないんですか?
「ブラックレモンなわけないじゃないですか(笑)。いつでもフレッシュレモンですからね。でもAKB48にいた頃は、柏木(由紀)さんが“ブラックゆきりん”と言われていた時代がありまして、私も“ブラックみおりん”とたまに言われてました。私はただ思ったことを口に出してしまうだけだと思うんですけど、一緒にラジオ番組をやっていた島田(晴香)さんとぱるる(島崎遥香)さんからは、ブラックだってイジられていました」
--芸能人やアイドルさんは裏表があるって言いますけれど?
「言われますよね。でも私に関しては裏表はないですよ。ちょっとふわふわした可愛いキャラだから逆に、「そんなわけないじゃん。普段は低い声で、マジでかったり~とか言ってんでしょ」みたいなことを言われたりするんでけど、ほんとに裏表がなくて、普段からいつもヤバいやつなんです(笑)」
--今回は停電のお話ですが、停電に遭った経験は?
「はい、あります。私、よく自宅のブレーカーを落としてしまって、乾燥機を回したままレンジも点けて、ボーン!っていう、一時的な停電がよくあるんです。その度にめっちゃ怖いって思うんですけど、今作みたいにずっと長い時間停電のままって経験は、最近はあまりないですね。小さい頃は、家族でテレビ見てたら停電になって、懐中電灯の光を囲んで怖がっていたのを思い出します」
--舞台ではみんなアタフタしてますが、市川さんは落ち着いて行動できるほうですか?
「絶対に無理です。すごくパニックになると思います。キャロルも同じタイプなので、舞台を見ればいつものみおりんの雰囲気が見えるかもしれないですね(笑)」
--最後にお客さんにメッセージをお願いします。
「稽古が面白すぎて、ほかの役者さんのお芝居を見てるだけで笑っちゃうんです。私がこらえられないこの笑いを皆さんに体験してほしいので、ぜひ劇場に来てください。ちょうど、夏休み中ですし、文化庁助成の子ども無料招待もあるので、夏の思い出にいかがでしょうか。子供にはちょっと難しいというか、ブラックジョーク的な部分もあるんですけど、視覚的には楽しめると思います。見て楽しんで、日記とかに書いてもらえたらいいなって思います」
--親御さんにしてみれば、子どもが無料だったら一緒に楽しめて嬉しいと思いますね。
「そうですね。内容をぜんぶ理解できなくても、舞台を見るという経験はすごく大事。それがきっかけで俳優を目指したいとか、照明さんをやってみたいとか、演出家ってかっこいいなとか興味を持っていただければ、舞台の未来も明るくなると思います。お話は『ブラック』なんで真っ暗闇ですけど(笑)」
【公演情報】
『ブラック・コメディ』
日程:2024年8月17日(土)〜9月1日(日)
会場:IMM THEATER(東京ドームシティ内)
原作:ピーター・シェーファー
上演台本・演出:大歳倫弘(ヨーロッパ企画)
出演:浜中文一 市川美織 三倉佳奈 山口森広/吉田ウーロン太 竹森千人/朝海ひかる 渡辺いっけい
料金:11,000円(税込・全席指定・未就学児入場不可)
※本公演では、文化庁による「子供文化芸術活動支援事業(劇場・音楽堂等の子供鑑賞体験支援事業)」により、小学生〜18歳以下のお子様を無料招待。18歳以上の同伴者も半額。詳細は公式HPをご確認ください。
企画・製作:フジテレビジョン
主催:フジテレビジョン/サンライズプロモーション大阪
お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888 [11:00~18:00 ※日・祝は休業]
公式サイト https://www.blackcomedy.jp/
X(旧Twitter) @blackcomedy2024
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