杏 映画「百日紅」の舞台挨拶で江戸文化への思いを語る

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左から原恵一監督・松重豊・清水詩音・杏・濱田岳・立川談春
左から原恵一監督・松重豊・清水詩音・杏・濱田岳・立川談春
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  • 清水詩音
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5月9日、映画「百日紅~Miss HOKUSAI~」の初日舞台挨拶が東京・テアトル新宿で行われ、杏、松重豊、濱田岳、立川談春、清水詩音、原恵一監督が登壇した。

漫画家で江戸風俗研究家でもある杉浦日向子さんの「百日紅」を原作とした本作は、浮世絵師の葛飾北斎とその娘のお栄をはじめとする、江戸で自由闊達に生きる人々を描いた作品。

制作に3年もかかったという本作について、原作者の杉浦日向子さんを敬愛する原恵一監督は「自信を持って観てもらえる作品になりました。原作者の杉浦日向子さんに対して、そして自分に対しても誠実に作りました。」とコメント。

杉浦日向子さんの大ファンという杏さんは「大好きな杉浦さんの作品に、憧れていたアニメーションで関わらせていただけることが大変光栄です。」と嬉しさをあらわにした。また、主題歌を歌う椎名林檎さんのファンでもある杏さんは「北斎は90歳近くまで生きましたが、あと5年、10年生きられたら本物の絵描きになれたかもしれないと言いながら亡くなりました。本当にクリエーターの業のようなものを感じる人物です。椎名さんが作った主題歌の『最果てが見たい』という曲には、本当に最果てが見たいのか、追い続けるのが作り手の業なのかという歌詞があり、北斎とリンクしていると思いました。」と主題歌の感想を語った。

一方、松重豊さん、濱田岳さん、立川談春さん、清水詩音さんはアフレコの話題に。松重豊さんは「まさかアニメの仕事をいただけるとは思っていませんでした。しかも、葛飾北斎というやり甲斐がある役だったので、気合いを入れてレコーディングに望みましたが、3時間で終わってしまいました。」と話し、濱田岳さんは「松重さんにアフレコがどんな感じだったかメールをくださいと言ったら、『3時間で終わった』とメールが届きました。自慢なのか、プレッシャーなのか……。だから、負けないぞと思って臨みました。」と返した。

また、落語家の立川談春さんは「原監督から電話がきたと聞いた時、何ごとかと思いました。“原監督”といったらジャイアンツの原辰徳監督だと思うじゃない?」と会場の笑いをとりながら、「落語と違って、大きなスクリーンに向かってしゃべるんですよ。後ろにスタッフのみなさんがいらっしゃるのが妙なプレッシャーで。しかも、静かな声で『OKです』というので、みんな妥協してOKにしているのかなって思いました。」とアフレコで驚いたことをネタにトークを盛り上げた。

男性陣が笑いをとる中、12歳の清水詩音さんは「私の役のお猶は目が見えないので、感情が見て話す言葉にならないようにお猶の気持ちを想像して、演じることを気をつけました。原監督にアドバイスをいただきながら、どうしたらお猶にもっと近づけるのか考えて、自然に演じることが難しかったです。」としっかりした感想。その発言に、立川談春さんは「一番大人で立派だね。俺たちは情けないね。」と評価した。

そしてトークの最後では、杏さんが「実は私が生まれた年が、江戸時代に生まれた最後の方が亡くなった年でした。ここで江戸時代の文化が途切れないように、私たちが見て感じるものを育てて行くのが、現代の私達の使命でもあり、楽しみだと思います。映画の中には、今は見られないけど知っている、心の奥から呼び出される江戸の心意気がたくさん詰まっています。みなさまにぜひ感じていただいて、いろいろな方と共有してもらいたいです。」と映画への思いを語った。

映画「百日紅~Miss HOKUSAI~」は全国公開中!

(C) 2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会

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映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』公式サイト