【わーすた インタビュー】ニューシングルは「これまでの成長とこれからの進化を感じてもらえる一枚」

わーすた. (左から)松田美里、三品瑠香、廣川奈々聖、小玉梨々華

今春で10周年を迎えたアイドルグループ・わーすた。この夏もワンマンライブ、多彩なフェス出演、そして新曲のリリースイベントと精力的に駆け抜けた。その新曲『Sweet Fancy Chu-n/アレグロめいてるランナップ』が9月24日にCDリリース。この夏の思い出や新曲の聴きどころなどたっぷり語ってくれた。

--この夏はワンマン、新曲リリイベ、そしてフェス出演と大忙しでしたね。

小玉梨々華「人前に立つ機会やファンの人に会う機会が本当に多くて……」

廣川奈々聖「常に人と触れ合っている、ファンの方に会っている、みたいな夏になりました。8月11日に豊洲PITでワンマンライブがあって、その週の前後がとても忙しくて。美里の生誕ライブ、豊洲PITライブ、その次の日に滋賀でライブがあって、しばらく関西に行ったりだとかで結構怒涛でした」

--今年の夏は史上最高気温といわれるくらいの酷暑でした。野外のライブやイベントもあったと思いますが、大丈夫でしたか?

三品瑠香「とんでもなかったです(笑)」

3人笑

--瑠香さん、一番日光に弱そうなイメージ(笑)。

瑠香「本当ですか? まあ、元気ではなかったですけど、もともとタフではあるので大丈夫です。私多分4人の中では一番忍耐力あります」

--一番暑さに弱い人って?

瑠香「道民が……」

--北海道出身の梨々華さんはやっぱりこたえた?

梨々華「汗をかかないので強そうに思われるんですけど……(笑)」

--そんな今年の夏で特に印象に残った出来事といえば?

梨々華「やっぱり豊洲PITのワンマン。ずっと計画していて、告知する前から楽しみにしていた一大イベントでした。夏に単発のワンマンをやるって今まであまりなかったので、すごく新鮮で、サプライズのバンドライブも楽しみでずっとワクワクドキドキで。ライブしている最中も本当に楽しくて、思い出深いライブになりました」

奈々聖「いっぱいあるので迷うんですけど、一つ挙げるなら関ヶ原(SEKIGAHARA IDOL WARS 2025)」

--7月に行われた恒例のアイドルフェスイベントですね。

奈々聖「私たち“関ヶ原”は初期の頃から出させていただいていて、ずっと皆勤賞だったんですよ。ただ昨年のその時期がブラジル行きで出られなかったので、今年2年ぶりに出られて。個人的に、夏ってキャンプをしたりそういう思い出が印象に残っているので、それを思い出させてもらえるのが関ヶ原でのライブ。関ヶ原って結構山のほうで、普段降りない新幹線の駅で降りて、バスで向かってあのステージに立つというのは、毎年すごく印象に残るし、あそこに観に来るのは本当にアイドルが大好きな勇者みたいな人たちで、そんな猛者のオタクが集結するので(笑)、あそこにしかない空気感があって、今年もめちゃくちゃ楽しかったです!」

瑠香「私はTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)で、Taskちゃん(Task have Fun)とコラボステージをやったこと。新しくできたステージ(TOROCCO PARK)のタイムテーブルで、Taskちゃんの次がわーすたで、その間に2曲だけコラボステージをさせていただきました。雨で1時間くらい押していて、もともと明るいうちにすべて終了するはずだったのが、雨のせいで、私たちのライブの時間には暗くなっていて、照明が用意されてなくて、暗闇でライブをしました(笑)。それが楽しくて。なんなら客席側に向いているライトのほうが明るかったくらいで(笑)」

美里「私は自分の生誕ライブ。昨年はバスツアーをしたんですけど……」

--ライブだけじゃなくそういうイベント形式もあるんですね。

美里「はい。昨年はわーすたのライブツアーがあったので、それで広島に行ってたから、そのタイミングでバスツアーもくっつけたら面白いかなと思って。今年はそれとは違うことをしようと思ってライブ形式にしたんですけど、いつもと違うことをするにはどんな生誕ライブをするのがいいか考えていて、それで血迷って、二部はまるまるソロで歌うようにしてしまって、それがかなり大変だったのが思い出です」

--3人は出なかった?

美里「第一部ではメンバーもゲストとして呼んで一緒にやらせてもらったんですけど、二部は私だけ。お友達にゲストに来てもらって一緒に歌ったり、ギターとピアノを演奏してくださる方にも入ってもらって、アコースティックバージョンにアレンジをしてもらって歌ったり、楽しかったです」

--じゃあMCの回しも美里さんが?

美里「はい、やりました。でも私の緊張をお友達が察知してくれてて、かなり回してくれていたんですよ。緊張している私をサポートしてくれる友達、という様子がお客さんも面白かったみたいで、結構好評でした」

--相棒(?)の奈々聖さんがいなくてもやり遂げられた?

美里「寂しかったです。やっぱりいてほしいと思いました(笑)」

--奈々聖さんはステージを見てた?

奈々聖「一部は私たちも一緒にステージに出ていたんですけど、美里が緊張してて……」

美里「3人に支えられました(笑)」

奈々聖「二部はゲストが藤水咲桜ちゃん、元つりビットのさくちんで、私もお付き合いが長い友達なので、まあ、さく(藤水)がいれば大丈夫だなと思って、そこの心配はなかったです」

--そんな今年の夏をしめくくるようにシングル『Sweet Fancy Chu-n/アレグロめいてるランナップ』が発売されます。『Sweet Fancy Chu-n』は女の子の等身大の恋愛と、わーすたとファンとの関係性を重ねたような歌詞で。

奈々聖「1曲の中で展開が大きくある曲だなと思っていて、可愛いキラキラソングに思えるけど、すごく響く、引き寄せられる部分があったりだとか、“カワイイ星になりたい”とか“星”っていうワードが結構出てくるんですけど、その“星”が“推し”っていうふうにも聞こえるとファンの人たちが言ってくれて……」

瑠香「歌ってて楽しいですね。曲もかわいいし、Dメロとかはエモーショナルで、全体を通して聴いても面白い曲だと思います」

美里「“カラフル?キャラメル?パラソル?じゃなくて”とか、そういう歌詞の感じが面白くて、ライブ中も楽しくて、歌っているというよりは、メンバーと合わせる一連の流れが楽しくてアガります」

梨々華「みんなと掛け声的な、サビ前の“だってだって絶対!”とか一緒に言えるところもあって、そこは盛り上がるし、歌詞に“ねえ”って言ってるところが多くて、“ねえねえ どうしたらいいの?”とか言い回しがすごく可愛くて、いいな、キュンキュンするなって思います」

--一方『アレグロめいてるランナップ』は趣が違う、背中を押してくれそうな力強さを感じる曲です。

奈々聖「私たち、フェスで映えるかっこいい曲は持ち合わせていると思うんですけど、それとはまた違った方向性の熱い曲が欲しいなとずっと思っていて、今10周年を迎えたタイミングで、ずっと走り続けてきた私たちが歌える、いい暑苦しさの楽曲(笑)、でも音はすごくきれいだし、そこのギャップも魅力だなと思います」

瑠香「こういうタイプの曲は歌うのも好き。ロックテイストの曲を普段よく聞いているのもあって、両A面で曲調がだいぶ違うので楽しかったです」

美里「私、わーすた初期の頃から、いただくパートでは、“何歳児で歌って”とか“もっと可愛くぶりっ子で歌って”とかそういうオーダーが多かったのですが、5年目くらいのときに、“可愛さは今回捨ててみようか”という注文をされるようになって、今回はどっちで行こうかと悩みました」

--結果どのくらいの塩梅で?

美里「かっこつけすぎるのも似合わないので、さっき奈々聖も言ってたように、さわやかな面もあるので、そこを拾ってみたいなと思って。そこまで力まない感じで歌えたらと思いました」

--メッセージは熱くても、サウンドは爽やかで。

梨々華「“届けたい、自分の思い”というものが歌詞に込められているので、それが届くようにというのを一番に考えながら歌いました。曲もだし、振付もすごく楽しくて、走ったり、手振りも大きかったり、身体全体で伝える感じがあるので、ライブでやってても楽しいなって思います」

--アレグロって音楽用語?

瑠香「“加速してゆく”“だんだん速くなってゆく”みたいな。ランナップは“助走”とか」

奈々聖「“疾走感”を表しているタイトルだと思います」

--MV(下段参照)は二作とも同じシチュエーションのロケ撮影。Vlogのように、海外を旅している4人を追うような作りで、これまでになかった形ですね。

瑠香「はい。タイで撮影してきました。タイはライブで何回か行ったことがありますが、MV撮影では初めて。MV撮影を海外ですること自体初めてで、そのためだけに海外に行くということもなかなかないので」

--撮影は順調でしたか?

瑠香「ソロのシーンが多かったので、大変でした」

奈々聖「ロケ撮影で、バスを2台用意してもらって、ここが拠点というところがなく、ずっと移動し続けてて、ヒッチハイクしているみたいな感じの撮影でした(笑)。ずっと出歩いて、バスが来るまで待ってる、みたいな不思議な感じで。“あれ、今MV撮影中だよね?”って(笑)。旅している感じでした」

梨々華「ほかのメンバーのソロ撮影をしているところは見れなかったので、完成したものを見て、“ああ、こういうところに行ったんだ”“こういう感じだったんだ”と楽しめました。『Sweet Fancy Chu-n』の撮影のときには乗り物にいろいろ乗って、船とか、トゥクトゥクとか。そういう体験もできて楽しかったです」

--撮影の合間にはタイを楽しめた?

美里「私と梨々華は撮影は予定していた日数で終わったので、3日目はオフだったんです。なので、二人で一緒にマッサージに行って……」

--タイ式マッサージだ。

美里「はい。ガチガチにバキバキのヤツは痛そうで怖いので、オイルで優しめなのを受けたんですけど、それでもかなり効いて、体がめちゃめちゃ楽になりました。ショッピングもして楽しかったです」

梨々華「美里と並んでマッサージしてもらって、二人でつんつるてんになってました。髪の毛をひとつにまとめあげて、おにぎりみたいな状態で(笑)」

--その画像をどこかにアップしたり?(笑)

梨々華「それは絶対できないです(笑)。でも、美里に“誕生日おめでとう”のLINEを送ったときに、“ありがとう”と一緒にその写真が返ってきました(笑)。誕生日になってすぐにその写真を探す時間があったんだと想像するとおもしろいなと思いました(笑)」

--奈々聖さんと瑠香さんは3日目もがっつり撮影?

瑠香「私は3日目は午前中だけ撮影があって、結構のんびり進んでいった感じですね。常に撮影している状態ではなかったので」

奈々聖「前日の自分の撮影が終わったのが夜遅くて、3日目も朝早くて、シーン的に公園で朝日が登ってくるタイミングを狙って撮りたい、ということでした。撮影チームが誰よりも疲れていると思うのに、それでもいい画を撮りたいと追い求めて。その意気に私も乗っかりたい、いい朝日の中で撮りたいなと思ったので、予定より早い時間に集合してメイクさんと“頑張ろうね”って気合い入れました。今回タイに行った時期が雨季で、行く前に天気予報を見ていたらずっと雨予報になっていて、そんな中でずっと晴れた状態で取り続けられたのは奇跡に近いなと思って。出来得る最高のものを作れたのかなと思います!」

--10周年イヤーを経て11年目も頑張る、わーすた。特に10周年イヤーで変化を感じたことはありましたか?

美里「10周年のタイミングで、一度出たけど、また戻ってきたファンの方もいて、それで“わーすたってもう10年なんだ”という感じがしました。周年ライブが春だったので、やっぱり暖かくなるタイミングで出戻りの人がわいてくるのかなと思ったり……」

--わいてくるって(笑)。

美里「愛おしいという気持ちで言ってます(笑)。ファンの方がなんか愛らしいなと思って。懐かしんでくれるというか、昔好きでいてくれたときを思い出してくれて、また応援してくれているというのが嬉しいなと感じました。みんなと一緒に歳を重ねているので、10年経ったこの期間をエモく感じてくれる方がたくさんいるというのは嬉しいなと思います。久しぶりに握手会に来てくれた方で『白髪が増えたんだ』って言ってたりすると、『ああ、年取ったね』と。そういう会話をするのは、ちょっとうるっときます(笑)」

--初期の頃応援してて離れた人が久しぶりに戻ってきたりというのも多いんですね。

瑠香「そういう人もいるし、昔から好きだったけど、学生だったから現場にはなかなか来れなくて、最近ようやく自分で会いにくることができたという人もいますね」

--学生だと時間的にも金銭的にも遠征はもちろん、多くの現場に行くことも難しいですからね。

瑠香「自分で働いて、そのお金で会いに来れるようになったからと……」

--新しいファン層というのも?

瑠香「いますね。女の子のファンに子どもが生まれていたりします」

奈々聖「女性ファンもだし、ファミリー層。昔ちっちゃかった女の子が大きくなって、パパとママ一緒じゃなくて一人で来るようになったり、ファン層の広さがうちの良さだと思うし、リリースイベントのファミリーエリアにちっちゃい子が集まってて、ファンの方たちがママ友みたいになってたり、そういうのを見て可愛いなと思いました」

--わーすたって、メンバーの存在がちょっとアニメキャラっぽいところがあって、それも女の子のファンを惹きつける要素になっているのかも。

梨々華「“衣装がキラキラしててかわいい”とか“アニメのキャラクターみたい”って言ってもらえることもあるし、衣装とか憧れる要素をふんだんに詰め込まれている気がします」

奈々聖「それは長く活動してきたからこそ積み上げられたものだと思って、幅広く楽曲を歌わせてもらってて、これまでアニメの“プリティー”シリーズとタイアップ曲を発表してきたり、それは今でもずっと歌わせてもらっているし、それでわーすたを知ってもらったり、本当にいろんなかけらがいろんな繋がりを生んでくれて、今の自分たちがいるなと思います」

--これから秋〜年末にかけても勢いを止めず活動する、わーすた。昨年好評だった主催フェスの第二弾『にゃんぽこらフェス!vol.2』が11月に行われます。わーすたがホスト役となり、多彩なアイドルが集結するイベントで、昨年は各アイドルがネコ耳をつけたりわーすたを意識したステージを見せていたのも話題でした。そして新しいツアーも決定しました。

奈々聖「昨年10周年イヤーということで挑戦した主催フェスを今年もできるというのは嬉しいし、こんなに長く活動していて、初めて主催側になってこういう気持ちが芽生えるんだとか、出演してくれたアイドルさんたちがステージの上で私たちの話をしてくれることに喜びを味わえたり、私たちも長くやってきたんだなという感覚になっています、特にこの1、2年は」

--瑠香さんは生バンドによるソロライブをマイペースに行なっていますね。今年も春に行われました。

瑠香「静かに黙々とやってます。水面下で(笑)。気が向いたときにやります」

--わーすたのときと雰囲気が随分違います。

瑠香「あれはあれで自分がやりたいことをやっているので、人前に出るときの感覚も違うから。わーすたでいるときと別物として捉えてもらえたら。最近はバンドのライブから入って、わーすたのライブを初めて見ました、という人もいたり」

--これからも並行して?

瑠香「はい、やっていきたいです」

--奈々聖さんは今年はソロ写真集の発売もありましたが。今後個人的にやってみたいことなどありますか。

奈々聖「仲のいいアイドルの子が、辞めたあとクリエイター側に回っていて、そういうのを近くで見るとかっこいいなと思うので、将来的にはそういうこともできたらいいなと思います」

梨々華「私は中学生からこの活動をしているけど、行ったことない会場でライブをすると新鮮でワクワクするし、行ったことのない県、国、いろんなところに行ってライブをしたいです」

美里「私は子どもと遊びたいです」

3人笑

美里「リリースイベントとかでファミリーエリアに子どもたちがいると、嬉しくてついそっちのほうばっかり見ちゃうんです。気兼ねなく子どものほうを見ていいライブをしたいです(笑)」

--いつかお子さまとママ限定のライブをやるとか(笑)。

美里「そういうライブだと、私の溢れ出る欲は満たされるかなと(笑)。写メ会とかでも、子どもだけはハイタッチOKとか、抱っこして写真OKとかできないかなと思っています。ちっちゃい子とか動物に囲まれる生活がしたいです(笑)」

--最後に改めてニューシングルについてリーダーの奈々聖さんから一言お願いします。

奈々聖「すごく、わーすたらしい両A面シングルになったなと思っていて、可愛らしさを見せる部分と、その裏ですごく人間味があふれる一曲という、本当にこれまでの成長とこれからの進化をみんなに感じてもらえる一枚になったかなと思うし、アイドルが好きな人以外の方にも響く2曲になっていると思います! ミュージックビデオも併せて、わーすたがもっと世界に届いたらいいなと思います」

わーすた(The World Standard)
世界に照準を合わせて活動しているデジタルネイティブ世代アイ­ドルで、SNSとリアルアイドル活動を通じて世界にKAWAIIジャパンアイドルカルチャーを­発信していくグループとして2015年に結成。2016年、1stアルバム『The World Standard』でメジャーデビュー。2022年から現在の4人体制に。今年3月には10周年ライブ『The World Standard〜10周年も愛されちゃいます!〜』をLINE CUBE SHIBUYAにて開催した。

廣川奈々聖(ひろかわ ななせ)1999年5月12日生まれ、福岡県出身
松田美里(まつだ みり)1999年8月2日生まれ、広島県出身
小玉梨々華(こだま りりか)2000年10月1日生まれ、北海道出身
三品瑠香(みしな るか)2001年3月17日生まれ、愛知県出身

https://wa-suta.world/

主催フェス『にゃんぽこらフェス!vol.2』が今年も開催。DAY1:11月2日(日)、DAY2:11月3日(月・祝)。ベルサール汐留にて。

ツアースケジュール
11/8(土)京都・FAN J
11/16(日)広島・ LIVE VANQUISH
11/30(日)東京・新宿ReNY
12/7(日)福岡・スカラエスパシオ
1/12(月・祝)愛知・JAMMIN
1/25(日)沖縄・桜坂セントラル

わーすた(WASUTA)「Sweet Fancy Chu-n」

わーすた(WASUTA)「アレグロめいてるランナップ」

関連動画を観る

Comments are closed.