ガールズ演劇が目指す新たな地平!アリスインプロジェクトの静かな野心作『みちこのみたせかい』

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舞台「みちこのみたせかい」光組ゲネプロより
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ガールズ演劇のアリスインプロジェクト(以下、アリス)の舞台『みちこのみたせかい』が新宿村ライブで5月8日まで公演中だ。

本作は、認知症と人工知能という2つのテーマを柱にした物語で、アクションやダイナミックな演出が中心となっていたこれまでのアリスの作品とは打って変わった静かな会話劇となっている。

ありがちな「実は○○だったんだよ!!」「な、なんだってー!!」という派手な種明かしの場面もなく、「ここで泣いてください」的な仰々しい場面もない。最近主流の過剰サービスぎみな演劇に慣れた観客にとっては不親切な作風とも言えるが、それだけに瞬きもせずにキャストと向き合うべき真剣勝負の舞台となっている。

お話のテイストは、SF小説『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス)に近いものを感じたが、社会的にも科学的にもより現代の私たちに近いテーマが語られているように感じられた。

5日に行なわれた光組のゲネプロを見守っていた脚本の麻草都氏は「細川さんの演出や、照明・音響・装置を含めて、とにかく美しい世界を作っていただけた」と仕上がりに満足し、「セットや場面など左右対称がテーマになっていて、神話的なイメージを汲み入れた。物語は最後に”新しい世界”へ向かう終わり方をしますが、それをどう捉えていただいてもいいように作られたと思う」と語った。

認知症や人工知能など新聞やネットを賑わせているタイムリーな話題を扱っているが、その発想について麻草氏は「知人のお婆さんが認知症で、いつも僕を華道のお弟子さんと思いこんで話をされるのが関心を持ったきっかけ。それから高野文子さんの短編マンガ”田辺のつる”で自分を少女だと思い込んでいる認知症のお婆さんの話を読んで、舞台の作品に繋がらないかと考えました」と明かした。

最初は”そんな地味な話は出来ない”とプロデューサーに一蹴されたそうで「人工知能の語も前からやりたいなと思っていて企画を練り直したら”それで行こう”ということになった。ちょうどGoogleさんの人工知能が話題になったせいでタイムリーな話になったけれど、言ってしまえば全ての人に常にタイムリーな話だと思う」と経緯を語った。

キャストでは、敷島未知子役の古橋舞悠さんがこの作品の世界樹のような存在感を放っていており、作品の雰囲気を背負って好演していた。また、未知子の孫である井村結役の空美夕日さんは、初舞台ということだったが、着飾ったところのない裸の演技で観客の共感を呼んでいた。

結の姉の井村解役の藤本結衣さんは「毎回、新鮮な気持ちで挑んでいますが、今日は感情が高ぶってしまって、稽古でも泣いたことがない場面で涙が出てしまった」とゲネプロを終えた感想を話した。本番に向けて「何度も重ねるうちにもっと”解”に近づいて、今まで発見できなかったものも見つけていけると思う。千秋楽に向けてさらに素敵なものになっていくはずです」とさらなる向上心を見せていた。

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