【西葉瑞希 & 生田輝インタビュー】ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」が上演中

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生田 輝・西葉瑞希
生田 輝・西葉瑞希

小宮璃央さんと西葉瑞希さんがダブル主演を務めるオリジナルミュージカル「Shuffle!〜まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」が、11月11日から20日にかけて、東京・天王洲 銀河劇場にて上演されている。 初日公演、千秋楽公演の模様はライブ配信も行われる。

浅井さやかさんが脚本・作詞、児玉明子さんが演出を担う本作は、「若草物語」と「三銃士」を題材に、歌やダンスを織り交ぜて繰り広げられるオリジナルミュージカル。次世代の演劇界を盛り上げることを目的としたネルケプランニングの新プロジェクト「WELCOME KIDS PROJECT」の一環として上演される。

GirlsNewsでは公演を前に稽古に励む西葉瑞希さんと、姉妹役で共演する生田輝さんにインタビューを行い、見どころや、意気込みを語ってもらった。

-- 何度か共演されているお二人ですが、最初の印象はどうでしたか?

西葉「初めましては『キューティーハニー』の舞台(2020年2月)でしたね」

生田「顔合わせで瑞希を初めて見た時に可愛い子だなって。ハニーちゃんのキャストはみんな可愛かったんですけど、その中でも特に目を惹かれて。花が咲くようなパッとした笑顔がすごく印象的でした。稽古の休憩中にいろいろ話していくうちに仲よくなって、今では御飯を一緒に食べに行くほどです。もうすっかり、 瑞希は 孫だと思ってます」

西葉「 思われてます(笑)」

--西葉さんから見た生田さんの印象は?

西葉 「最初の日はあまりお話ができなかったんですが、男の子の役をやられていたので、最初はどっちの人なんだろう?って」

生田 「女の子っぽく見える男の子なのか? 男の子っぽく見える女の子なのか?」

西葉 「そうそう。わかんなくて混乱して」

生田 「確かに。私、名前も中性的だからよく言われます」

西葉 「喋り方を聞いて、“え、どっちなんだろう?”と思うくらい、すごくかっこよかった記憶があります。でも、関西弁でフランク に話してたから、きっと優しい人なのかなって思いました。ずっと同い年ぐらいのつもりでいたんですけど、すごい先輩で、今では孫としてかわいがってもらっています」

--生田さんは役柄でイメージが全然変わりますよね?

西葉 「ほんとに変わります!」

生田 「顔合わせの時でも男の子役や、かっこいい役の時は、服装もイメージに寄せて、低めの声で挨拶したりしてるんで。だから、余計にそう思われてしまって」

西葉 「稽古場でもキャストに会うたびに “おはよう、今日も可愛いね” とか言ってて」

生田 「言ってないですよー。そんな人が稽古場にいたら怖いです(笑)」

西葉 「いや、言ってますよ」

生田 「そりゃさ、ほんとに可愛いって思ったら言うよ? “今日の服は可愛いね”とか、“メイクにピンク入ってるじゃん”とか気づいた時に」

西葉 「その気づき方がまるで彼氏みたい。女子同士の感じじゃないんです」

生田 「なんでやねん!(笑)」

--可愛いって思うたびに言うなら、瑞希さんと目が合うたびに言わないといけませんね。

生田 「そうですね。そうなってくるので、結局、息をするように言ってるのかもしれません(笑)」

--では、舞台での役柄についてお聞かせください。

生田「私は『若草物語』の登場人物で、次女のジョー役をやらせていただきます。小説家になりたい夢を持っていて、あの時代には珍しく自立した女性を目指しています。4姉妹で暮らしているのですが、原作では活発すぎて“男の子みたいなことはやめなさい”と言われたり、髪を結わずに下ろしてたりと、大雑把な性格の子です」

--役作りはどのように?

生田「今の時代は女性と男性の垣根が下がって新しい時代になってきているので、当時の世の中で自立したいと思っている女性を想像するのが難しかったです。私自身も小さい頃から“女の子らしくしなさい”って言われるのが苦手で、小学生の頃は青色が好きだったり、ズボンが好きだったり、ヒーローが好きだったりしたので、自分とジョーの重なる部分をリンクさせて役作りをしていきました」

--西葉さんの役柄は?

西葉 「4姉妹の末っ子のエイミーを演じます。まだちょっと子供らしさが残るキャラクターで、オマセさんで、人見知りしなくて、思ったままのことを言ってジョーとケンカして、みたいな子です。エイミーはジョーとは対局で、女の子らしさに憧れていて、長女のメグのドレスを羨ましがったりするタイプです」

--役柄と自身を比べてどうですか?

西葉 「私も小さい頃はおしゃれや可愛い服が好きで、お母さんとスーパーに買い物に行くときも、お気に入りの服を着ていかないと気が済まない子供だったので、そういうところはすごく似てるなって思います。大人になって子供の時の感覚は忘れてる部分もあるんですけど、お姉さんたちと絡みながら思い出して、お芝居に取り入れていけたらと思います」

--本作では、登場人物の中身がとつぜん入れ替わってしまいますね。展開についてどう思われました?

生田「最初に台本をいただいたとき、1ページ読んだら1ページ戻らないと分からなくなって、“今はどこ?私は誰?”みたいになってました」

西葉 「図書館で起きた出来事のせいで、私たちの物語が三銃士の物語と入れ替わっちゃうんですが、冒頭のシーンを読んで(なんてファンタジーで素敵な作品なんだろう!)と思といました」

--入れ替わってしまうお芝居は難しいのでは?

生田「ちょうど、昨日の練習で難しいってなってたよね」

西葉「稽古が進むにつれて難しくなって」

生田「中身が入れ替わっても、結局は私たちが演じてますから。例えば、生田が演じるジョーが、三銃士のポルトスの身体になってしまって、“自分はポルトスじゃなくてジョーなんだ”と気づいたけれども、そのままポルトスのふりを演じているという……この辺でもう生田自身が混乱してます(笑)」

--これまで幾多の役を演じてきた生田さんでさえ混乱するという?

生田「ジョーもポルトスもそれぞれの役作りはできるんですけど、生田が演じるジョーがさらにポルトスを演じているという、二重構造になった心の整理が難しくて。 しかも、その中で自分に違和感を感じるシーンもあったりと、かなり複雑な芝居をしています。殺陣をしたり、歌ったり、踊ったりしてる中でのそのキャラクターを出していくところが大変です」

--西葉さんにとっても男性と入れ替わる役はチャレンジかなと思うんですが?

西葉「私はダルタニアンに入れ替わってしまうのですが、やっていてすごい楽しいです。きっと私っぽいところもあるんじゃないかな」

生田「瑞希は意外とかっこいいもんね。思いっきりがいいし」

西葉「見た目は可愛いですけどね。演じていて気持ちいいです」

生田「見てても、楽しそう」

西葉「動くことが好きなので、今回はアクションがたくさんあって、己の思うままに体が動かせるのが嬉しいです。ただ、やっぱり立ち方や仕草だけでも入れ替わってる状態を観客に伝わるようにしたり、ミュージカルなので歌でセリフを伝えたり、考えながらやっていると、やっぱり大変だなと思います」

--西葉さんは、小宮璃央さんと二人でデュエットする曲もあるそうですが、いかがでしたか?

西葉「男の人と二人だけで歌うことが今までほとんどなかったですよ。今回はハモリもあったりするので、音程の違うものを聞きながら歌うのが難しかったです」

--小宮璃央さんの印象などは?

西葉「璃央くんはすごく頑張っていますね。率先してみんなで練習したりとか。リズムも普段のポップスより難しい曲が多いので、 お互いに息を合わせてやってます。璃央くんは『キラメイジャー』で共演して高校生のころから知ってるので、もうすぐ20歳になるのがビックリですけど、“ああ、もうこんなに大人になって……” みたいな、もう姉を通り越して親戚のおばさんみたいな気持ちです。すごく可愛くってフランクに接してくれるので、こっちも年下に話している感があまりなく対等に話せていてとても 楽しいです」

--舞台の見どころはどこでしょうか?

西葉 「いっぱいありますわ」

生田 「もう全部かな?」

西葉 「全部やってるよね、芝居も歌も……」

生田 「踊りも!エンターテイメントと言われているものが全て入っていて、何一つやってないことがないくらい」

西葉 「舞台装置がすごく遊び心があって、アンサンブルの皆さんもいろんな仕掛けを、ね?」

生田 「これは実際にその眼で見てほしいです。ワクワクする仕掛けをたくさん練習して頑張ってくださってます」

西葉 「もちろん、まぜこぜになってしまった物語の結末がどうなるのかにも注目です」

--今作は名作文学を題材にしていますが、子供の頃に読んで印象に残ってる物語はありますか?

生田「私は図書館が好きで、よく通っていた記憶があります」

西葉「私もよ。外で遊ぶより、図書館で過ごすことが好きで」

生田「夏休みとか、涼しいじゃない?」

西葉「そうそうそう」

生田「最初は涼しいから図書館に行くんですよ。みんな静かだし喋るわけにもいかないから、本を読むようになって。絵本から次第に児童文学を読むようになりました」

西葉「私も本を読むのが好きで『若おかみは小学生』がすごくお気に入りでした。小学生の時にシリーズを読んでたんですけど、めっちゃ記憶に残ってます」

生田「名作ものだと、宮沢賢治とか、『星の王子』さまとか、海外文学とかも全部好きだったので。あと、『ハリー・ポッター』とか」

西葉「読んだ、読んだ!あのハリポタの大きい本を持つのがカッコいいと思って(笑)」

--読んでいて挫折はしませんでした?これいつまで続くんだって。

西葉「思ってました(笑)」

--最後にあらためて意気込みをお願いします。

生田「私は役者として舞台ではセリフでお客様に物語を伝えることが多いのですが、今回は初めて“ミュージカル”と冠した作品に出演させていただきます。歌うことがものすごく得意というわけではないので、演じていてセリフから歌、そしてまたセリフに戻るという不慣れな感覚になってしまいがちですけど、歌でしか伝えられない想いを伝えるからこそ、その部分が歌になっているということに、お稽古を重ねるごとに気が付いてきました。
セリフのように歌って心情を伝える場面もあれば、歌で楽しい気持ちを伝えて思わず手拍子したくなる場面もたくさんあります。特に今回は小さなお子様も大歓迎の作品になっておりますので、ぜひ、そういうナンバーの際には手拍子をしたり、体を揺らしたりして、一緒に楽しんでいただければと思います」

西葉「私も歌の前は身構えて緊張しちゃいます。すごくドキドキするし、 大丈夫かなって頭がいっぱいになるタイプなので、セリフとの境目をなくしながら伝えるのはまだすごく難しいです。
私自身もミュージカルは好きで、いろんな作品を観てきたんですけど、いざ自分がやるとなると超絶に難しくて。セリフと歌のそれぞれの良さを活かして、ただ歌ってるだけの作品にならないようにしなければと思います。
ミュージカルにたくさん出演されている先輩方もこの座組にいらっしゃって、稽古場では素晴らしいお手本を見せていただいているので、そんな風に少しでも早くなりたいと思って頑張っております」

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」

出演
小宮璃央 西葉瑞希
七木奏音 生田 輝 髙橋果鈴
泰江和明 岩城直弥 坪倉康晴
石井美絵子 秋沢健太朗
郷本直也
北村岳子 平川和宏 ほか

脚本・作詞:浅井さやか(One on One)
演出:児玉明子
公演詳細(ネルケプランニング): https://www.nelke.co.jp/stage/shuffle2022/

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