女優の松井玲奈さん、岡崎紗絵さん、倉島颯良さんが、メインキャストの異母三姉妹役を演じている映画『緑のざわめき』が9月1日に公開。今回、夏都愛未監督の公式インタビューが公開された。
福岡、佐賀を舞台に、3 人の異母姉妹が織りなす物語を描いた『緑のざわめき』。女優を辞め、東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってくる主人公・小山田響子役を松井玲奈さん、響子の異母妹であり、彼女をストーカーする菜穂子役を岡崎紗絵さん、そして同じく響子の異母妹で佐賀の集落に暮らす少女・杏奈役を、オムニバス映画『21 世紀の女の子』でも本作の夏都愛未監督とタッグを組んだ倉島颯良さんが演じる。
★杏奈役 倉島颯良インタビュー「一人で行った撮影現場で演技面はもちろん人間的にも成長」
【夏都愛未監督インタビュー】
--異母姉妹についての映画を撮りたいと思った理由を教えてください。
「女性の連帯を描きたいとすごく思っていて、中上健次など文学に影響されたこともあって三姉妹にしたいと思っていました。『血が半分繋がっているのに、何かの圧で離れ離れになってしまっている人たちがまた一つになる』というのを描きたくて、異母姉妹にしました。私たちはつい血縁に捉われがちですが、血の繋がりを超えて魂の部分で姉妹になる様子も同時に描きたかったんです」
--ご自身の経験を反映している役はありますか?
「私の経験を直接反映している役はないです。特にお茶汲みしろと言われたこともないんですけれど、周りの友達が言われたことを客観的に脚本に落とし込むことで、日常に蔓延っている性的役割分担・差別を淡々と描けると思いました」
--英題の由来は?
「佐賀、伝説のサーガ、性が合わさって展開していく映画なので、英題は“SAGA SAGA”になりました」
--葉脈をキーアイテムにした理由は?
「葉脈の存在は、この脚本の一番の根本にあると思っています。実は最初は三姉妹ではなく、二人の話で、女子会とストーカーの話でした。佐賀で撮るとなって、構想を練って、杏奈が葉脈の栞を持っているというイメージから物語を展開していきました。佐賀の景色を見て、大江健三郎や中上健次の文学が頭に浮かんできて、そこに葉脈という要素が浮かんだ形です」
--松井玲奈さんと岡崎紗絵さんと倉島颯良さんのキャスティング理由を教えてください。
「松井さんは、女優なんですけれど、文学者でもあって、縛られていない面白い人だなと思っていました。いろんなことをやっているのにブレていなくて芯が通っていて、ちょっと寂しげなんですよね。それが響子に合っていると思いました。
岡崎さんは、ドラマとかでよく拝見していて、お芝居・声の使い方が面白いと思っていました。ちょっと陰がある方なんです。そこにすごく惹かれました。
倉島さんは、『21 世紀の女の子』で私の短編に主演していただいたんですが、オーディションで真っ直ぐ前を向いて喋っていて、真面目な人という印象を受けたんです。一生懸命だったから印象に残っていました。明るくて、目も大きいんですけれど、翳りがあって、倉島さんも陰の部分に惹かれてキャスティングさせていただいています」
--クランクイン前にそれぞれにどのような話をしましたか?
「それぞれの誕生日などの生い立ちや性格だとか学歴だとかを書いた履歴書を書いてお渡ししたくらいです。脚本を読んで各々の役について考えてきてくださったので、あまり話はしていないです」
--松井玲奈さんと実際にご一緒していかがでしたか?
「松井さんは、自分のプランはあるけれど、『このときこういう気持ちでいて大丈夫なのか』など確認してくださり、一緒に作っていくという感じがあってすごく嬉しかったです」
--岡崎紗絵さんとはご一緒していかがでしたか?
「菜穂子が響子にお父さんの話を振るときとかも、どういう気持ちで振ればいいのかなど、一つ一つの心の動きを丁寧に考えてくれましたし、すごく脚本を読み込んでいる深い方でした」
--倉島颯良さんとご一緒していかがでしたか?
「『杏奈と私はすごく似ている』と言っていました。半分当て書きだったので、前ご一緒したときよりも役と倉島さんの距離がすごく詰められているように感じました」
--本作の見どころはどこだと思いますか?
「いろんな人がいろんな想いで生きて感情が交差していく構成や、三姉妹それぞれの感情の行方が見どころです」
--読者にメッセージをお願いします。
「佐賀の風景や自然の中で、それぞれの一線を越えようと姉妹たちが一歩踏み出すところを見て欲しいと思います。本作は、女性が連帯していく、横の繋がりを作っていくというのが大きなテーマになっています。世の中、性差によって障壁が生まれがちだから、そういう世の中をみんなで乗り越えていきたいです。この映画が何かそういうアクションのきっかけになったらいいなと思います」
【監督・脚本】夏都愛未 Aimi Natsuto
1991 年 5 月 1 日生まれ、神奈川県出身。
2014 年に『3 泊 4 日、5 時の鐘』(2015/三澤拓哉監督)で女優デビュー。2018 年に山戶結希企画プロデュース作品『21 世紀の女の子』の中の短篇『珊瑚樹』で監督デビュー。⻑編初監督⻑編『浜辺のゲーム』(2019、日本=タイ=マレーシア=韓国)では、監督・脚本・編集を担当し、第 14 回大阪アジアン映画祭コンペティション部門に正式出品された他、ニューヨークジャパンカッツ、カンボジア国際映画祭、アートフィルムフェスティバル(スロバキア)に選出された。2022 年に公開された映画『あなたの微笑み』(リム・カーワイ監督)に出演。
■『緑のざわめき』あらすじ
過去の痴漢被害のトラウマを抱えて生きてきた響子(松井玲奈)は、病を機に女優を辞め、東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってきて、元カレの宗太郎(草川直弥)と再会する。
異母姉の響子と繋がりたいと、彼女をストーカーする菜穂子(岡崎紗絵)は、異母姉妹ということは隠し、響子と知り合いに。
施設に預けられていて、8 年前から佐賀県嬉野で叔母の芙美子(黒沢あすか)と暮らす高校 3 年生の杏奈(倉島颯良)は、自分宛の手紙を勝手に読んだ叔母に不信感を募らせていた。「まずは話してみませんか?」という支援センターの広告を見て、身元もわからない菜穂子からの電話に、悩みを打ち明け始める。同じ頃、杏奈に思いを寄せる透(林裕太)は、杏奈とうまくいくよう、集落の長老・コガ爺(カトウシンスケ)に相談しに行っていた…
就職活動がうまくいかない中、 地元・嬉野に戻り、親友の保奈美(松林うらら)に就職の相談をする響子は、ひょんなことから自分と杏奈が異母姉妹ということを知ってしまう。菜穂子は、宗太郎に恋焦がれる絵里(川添野愛)等いつもの女子会メンバーとの旅先を嬉野に決め……。
映画『緑のざわめき』は9 月 1 日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
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