東京女子流、解散発表後初のワンマン、デビュー記念日をファンとともにお祝い ソロ新曲初披露に湧く

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4人組ガールズグループ・東京女子流がデビュー記念日である5月5日、ワンマンライブ『15th Anniversary Live AFTER PARTY〜メジャーデビュー記念日~』を、東京渋谷・PLEASURE PLEASUREで開催した。その2日前の5月3日に15周年アニバーサリーライブを行い、公演内で2026年3月31日をもってグループを解散することを発表したばかり。だが、ステージに立った彼女たちはいつもと変わらない、明るい笑顔と元気なパフォーマンスで、満員となった観客を安心させた。

東京女子流は、山邊未夢、新井ひとみ、中江友梨、庄司芽生の4人組。2010年に結成され、同年5月5日に『キラリ☆』でメジャーデビュー。以降、「音楽の楽しさを、歌って踊って伝えたい!」を信条に活動し、良質な楽曲を届け続け、特にライブでのダンスや歌のパフォーマンスに定評がある。

この日のライブは、2日前のアニバーサリーライブでメンバーがセットリストに入れたかったが入りきれなかった曲を中心に披露。『YOU & I FOREVER (YUSUKE from BLU-SWING mix)』からエモーショナルな雰囲気でスタートした。続いてはダンサブルな『ミルフィーユ』。ライブで人気のこの曲、この日もキレのいいパフォーマンスで場内を湧かせた。

そして2日前の公演で初披露し話題になっていた『導火線、フラッシュバック』をここで早くも繰り出す。最新の女子流ボーカルとダンスの魅力を見せるこの新曲。披露するのはこのステージが3回目になるが、すでに馴染んでいるファンも多々見られた。

序盤3曲を歌い終え、チケットがソールドアウトで満員となった客席に向かって「東京女子流です!」と挨拶すると、いつも以上に大きな歓声が。そして庄司さんの「今日は東京女子流、デビュー15周年記念日ーー!」の声に、つめかけたファンは「おめでとう!」とさらに大きな拍手と歓声で祝福した。メンバーそれぞれ自己紹介では、名前を言ったあとにコール、の形で盛り上がった。庄司さんは「残りの期間は限られているんだけど、やっぱり一つ一つのライブをみんなと一緒に、私たち自身も楽しんで、いい思い出を作って、最後の日を迎えられたらと思うので、みんな今日も一緒にいい日にしていきましょう!」と呼びかけると、観客は大きな歓声で応えた。

そんな中、メンバーごとにソロ新曲が出ることを発表、この日早くも初披露された。予期せぬ展開に湧く場内。『導火線、フラッシュバック』は7月30日リリースの7thアルバムに収録されるが、先行シングルとして6月18日に配信&ミュージックカードで先行リリースされる。ソロ新曲は、メンバーごとの絵柄で発売されるカードで、それぞれ自身のジャケットのカードに収録される。

まず山邊未夢さんが『グッバイ・スターライト』を披露。近年の東京女子流の代表曲を手掛ける、きなみうみ氏による、“ギャル×アイドル×儚い”というイメージで作られたという楽曲。ハイトーンで爽やかなボーカル、4人のソロ新曲の中では最もアップテンポ&ダンサブルで、ステージでは山邊さん自身もサイリウムを振りながら、客席と一体感のある盛り上がりを見せた。

中江友梨さんのソロ新曲は『証人』。SNS疲れで、本当の自分がわからなくなっている女の子を描いたという楽曲。中江さんは「私はSNSはあまり得意じゃないんです。インスタ映えとか、“いいね”がいっぱいついてるキラキラした投稿を見ると、いいなと思ったり、自分でもちょっと頑張ったりして。頑張ってみるけど、だんだん自分らしさがわからなくなる瞬間があり、SNSで輝いている理想の自分も現実の自分も、どっちも本当の自分だと思って……そんな気持ちを歌った曲になっているので、共感してもらえたらいいなと思います」と語る。スタンドマイクを使った歌唱で、じっくり聴かせる中江さん。苦悩するような、せつない表情で歌う姿も印象的だった。

庄司芽生さんのソロ新曲は『栞』。「大切な人と大切だった時間に栞を挟んで、未来に向かって歩んでいくという、強くて優しい曲です」と紹介して歌ったミディアムテンポの楽曲。その言葉を大切そうに歌う庄司さんの情感あふれる歌声が響いた。

最後に新井ひとみさんが披露したのは『いちばん好きな人』。この楽曲は彼女の真骨頂である、80年代のシティポップスを思わせるサウンド、そして“ひとみが憑依したように書いてもらった”というかわいい歌詞。また「サビのダンスが簡単な振付になっていたり、途中で手をパンパンと叩く部分がある」ほか、♪ラーラーラーラと一緒に歌える箇所もあったり、客席と一体で盛り上がれるところが魅力だ。歌い終え、ファンの対応力に「初めて!?」と驚く新井さんだった。

後半は、15周年アニバーサリーで届けられなかった曲を続けて披露。まずは彼女たちの原点ともいうべき『Killing Me Softly』。東京女子流の楽曲には“TGSナンバー”というナンバリングが行われており、デビュー曲の『キラリ☆』がナンバー01となり、そこからナンバーが積み重なっていくが、実はナンバー00の曲が存在しており、その曲こそがこの『Killing Me Softly』。2010年1月に公式サイトでメンバーがお披露目されたときの動画でBGMとして使われた楽曲で、のちに2014年の4thアルバムで発表された。しっとりとしたサウンドと歌詞、見事な歌唱力。当時10代のメンバーが歌っていたとは思えない、大人っぽい雰囲気だ。

続いて昨年リリースの『2:30am』。全員が20代後半、大人になった女子流ならではの世界観と表現力。大切な人を思う歌詞を、落ち着いたボーカルでじっくりと聴かせた。人気曲『リフレクション』に続いて、ここで「この曲で私たちはデビューしました」と『キラリ☆』を届けた。この日は15周年で披露したオリジナルとは別アレンジの『-Royal Mirrorball Mix-』で披露。改めてデビュー日を会場全体で祝福するムードとなった。

ライブもいよいよ終盤。続いては初期からの人気曲でダンサブルな『ちいさな奇跡』。かわいく、かつキレのいいパフォーマンスを元気に繰り広げる。メンバーの名前をコールする声が一段と大きくなった。そしてラストは『datura』。近年の女子流の楽曲には珍しい疾走感のある楽曲で、観客の“オイ!オイ!”コールや手拍子がさらにボリュームアップ、盛り上がりは最高潮になった。間奏で新井さんの「みんな今日は5月5日、私たちの記念日に集まってくれてありがとう!」という声に続いて、大声で一体感のある盛り上がりとなった。

歌い終えた庄司さんは、「3月31日にラストライブがZeppDiverCity(TOKYO)でありますが、それまでもここPLEASURE PLEASUREでたくさんみなさんにライブで会える機会を準備していただきました。まだ一昨日のことで心の整理がついていない人もいると思いますが、みんながいつも大きな愛を伝えてくれていること、私たちもすごく感じていて……。すぐに受け止めて、無理に受け止めて、とは言わないので、自分のペースで女子流のライブと私たちとの思い出を重ねていただければとても嬉しいです。この先のワンマンライブ、ぜひ会いに来てください!」とメッセージを残してステージを後にした。

この日披露された楽曲は、15周年ライブに入りきれなかった曲ということだが、名曲揃いで、15周年ライブに続き充実、多彩なパフォーマンスを見せてくれた。改めて女子流楽曲の層の厚さを実感させられた。また、この日初披露のソロ新曲は、それぞれの個性がよく出ていたり、意外な面も見せられたりの、良曲揃い。“その後”にも期待を抱かせる歌を聴かせてくれた。4人とも“音楽”活動を続けることをまだ明言はしていないが、それぞれソロでも音楽的に素晴らしい表現を見せてくれるので、どのような形でも音楽に関わり続けてほしい、そんな思いになるステージだった。

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