【Bitter & Sweetインタビュー 1】ニューシングル『だけど会いたい』をリリース 20日はWバースデーライブ開催
二人組ガールズユニット・Bitter & Sweetが11日、1年半ぶりのメジャー3rd シングルシングル『だけど会いたい』をリリース。今回コロナ禍の自粛を経て、実現した念願の新曲リリースへの思い、そして11月20日に同時開催される、二人それぞれのバースデーライブについて語った。
--Bitter & Sweetとしては昨年3月の2ndシングル『遠いところへ行くのでしょう/ラブストーリーは始まらない』発売時のインタビュー以来の登場となりますが、特に今年に入ってからは、ほかのアーティスト同様、活動がままならない時期も経験したのかと思います。
長谷川萌美「2月の終わりのライブのあと、コロナ自粛期間に入りまして、8月になってようやく月1で行っていた定期のイベントライブを再開することができました。お客さんは会場の半分くらい。声を出すのを控えてくださったり、みなさん協力的な方ばかりなので助かりましたが、再開後の一公演目は本当にシーンとしてしまって……。みなさんも反応を返したいけどどう返していいかわからない状態で、最初はぎこちなく、結構つらいところからスタートしました」
--盛り上がっていないわけではないけど、お互いどう反応していいかわからない感じだったんでしょうね。
長谷川「最近になって朗らかに拍手をしてくれたり、クスッと笑い声が混じったり、お互いようやく慣れてきた感じです。それ以前だったら、拍手とともに『おーっ』とかちょっとした呼吸のやりとりがあったんですけど、それが返ってこないと、『あ、今は、以前とは全然違うコロナ状況下でのライブをしているんだな』ということを実感していました。また違うライブのあり方を考えなければいけないなと思っていました」
田﨑あさひ「再開後は、レパートリーも盛り上がり曲というよりしっとりとした、じっくり聴いてもらえるような曲をメインでお届けしています」
--ビタスイの楽曲ではじっくり聴ける曲の割合も多いですから、ロック系やアイドルと比べるとまだ違和感は少ないのかもしれませんね。そして11月11日にリリースされる3rdシングル『だけど会いたい』も『新芽』もじっくりと聴けるナンバーになっています。
長谷川「『だけど会いたい』はKiroroの玉城千春さんに書きおろしていただきました」
田﨑「同じ二人組ユニットということで、ずっとKiroroさんの曲を聴いてきたので本当に嬉しかったです!」
長谷川「Kiroroさんの楽曲をライブでカバーさせていただいたこともありました」
--曲をいただいたときにはどう思いましたか?
田﨑「まずこういう時期に曲をリリースできるのはありがたいことですし、しかも玉城さんに提供してもらえると聞いて、初めて聞いたときには『えっ!』と大きな声を出してしまいました! ずっと大切に歌い続けていきたいです」
長谷川「私も聞いたときにはびっくりしました! 私たちと同じ二人組ユニットの大先輩で、そのメンバーの方から曲をいいただけるというのはすごく意味があることで、プレッシャーもあるんですけど、現在二人組ユニットが少ない中で、玉城さんから曲をいただけるのはチャンスであり、目を引くものになってもらいたいと思います。私たちもこういう時期ですけど、できるだけいろんなところに行って歌って、この曲を知ってもらいたいなと思っています」
--『だけど会いたい』はしっとりした大人のラブソングで、特に真冬に聴くと心にじんわりと染み入るような曲ですね。
田﨑「メッセージがストレートに書かれている歌詞で、心にストンと落ちてきます。そして柔らかいメロディなので、子守唄のような、優しくつつんでくれる曲になっています。また前作は最初から最後までずっと二人でハモっている形だったのですが、今回は一人一人個々の声を立たせて、優しく聴いていただけます」
長谷川「最初に聴いた印象では、シンプルでストレートな楽曲で、私たちも素直にこの曲に向き合ってレコーディングをしました。失恋した悲しい女性の気持ちを表していて、歌詞は普遍的な言葉をチョイスされているので、失恋した方、落ち込んでいる方、不安に思っている方に寄り添うような楽曲になってるんじゃないかなと思います」
--「元気だしなよ!」みたいな強い励ましではなく、側でそっと寄り添ってくれるような……。
長谷川「はい。『だけど会いたい』を今のこのタイミングでリリースすることに意味があるんじゃないかなと思います」
--恋愛に限らず、疲れて落ち込んだ人、何かに不安を感じている人などに寄り添ってくれる曲になっているのかもしれません。もう一曲の『新芽』については……。
田﨑「音楽的にクールめのイメージですね。『だけど会いたい』よりリズミカルで」
長谷川「情熱的な面もあって……」
田﨑「大人の恋愛という感じです」
長谷川「今まで歌ってきた曲には、少女のような恋愛模様の歌が多かったと思うんですけど、少し成長して、大人な失恋ソングになっています。肩の力が抜けたような感じで、でもまた前を向いて自分の道を歩いていこうと、そういうメッセージが込められている2曲になっています」
田﨑「『新芽』は、『だけど会いたい』とはまた違った、ひらひら落ちていくようなメロデイで、聴いた方には病みつきになってもらえるんじゃないかなと思います」
--ちょっと中毒性みたいなものがあるような。歌うにあたって心掛けたことは?
長谷川「2曲とも、小説を読んでいるような気持ちで歌わせていただきました。やっぱり経験はそれぞれの人によって違うと思うので、私だけのイメージを込めすぎるではなく、できるだけフラットな姿勢で歌おうと。幅広い方に自分に当てはめて聴いてもらえると思うので」
--田﨑さんは、恋愛の曲を表現するにあたって、以前に比べてその詞の世界をしっかり理解できるようになりましたか? それとも、まだまだ背伸びしてるなと感じる?
田崎「今回、今までよりはすっと歌詞が入ってきたんですよ。やっぱり年齢を重ねたということもあるんですけど……。私が18歳くらいのときにリリースさせていただいた『月蝕』という大人の失恋の曲があって、その楽曲をいただいたときに本当に難しいという気持ちが強くて、背伸びして歌っているなと当時思っていたんですけど、今回自分でも驚いたんですけど、背伸びしているなという気持ちは全くなくっていました。ちょっと陰があったり、いろんな経験を踏まえている主人公の歌というものにもっと挑戦していきたくなりました」
--それは自分の中でいろんな経験を積み重ねたからかな。実体験にせよ、本などから吸収したことにせよ……。
田﨑「いろんな出会いってあるわけじゃないですか。ラブソングを歌うにあたって、悲しいもの、成就したもの、いろいろありますが、そういうものを全部恋愛として捉えなくてもいいんだという、吹っ切れた気持ちになりました。今までは“ラブソング=恋愛”で、経験していないとわからないものという思いがあったんですけど、これまで自分の生きてきた経験の中で作ることができるストーリーがあるなと思って」
--恋愛に限らず、人生経験が豊富になってくる中で出せるものなのかもしれませんね。そういえば以前、ラブソングだけど大好きなワンちゃんへの思いをイメージして歌っていたことがあると聞きましたが、さらにイメージできるものの幅ができてきたのかも。
田﨑「そうですね。人それぞれ、受け取り方があって、それも嬉しいなと思います。『新芽』という曲もそういうところがあるのではと思います。恋愛して好きになったあの人が……というものに限らず、失うものっていろいろあると思うので、そういうものに重ねて聴いてもらってもいいと思います」
--この新曲のリリースイベントも始まるんですよね。
田﨑「はい。10日から始まります。まだ、これからスケジュールが発表されるものもあり、できるだけみなさんの元に会いにいきたいなと思います」
長谷川「今のタイミングでリリースさせてもらえるということが本当にありがたいことなので、この曲を今歌う意味を考えながら、みなさんの前で歌えたらと思います」
--そして11月20日の田﨑さんの25歳の誕生日には、恒例の田﨑さんのバースデーライブが行われ、さらに今年は長谷川さんのバースデーライブも行われます。
長谷川「はい。私の誕生日は4月2日なのですが、その当日に予定されていたバースデーライブがコロナウィルス感染拡大で延期になり、その3ヶ月後の7月2日に改めて予定をしていたのですが、それも中止になってしまいました」
--そして今回、Wでバースデーライブの実施となったのですね。4月に最初に予定していた内容、セットリストと比べて変わりました?
長谷川「もう全然違います(笑)。まず、もともとミュージシャンの方とも一緒だったのを単独で歌うことになりました」
--やはり盛り上がり系の曲は外して、じっくり聴いてもらう曲がメインで?
長谷川「4月のライブで新曲を4曲用意していたんですけど、それはまた違う形で発表できればと思います」
--変更後はどんな内容に?
「もともと考えていた春のバンド編成とは全く別物の内容で、はじめての、ソロ弾き語りとなります! 今までにない挑戦なのでドキドキしています。もしかしたら今後は状況が良くなり、ソロの弾き語りライブは珍しくなるかもしれません。なので今回は特に自分の満足のいく形でやりたいなと思っています。そしてはじめてお世話になる会場の築地汐留 BLUE MOOD さんは大人なジャズが似合う会場です。私の声で、ギターで、みなさんに聴きいってもらえるような内容で考えたいと思っています」
--一方、田﨑さんは毎回『ひとり紅白歌合戦』などユニークなテーマで行なっていますが、今回は?
田﨑「やはりしっとり聴いていただける曲がメインになります。ステージに立つのは私一人で、今回~me to me~というサブタイトルがついているんですけど、コロナ禍の状況でずっと家にいて、その中でも毎日歌っていたし、寄り添ってくれていた音楽があり、自分と見つめ合う時間が多かったということで、“私からから私へ”、またローマ字読みで“目と目”という意味も込めて、自分とじっくり向き合った…そんなセットリストになっています」
--二人それぞれのバースデーライブ、当日が楽しみですね!
★ビタスイのコロナ自粛 ステイホーム生活を明かした「インタビュー2」へ続く
長谷川萌美ライブ「Bitter & Sweet MOEMI HASEGAWA Birthday Live 2020」、田﨑あさひライブ「Bitter & Sweet ASAHI TASAKI Birthday Live 2020 ~me to me~」はともに11月20日(金)、築地・汐留BLUE MOODで開催。チケットやグッズなどの詳細は公式ホームページ参照。
Bitter & Sweet(ビター・スウィート)
2012年「第2回FOREST AWARD NEW FACEオーディション」でグランプリを受賞し、2013年にソロデビューした田﨑あさひと、2013年開催の第3回の同オーディションでグランプリを受賞した長谷川萌美により2013年に結成。2014年3月、インディーズ1stシングル『Bitter & Sweet/インストール』をリリース。2017年には『幸せになりたい。/写真には残らないシュート』でメジャーデビューした。
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