【吉本実憂インタビュー】主演映画『レディ in ホワイト』で初めて気づいたこと  解散する古巣「X21」への思いも

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女優の吉本実憂さんが23日公開の映画『レディ in ホワイト』で主演する。吉本さん演じる名古屋のクズな社長令嬢・如月彩花が就活でホワイト企業に入社。パワハラなゲス上司のアシスタントに任命され、一大バトルを繰り広げるという本作。吉本さん演じる彩花はとにかくハイテンションで自由すぎて周りを引っ掻き回す。自身最高に弾けた役を演じた本作でのエピソードを聞いた。

--今回の彩花役は吉本さん史上でも最も弾けた役になっていますね。

「はい、もう弾けてます。踊り狂ったりしています(笑)」

--最初にこの役をやると聞いたときはどう思いましたか?

「台本を読んだ印象では、そこまで弾けた役になるとは思ってなくて、もうちょっとフラットで、面白い会社の話だと思っていたら、監督の演出ですごく変わりました。彩花はすごく個性的で、ユーモアがあって、いろいろ周りに逆らったりしますけど、どこか憎めないような女の子なのかなと思います」

--素の吉本さんとは全然違うと思いますが、共感できる部分はありますか?

「白い服にこだわるところなど『そこはブレたくない』という部分を持っているというところは理解できます。気持ち的にはわかるので、台本を読んでいるときも共感できる部分がいっぱいあったんですけど、彩花はそれを正直に表に出すけど、私はあんまり出さないという……」

--まぁ、普通は思っていても飲み込むというか、周りとのバランスを考えますよね(笑)。

「はい。でも今回は今までの作品にはないくらい自由にお芝居できました」

--テンションが高い現場だったのではないかと想像できます。

「はい。演じるにあたっては大塚(祐吉)監督がお手本というか、彩花の男バージョンが監督というくらいで(笑)」

--そんな弾けた監督だったんですね。

「もちろん、まじめに作品作りに取り組んでいると思うんですけど、常に遊びながら、楽しみながらやっているという感じがあって。私もこの役をやって思ったんですけど、遊び心があって、自由なほうが引き出しからアイデアが出てくるものだと」

--自分でも役作りはしっかりと?

「今回は結構ラフに現場に行っていました。現場で役を作るという感じで。自分だけで考えて持っていくんじゃなくて、この作品では自分ではあえて持って行かずに、現場で相手から受け取ったものだったり、自分から発信するもので考えるという感じでした」

--その場のノリでアドリブのような展開があったり?

「そうですね。セリフはしっかりと覚えつつも、あとは監督と遊びながらアイデアを出して行きました」

--昨年出演したドラマ『さくらの親子丼』は役とじっくり向き合う内容だったと思いますが、あの作品では役柄についてかなり踏み込んで考えたんじゃないかなと思います。

「あのときは現場自体はすごく楽しかったんですけど、家に帰って一人になると悩みまくるみたいな。心がぎゅっと締め付けられるような感覚になりましたけど、『レディ in ホワイト』とはまったく……」

--好対照ですよね。『さくらの親子丼』に限らず吉本さんってどこか陰のある役が多かった印象です。

「明るい役でも、嘘の笑顔をする役が多かったですね」

--今回は一転、パーっと明るい役で。

「やってみたかったんですよ、こういう破天荒な役を。それを大塚監督とタッグを組めてやれたのが嬉しかったです。安心感がありました」

--さて、吉本さんがアイドルグループ「X21」を卒業して、女優一本に専念してから約1年になりますね。

「そうですね。卒業ライブが昨年の9月17日で」

--活動が女優一本になって、より集中できる状態になりましたか?

「それまではライブに向けての準備もしつつ、プラス演技のことも考えていたんですけど、作品のことを考える時間がより増えたし、また自分の時間も増えました。今すごく勉強の時期だと思っています。現場に入ると、周りを見たり集中して芝居をすることでたくさん勉強のタネを得られるんですけど、それはみんながやっていること。自分はまだまだ知識や実力が足りないと思っていて、せっかく自分の時間がちょっと増えたから、勉強に費やしたいと思っています。いろんな作品を観たり、外に出たり、前よりもファッションを見るようになったりだとか、いろんなものを見る時間が増えました」

--前向きですね。

「たまにX21のライブを見に行ったりもするんですが、ステージを観ているとまた踊りたいと思うこともあります。振りや歌詞は身体が覚えていて(笑)。音楽は好きだし、ダンスも好きなので、YouTube見たりだとか、ライブもよく観るようになりました。あ、私、チケットぴあの会員になったんですよ! いいものを見るためには自分でお金を出して見に行きたいという気持ちが強くなって」

--一方で女優一本になって“逃げ場がないプレッシャー”というのはあまり感じない?

「昔はありましたけど、この『レディ in ホワイト』をやってから、自由にやるというのは大事だと実感しました。たまには追い込むのもいいと思うんですけど、やっぱり自由に生きてたほうが芝居がうまくいっている気がして楽しいんですよ。自分にはそっちのほうが合ってると思います」

--先ほど話に出たX21がこの度解散ということになりました。まるで自分の母校がなくなるような寂しさがあるのかもしれません。

「そうですね。X21にいたときに、もっとこういうことをしたかったなとか、悔しい思いがいっぱいあって。でも過去は変えられないし、現在と未来しか私たちにはないから、メンバーの子たちも心配なんですけど、解散することが決まって、X21として過ごした時間をより大切に感じていると思います。私も辞めて初めて、あの時間ってあってよかったなと思うし、それをどう生かすかというのはみんなにかかっているので、マイナスにとらえずに、ここからまた新しい未来が広がるという意味で、みんなには幸せになってほしいですね」

--吉本さんは元リーダーとして、独り立ちした先輩として、相談されたり頼りにされるのかも。

「私が卒業するライブのときには、私は泣かないと決めていたんですけど、みんなが泣いてくれたことにびっくりして。泣いてくれるとは思わなくて、寂しいとか、これから不安とか、そういう気持ちをもってくれてたんだなというのはすごく嬉しかったです」

--もうちょっと淡々とした関係のイメージだった? そこまでウエットじゃないような。

「仲はいいんですけど、なんていうんだろう……親友というのではなくて、ライバルであり、仲間であり、という感覚。結構フラットな感じだったので、泣いてくれたときはびっくりしました」

--リーダーとしては本当に嬉しいですね。

「嬉しかったですね。後々サブリーダーの小澤奈々花ちゃんに言われたんですけど、『みんなね、言わなかったけど、頼ってたんだよ。真ん中に立ってくれることによって、やっぱり安心感がすごくあったの』って。そういう奈々花が一番泣いていたんですけど(笑)」

--小澤さんは同じ年のWグランプリの盟友ですからね。

「泣いてくれたのは嬉しくて、生きた心地がしました」

--“生きた心地”とまで(笑)。

「存在意義というものがわからなくなることってありませんか? 自分の存在意義についてすごく考えちゃって。たまに大丈夫かなと思うんですけど、その奈々花の一言でちょっとほっとできたというか、それはありました」

--では最後に改めて『レディ in ホワイト』についてひとこと。

「出てくるキャラクターの個性はとてつもないんですけど、会社に行っている方で、ストレスが溜まりがちな方にぜひ観ていただきたい! 彩花も嫌いになられるキャラではなくて、最初はちょっと引いちゃうかもしれないけど、彩花の目線か、もしくは一般的なサラリーマンの方としては一番近いのは矢本悠馬くん演じる猪瀬だと思うので、その目線に立って、スカッとしてもらい。彩花みたいな言い方はできないかもしれないけど、『これは正しいと思っている』ということはちょっと言ってみようかなという勇気も出してもらえたら、嬉しいなと思います」

映画『レディ in ホワイト』は11月23日(金・祝)よりユナイテッド・シネマ アクアシティお台場、ミッドランドスクエアシネマほかで全国順次公開。

内容の詳細は公式サイトにて
http://www.liw2018.com/

<プロフィール>
吉本実憂(よしもと・みゆ)
生年月日:1996年12月28日
出身地:福岡県

2012年、第13回全日本国民的美少女コンテストにてグランプリを受賞したことをきっかけにデビュー。これまでNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、ドラマ『クズの本懐』(フジテレビ)、『さくらの親子丼』(東海テレビ/フジ系)、映画『罪の余白』などに出演。
2019年1月18日公開の映画『めんたいぴりり』に花島先生で出演。

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