早織、感涙の主演映画初日 監督からの降板勧奨(?)も乗り越え完成させた意欲作

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主演ドラマ『ケータイ刑事 銭形雷』や映画『舞妓Haaan!!!』、『百円の恋』などで知られる女優・早織さんが、中村有沙さんとともに主演を務めた映画『過激派オペラ』が1日に公開。テアトル新宿で行われた初日舞台挨拶に、キャストや江本純子監督とともに登壇した。場内は立ち見も完売するほどの超満員。そんな中、リハーサル時のエピソードを振り返り感極まって涙ぐむ場面もあるなど、早織さんの作品に賭けた思いが伝わる舞台挨拶となった。

演劇界の鬼才・江本純子監督の自伝的小説『股間』が原作。“女たらし”の女演出家・重信ナオコ(早織)は劇団「毛布教」を立ち上げ、旗揚げ公演『過激派オペラ』のオーディションを開催。そんな中出会った一人の女優・岡高春(中村)。春に一目惚れしたナオコは、春を主演に抜擢し旗揚げ公演に向けて邁進していく。同時に春との恋愛も成就。絶好調のナオコは旗揚げ公演を大成功に終わらせ、すべて順調に進んでいるように思えたのだが…。

初日を迎え、舞台挨拶に登場した早織さんは「もうクラクラしています。初日を迎えられて最高です!」と興奮と緊張を浮かべた表情に。中村さんは「撮影が一年前の夏だったんですけど、一年の時を経て公開を迎えられたことを嬉しく思います」と喜びを表した。

早織さんが演じるナオコはベリーショートの女性演出家。現在の早織さんのビジュアルとはかなりイメージが異なる。「チラシを渡してもなかなか気づいてもらえないですね」と苦笑いした。

撮影で苦しかったことについて問われると、クランクイン前に行われたリハーサル期間でのエピソードを挙げた。「リハーサルの最終日に江本監督とじっくり話す機会があって、その時に『あなたはこの現場の足を引っ張っている。でもどうして降りようと思わないの?』と聞かれた時が一番つらかったです。私はナオコとしてその場でしっかりと立ってなければいけなかったのですが、とてもふがいなくてなかなか演じることができませんでした。気持ちもいっぱいぶれて混乱していましたし、そんな私に監督は真摯に向き合ってくださったんですね」と振り返る。

それは彼女にとって新鮮でありがたい経験であった。「そのような向き合い方をしてくださった方は初めてだったので、その時は思うように返す言葉がなくて…。本当に悔しかったですし、言葉をぶつけてくださったことで、私も心の奥底から、『どんなに足を引っ張っても降りてやんない』と思って…」と話しながら感極まり、どんどん涙声に。「それで次の日に初日撮影に臨みました」となんとか話し切った。

そして幸せだったことについては「劇団員のみんなとキャストのみんなが支えてくれたこと。『過激派オペラ』は最高に面白いので、みなさんに楽しんでいただきたいです。そして江本監督の映画に出演できて最高に幸せです」と熱く語った。

一方、中村さんは、「この作品はほぼドキュメントに近い。リハーサルも、映画で映っている稽古場でやらせていただいていたので、本当にすごく濃い時間でした」と振り返った。

「現場ではただがむしゃらでいるしかなかった。江本監督からは『人形じゃないんだから』と言われまして、とにかく心をもって、人間として、ただ芝居が好きという気持ちをまっすぐに素直に生きたことがどこか苦しくもあり、またこういう濃密な時間ってなかなか過ごせないので、本当にそれが幸せでした」と語った。そして「周りのキャストの方たちがいなければ、とにかくこの人たちと一緒にこの作品を完成させたいという気持ちでやっていたので、とにかく今が幸せです、完成した作品をみなさんに見ていただけるということが…」と感慨深い表情を見せた。

このほか、桜井ユキさん、森田涼花さん、後藤ユウミさん、石橋穂乃香さん、今中菜津美さん、遠藤留奈さん、増田有華さんも登壇、華やかな舞台挨拶となった。

映画『過激派オペラ』はテアトル新宿でレイトショー公開中。

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