話題の『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』に出演し注目された女優・坂ノ上茜さん。今月21日にはメインキャストで出演した映画『神回』が公開された。かつてないような、不思議な展開が評判の『神回』について、撮影エピソードや作品への思いを語ってくれた。
--『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』は大きな話題となりましたが、坂ノ上さんにとってはこれが初の舞台だったんですね。
「舞台に立つのは初でしたね。難しかったです、まだ終わっていませんが(笑)(※取材時は大阪公演前)。日々実験していて、“次の公演ではこういうふうに意識してみよう”とか公演の都度いろいろ試せる場になっています。すごく楽しくやれていると思います」
--演じていて自分の中で課題がみつかれば、次の公演で修正していく、みたいな?
「ゲネプロ時と比べると演出が変わっているところもあるんです。(演出家から)ダメ出しをもらって、結構動きが変わったりもしています」
--ヒナタ役を演じるにあたって心掛けたことは? 観劇した人の間では「アスカっぽい」という声もありましたが。
「私はヒナタというキャラクターを生身の人間として表現することを意識して演じることが大事だと思っています」
--今回の経験を踏まえて、また舞台をやってみたいと思いますか?
「はい。またやりたいです! 最初はお客さまの前で自分がお芝居できるのかなと不安もあったんですが、いざやってみると意外と緊張することなく楽しんで演じることができていて。それは嬉しい発見だったので『またやりたいな』と思っています」
--エヴァでは中学生役ということで制服衣装姿も披露していました。昨年公開の主演映画『愛ちゃん物語』のときには学生役、制服姿で「ちょっとヤバい(笑)」と話していましたが、今回の『神回』もまた学生役で制服。制服づいていますね(笑)。
「『愛ちゃん物語』が4年前の撮影で、『神回』が1年前の撮影だったんですが、20代前半で撮っていた『愛ちゃん』と、20代後半に入って演じた高校生は感覚的にも違ったので、『神回』は正直ものすごく心配でした。今このタイミングで舞台で14歳の役をやっていて、さらに年齢が下がったので、もうその心配もよくわからなくなってきました(笑)」
--14歳を演じてしまうと、微妙な年齢ギャップはもはや気にしなくなる(笑)。
「舞台だからできることではあるんですけど……。制服を着る抵抗がなくなった……とはいえないですが、前ほどではなくなりました(笑)」
--『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』は作りこまれた世界観の中で学生を演じていたのに対し、『神回』はナチュラルな学生役ですよね。今回の作品、坂ノ上さんが演じる恵那は17歳。文化祭実行委員となり、同じく実行委員となった樹(青木柚)と教室で打ち合わせをするシチュエーションでお芝居が展開されます。13時になり打合せを始めますが、しばらくすると、また13時に戻ってしまうことに樹だけが気付いて、それが何度も何度も繰り返す……という不思議な物語。恵那はほぼこの夏休みの教室でのお芝居ですよね。
「そうですね。ずっと教室にいました」
--こういう密室劇的な作品の経験はあまりなかったような。
「たしかにあまりなかったですね。今回ちょっとだけ外に出るシーンがあるんですが、その撮影が嬉しかったです」
--この不思議なストーリー、初めて台本を読んだときの印象は?
「とにかくドキドキしました。本当に1回目が大事な作品だなと思います」
--内容的にメインキャスト二人と監督とで、どう演じるか話し込んだのでは、と想像します。
「実は撮影前に、キャスト選考を兼ねたワークショップが行われたんです。そこに私も参加させてもらって、『神回』の台本をもとにワークショップをしていて。それを通して内容を掴んでいたので、現場で作りこんだことももちろんですが、その前のワークショップの過程がすごく大きかったなと思います」
--ワークショップの段階ですべてシナリオが決まっていたんですか?
「決定稿ではなかったんですが、ワークショップの段階での脚本は全部把握していました。私が恵那役をやりたいなと思いましたが、そのときはまだ役が決まっていなかったので、ワークショップでは樹くん側の役もやったりしました」
--樹の役をやってみて……。
「大変だなと思いました(笑)」
--13時から打ち合わせを始めて5分経ったらまた時間が戻る……その状況に樹は次第に混乱していきますが、対する恵那は毎回一からの状態で樹と接するわけで、何度も繰り返す同じシチュエーションでその都度樹に対して新鮮なリアクションをしていくのが大変だったのでは、と思います。
「難しかったですね。台本を読んでいて『柚くん大変だろうな』と。私は柚くんの芝居を受けるだけだ……と思っていたんですが、柚くんの芝居あっての私のリアクションになるから、柚くんの負担が大きいだろうなと思っていたんです。けど実際やってみると、私も難しいことがいっぱいあって。たとえば樹が校舎から飛び降りるシーンが何回か続くところがあって、その都度毎回新しいリアクションを演じるので、もう何が正しいのかわからなくなってしまって。何パターンも撮らなければならないけど、私が混乱しているわけにもいかないから、一回リセットされたら、今までされたことを忘れないといけない。『忘れて、忘れて……』という作業は思ったよりも負荷がかかるものなんだなとわかって、結構大変でした」
--よく演技レッスンで、「自分が一方的に演じるのでなく、相手の芝居を“受けて”どう芝居を返すかが肝心」ということで、その練習をやることもあると思いますが、そのレッスンの“千本ノック”を実戦の場でやってる感じですね(笑)。ときには意外な芝居で来られて驚かされたということも?
「そこまで驚かされるようなことはありませんでした。柚くんがまじめな性格なので、丁寧にこちらに芝居を提示してくれる。『本番では強めの芝居でいくから気をつけてね』とか私に気を遣ってくれたりして、すごく丁寧な方でした」
--話が進むごとに樹は混乱していくから、恵那目線で見ると、突然不思議なことを言ったり、突然怒り出したり、ちょっとわけわからない感覚になります。
「二人で会話しているのに噛み合わなさすぎて、『会話してないみたいだね』『気持ち悪いね(笑)』と二人で話していました。“タイムループしている人”(=樹)と“それに気づいてない人”(=恵那)の二人の会話だから、キャッチボールが一切ない。『なんか寂しいよね』と。どうしたら、この二人は会話のキャッチボールができるようになるんだろう……って。ずっと同じ場所にいたこともあって、本当に変な撮影現場でした(爆笑)」
--演技面以外で撮影で大変だったことは?
「撮影場所が廃校だったんですが、とにかく暑い、水が出ない、冷房がない、トイレも外に行かなければない、という状態で、整った環境のありがたみを改めて感じました(笑)。でも緑が豊かな場所だったのでそれはよかったです」
--二人のシーンは状況的に不思議でありながら、風景的には爽やかな感じですよね。
「シーンの爽やかさとは裏腹にハードでした(笑)。でもそういうのを含めて楽しかったので、『思い出に残るね』と柚くんと話していました」
--青木柚さんとは今回が初共演?
「初共演です」
--坂ノ上さんのほうが年上ですよね。
「はい、柚くんが5歳下です。2001年生まれと聞いて、『つい最近じゃん!』と思いました(笑)。撮影合間には『このドラマ知ってる?』『ごくせんは第〇シリーズから見た? 3? 2を知らないの?』とか、“初めて好きになったアイドル”でモー娘。世代かAKB48世代か、とか、世代トークで盛り上がっていました」
--5歳差ってデカい?
「デカいです!(笑) でも話していて面白かった。同い年の役ということもあって、同じ目線で話せるような方でよかったです」
--お姉さんと弟みたいな感じ?
「同い年ですね(笑)。『この撮影が終わったら焼肉行こうね』とか言いながら頑張りました」
--この作品を経験して学べたことや吸収できたことって?
「柚くんのお芝居はやっぱり見ていてすごく勉強になりました。役との向き合い方とか撮影前の振る舞い方とか。“いつもこうやって撮影してるんだ”と、ずっと柚くんと一緒だったからこそ、その姿をしっかりと見ることができました。あとはなんでしょう……“忍耐”ですかね(笑)」
--今回、“タイムループ”して混乱している相手に、その都度一からのリアクションで返していくという、坂ノ上さんにとっては経験がなかったような不思議な芝居でした。一つ前に演じたシチュエーションにどこか引きずられてしまう部分もあったのかも。
「自分では引きずられないように演じましたが、うまく表現できているか不安だったので、監督に何度も確認しながら、客観的に見てくれる人の意見を参考にしながら演じていました。樹の場合は、感情の流れが樹の主観で進んでいくので、監督も細かく説明されていたんですが、恵那は基本芝居が変わらないからこそ、自分から聞きに行くことも多かったですね。監督に『大丈夫ですか?』と聞きに行くと、どっしり構えて『大丈夫』と言ってくださるので、それを信じて演じました」
--そして、この「13時から5分経ったらまた元に戻る」不思議な“タイムループ”の正体、実は……と、あっと驚かされる展開、結末へと向かっていきます。恵那はそのメビウスの輪のような状態から抜け出せるのか、いや実は……という。
「一回観たら抜け出せない感じがこの映画にはあると思っています。タイムループを扱った作品はよくあると思うんですが、今回は5分に1回タイムリープしますし、結末もこれまで見たことがない感じで……。結末をわかった上で映画を観る友達がいるんですが、初見だと『うわーっ』という衝撃や感動が得られるのにもったいないなと思っていたところに、この作品と出会って。この作品は一切内容を調べたりせず観てほしいなと思います。樹と一緒に、“なんだ!なんだ!!なんだ!!!”と驚いてくれたら嬉しいな。初見ならではのドキドキを楽しみに観に来てほしいです!」
坂ノ上茜(さかのうえ・あかね)
1995年12月5日生まれ、熊本県出身。2015年にドラマ『ウルトラマンX』で女優デビュー。以降、ドラマ『チア☆ダン』(TBS/2018年)、ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系/2019年)などに出演する一方、『王様のブランチ』(TBS系/2021年3月に卒業)、『町中華で飲ろうぜ』(BS-TBS ※レギュラー出演中)など情報&バラエティ番組でも活躍。近年では映画『愛ちゃん物語』(2022年、※主演)、映画『BAD CITY』(2023年)、『ぬけろ、メビウス!!』(2022年、※主演)、『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』などに出演。
映画『神回』は7月21日、新宿シネマカリテほかで上演。
17歳の夏休み、文化祭の実行委員となった樹(青木紬)と恵那(坂ノ上茜)は、教室で待ち合わせていた。13時になり打合せを始めることに。しかし、しばらくすると、13時に戻ってしまうことに樹だけが気付く。タイムループに陥った樹はなんとかその状況から抜け出そうともがくが、なかなか脱出することができない。数えきれないほど同じ時間を繰り返していくうちに樹の精神は混乱を極め、物語はあらぬ方向へと……。
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