『時空警察ヴェッカー ノエルサンドレ RE:CODE』が、10月7日に東京・築地本願寺のブディストホールで公開ゲネプロを行った。終演後にはステージに辻こはる、蛭田愛梨、一本鎗希華、遠藤瑠香らキャストが登壇し、見どころや意気込みを語った。
未来の警察組織「時空警察」に所属する少女たちが、歴史の改変を目論む時空犯罪者に立ち向かうSFアクションシリーズ『時空警察ヴェッカー』。誕生25周年を迎えた今年は、2014年の上演作『時空警察ヴェッカー改 ノエルサンドレ』のリブート上演となる。昨年の『時空警察ヴェッカー1983・改』に引き続き扇田賢が演出を手がけ、名作のアップデートに挑んでいる。
聖サンジェルマン学院に、未来から時空刑事のリン、アリサがやって来た。彼女たちの使命は、正しい時の流れを守る事、そしてそれを変えようとしている「時空犯罪者」を見つけ出し、時空犯罪を防ぐ事だった。しかし、愛する人や大切な仲間たちが死する運命を知りながら、それを救おうとする事は「時空犯罪」になるのかという葛藤が、少女たちの小さな身体に圧し掛かる。終末の日をもたらすと言われる『ノエルサンドレ』をめぐる、少女たちの運命の物語が描かれる。
■ヴェッカーチーム
約1ヶ月の稽古を経てゲネプロを迎えた感想を、まずヴェッカーチームの4人が語った。
時空刑事リン役の辻こはるさんは、今作が人生初の舞台出演。「本当に温かい座組で、みなさんが暇があれば『こうしたらいいよ』とすごく教えてくださって、一緒に練習もしてくださった。ありがたい環境で今日を迎えられて嬉しい。最後まで頑張りたい」と話した。
時空刑事アリサ役の蛭田愛梨さんは、舞台で人としっかり戦うのは今回が初めてで、迷惑をかけないかという不安があったという。「みんなが温かく迎えてくれて、不安なく戦えるようになった。ヴェッカーチームも、学生チームも、敵のクロミネンスチームも、みんなが可愛くてかっこよくて、一人一人のストーリーも見られる舞台。千秋楽まで頑張りたい」と語った。
シータ役の一本鎗希華さんは、稽古のときから悩むことが多く、説明セリフが多いこともあって迷惑をかけたと振り返る。それでも「みんながたくさん支えてくれて、『めっちゃいいよ』と言ってくれた」と感謝を述べた。普段は悪役が多いといい、「今回は可愛いフリフリの役をいただいて、ありがたい気持ちでいっぱい。最後まで怪我なくみんなでノエルサンドレをやれたら」と意気込んだ。
時空特捜トレミー役の遠藤瑠香さんは、「ヴェッカー25周年の記念すべき舞台に出演できて嬉しい。トレミーは常に戦っているが、頑張りましたので、ぜひそこに注目してほしい」とアピール。新人刑事たちについては「本当に可愛らしくて、ずっと愛おしい気持ちで見ている」とし、物語を進める学生チームにも「袖からも楽屋のモニターからも見ていて、感動している」と語った。そして「キャスト一丸で全力を尽くして、10公演頑張りたい」と呼びかけた。
■学生チーム
角井はずき役の中村朱里さんは、「戦っている裏で、すごく恋愛が多いなと思った」と笑顔。演じるはずきは恋や人を好きになることに悩む役で、「横を見ればみんなが『好きで』と言っていて、ここでもこんな恋愛?と(笑)。戦闘と恋愛と、いろいろなところでみんなが悩みを抱えながら答えを見つけていく作品」と語る。はづきがリンを好きな理由は急展開で描かれるため当初は掴みきれなかったが、稽古を重ねるなかで「リンの明るさや陽気さに救われてきたんだと思うようになった。そこも含めて皆さんにお届けしたい」と話した。
山根亜美役の土光瑠璃子さんは、亜美が人にものを言えないタイプで自分とは真逆だと説明。これまでヤンキーやギャルの役が多く、物静かな役は初めてだったため「自分の引き出しがなさすぎて、どうしようとすごく悩んだ」という。「周りの方のお芝居に支えていただいて、初日を迎えることができた。最後まで駆け抜けたい」と語った。なお、この日は土光さんの誕生日で、祝福の拍手が贈られると「27歳になりました」と笑顔を見せた。
芹川葵役の南雲ひなりさんは、昨年の『時空警察ヴェッカー1983・改』ではサポートドロイドのエルフ役で出演。「今回はやっと人間役です」と笑いを誘った。生徒たちの最上級生という立場で、「まとめる役のはずなのに、裏ではまとめられている」と明かし、感極まる場面も。「表ではいっぱい盛り上げられるように頑張る。ぜひ一緒に楽しみましょう」と呼びかけた。
■ゲスト・その他のキャスト
ララ・ラヴェル役で出演した絃ユリナさんは、前回のヴェッカーにも同じ役名で出演。今回は別次元のララで、多次元のジャンプを提唱する天才という設定だという。「前回も今回も、ヒーロー物の中に物悲しさやエモさが残るストーリーが大好き。少し悲しみが残るけれど、明日も頑張ろうと思えるストーリーで、2度見る楽しさもあると思う」と見どころを語った。
時空刑事ヤスミン役の青葉ひよりさんは、約1年半前の前作では主演を務めた。「今回はベテランの先輩刑事ということで、気持ちを入れ替えて、ヴェッカーの先輩として頑張ろうと思って挑んだ」と明かす。前回はさまざまな時代のヴェッカーが登場するオールスターズ的な作品だったが、今回は新人ヴェッカーに焦点が当たっているとし、「ヴェッカーとは何か、ヴェッカーならではの葛藤が詰まっているので、初めての方にもぜひ見に来てほしい」と話した。
高校教師・神代恭役の椎名亜音さん(劇団番シード)は、「みんな娘みたいな年の座組に放り込まれた」と笑いつつ、25年続く歴史ある作品への参加に喜びを語った。戦わず遠くから見守る立場だというが、「必死でやっている姿が演じているみんなと重なる瞬間があり、燃やしている炎が一致する瞬間が演劇の面白さ」と感想を述べた。神代先生については「無自覚な人たらしなところがある」とし、「『そんなに魅力的ならしょうがないよね』と思ってもらえる神代先生を目指したい」と意気込んだ。
クロミネンスの幹部・カノン役の沖田桃果さんは、報道陣から「いつもの沖田さんが帰ってきた」と言われ、「私のことを一体何だと思っているのか」と笑いながら反応。クロミネンスの4人は一緒に邪悪なことをするシーンはなく、「それぞれ協調性がなくて単独行動ばかり」と明かした。衣装については、ヴェッカーチームや制服組が可愛らしいのに対し、クロミネンスは黒一色なことを『アイドル対バンドマン』と表し、笑いを誘った。「戦っている女の子たちはかっこよくて可愛くて強くて美しい。それが作品の一番の強み」とアピールした。
紫堂涼子役の村瀬帆南さんは、普段は男っぽい役を演じたことがなく不安だったという。「みなさんにアドバイスをいただいて、お芝居で支えてもらった。舞台に入ってから、お芝居が少しずつ変われた気がする。本番ももっと涼子ちゃんがかっこよくなるように、イケメンになりたい」と語った。
平野広海役の神田緋那さんは、前回は高3、今回は高1の役で「若返った」と笑顔。ポニーテールをするのは役として初めてだといい、「制服ポニーテールの広海ちゃんをぜひよろしくお願いします」と呼びかけた。
ケルベロス役の泉水静紀さんは、前回はヴェッカー側で出演したが、今回は完全な悪役。冒頭から遠藤演じるトレミーと戦っているという。ケルベロスの使い魔として2人目・3人目のベロスを演じる共演者がおり、「3人が一体になったベロス攻撃を殺陣の振付師さんがたくさん作ってくださった。『本当にケルベロスが3体いる』と思ってもらえるように頑張りたい」と話した。
■スタッフコメント
脚色・演出の扇田賢さんは、「久しぶりにアリスインプロジェクト(studio K’s)の作品に携わったが、最近のキャストはこなれている印象があった。今回は、こなれた人たちのなかにフレッシュな人たちが限界突破する瞬間が見られる座組になった」と語り、「今日のゲネでその片鱗が見えた。ヴェッカーをエモく作り直したので、この座組にすごく合ったヴェッカーになったと思う」とした。
原案・脚本の畑澤和也さんは、第1作の映像から25年、演劇版が始まって15年になると紹介。「今日は一観客として、涙を流しながら見た。LGBTQが叫ばれて久しい昨今、今こそ上演されるべき内容ではないか。女子だけでやっている演劇という点も含めて、世の中のできるだけたくさんの人に観ていただきたい」と呼びかけた。
舞台『時空警察ヴェッカー ノエルサンドレ RE:CODE』
期間:10月7日(水)~10月12日(月・祝)
会場:築地ブディストホール
原作・脚本:畑澤和也(LAYUP)
脚本・演出:扇田賢(ボブジャックシアター)
出演:辻こはる、蛭田愛梨、一本鎗希華、遠藤瑠香、中村朱里、土光瑠璃子、南雲ひより、村瀬帆南、熊里あかり、桜羽まりの、神田緋那、石田みう、藤田紗妃、沖田桃果、吉田菜都実、後藤楓、泉水静紀、柏木れに、椎名亜音 【ゲスト出演】絃ユリナ、青葉ひなり
公式HP:https://studio-kz.info
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