【倉島颯良インタビュー】映画『緑のざわめき』にメインの三姉妹役で出演 一人で行った撮影現場で演技面はもちろん人間的にも成長
「さくら学院」の元メンバーで、現在は女優として活動する倉島颯良さんが、9月1日に公開の映画『緑のざわめき』に出演している。自身のキャリアの中でも特に大きな存在となったという本作の撮影エピソード、そして女優をはじめたきっかけについても語ってくれた。
福岡、佐賀を舞台に3人の異母姉妹が織りなす物語。倉島さんはその末の妹で、進学を控えた高校生・杏奈役を演じている。杏奈にはある出世の秘密があり、幼少期は施設で育ち、高校生になった現在は叔母と二人暮らし。姉たちの存在は知らなかった。やがて自らの意思で進路を切り拓いていく過程で、やはりそれぞれの過去に秘密がある二人の異母姉と繋がっていく。異母姉は、松井玲奈さん、岡崎紗絵さんが演じ、一緒に暮らす叔母は黒沢あすかさんが演じている。
--今回杏奈役を演じるにあたってどんな印象を持ちましたか?
「難しい役どころだなという思いがすごくあって……。初めて台本をいただいたときもそう感じたんですけど、読み合わせでは、すごく表面的になってしまっているなと感じたというか、私がもっともっと杏奈に近づいていかないといけないなとすごく焦りを感じるくらい、すごく難しい役どころだなと思いました。生い立ちもそうですし、作品自体三姉妹一人一人の過去を丁寧に描いていて、すごく高度な作品だなと思い、より身が引き締まりました」
--倉島さんのキャリアの中でも、より繊細で考えることが多い役柄だったんじゃないかなと思います。
「そうですね」
--杏奈はご自身の境遇とほぼ重ならないですよね。
「そうですね。私自身一人っ子ですし、生い立ちや境遇ということでは全く違うのですが、性格的には杏奈と似ている部分が多くて、監督から杏奈の資料をいただいたときも、“あ、わかるな”と共感できる部分はありました」
--それは、たとえばどんな点で?
「私は人に気持ちを打ち明けるのがあんまり得意じゃないというところがあって……。ただ、杏奈が自分の中で本当に嫌だと思うことが作品の中であって、一緒に住んでいる叔母さんに感情を露わにする場面があるんですけど、もし私もおんなじことをされたらこういうふうに言うだろうなとか、その感情の変化の緩急というか、そういうことに関しては私も杏奈と同じようになるかもしれない、という場面がいくつかあったと思います」
--普段の生活の中では、人に自分の気持ちを打ち明けるほうではない?
「もちろん仕事では言うべきことは言わないといけないですけど、プライベートだとわりと我慢してしまうときもあったりするので、そういうところは似てるなと思います」
--“あれっ、ちょっと腑に落ちないな”と思っても、その都度口にしたりしない?
「そうですね。自分の気持ちを説明するより、怒ったり、泣いちゃったりとかする感じがちょっと似ているかもしれません」
--撮影はいつ頃行われたのですか?
「昨年の5月の中旬から2週間ないくらいの期間で、主に佐賀で撮影して、たまに福岡にも行きました」
--作品の舞台通りに。九州というのはこれまで縁は?
「福岡には小学生のときに仕事で行ったことはあったんですけど、佐賀は初めてでした。噂に聞いていた通りに自然が豊かでしたね」
--特に共演シーンが多かったのは松井さんや黒沢さん?
「そうですね。でも岡崎さんも、直接一緒に出ているシーンはあまりなかったんですけど、撮影の合間に福岡で一緒にラーメン食べに行ったりだとか、仲良くしていただきました」
--杏奈がまだ見ぬ姉・菜穂子(岡崎)に電話で悩みを語るシーンがあります。その時点ではまだ姉であるとも知りませんが、そんな見ず知らずの相手に気持ちを話すという気持ちに共感はできますか?
「そこはすごく難しいなと思いました」
--普通はちょっと警戒する。
「ただ私も自分の悩みを親しい人じゃなくて、あえて関係が薄い人に話すことがあって……。“もう会わないから喋ってもいいかな”と。そういうことがあるので、電話のシーン自体は共感するのが難しかったんですけど、悩みを吐露するということでは、そこは意外と自分もそうかもと思ったところでした」
--今作はこれまでの作品の中で特に成長できた作品?
「もちろん今までの作品でも同じように頑張ってきましたが、やっぱりこの作品に関しては大きな役をいただいたということもありますし、錚々たるみなさんの中でお芝居をさせていただいて、もちろん自分の演技面で成長させてもらえた部分もそうだと思うんですけど、松井さんや岡崎さんの現場での居方とかお芝居に向き合う姿がすごく刺激になりました。ちょうど私、事務所を離れることが決まった時期に撮影をしたので……」
--今の事務所に入るまでの間に撮影があったんですね。現場にはマネージャーさんがいない状態で。
「そうなんです、現場に一人で行って。そういう環境だからこそ、スタッフさんともかなりコミュニケーションをとって、本当に励ましていただいたりとか、人生観みたいなことも聞かせていただいたり……。ずっと一緒にいたので、いろいろためになるお話をしていただきました」
--キャリアの谷間のタイミングで、自分の女優人生、これからどうすべきか……みたいなことも?
「自分から悩みを話したというよりは、私も20歳になったばかりだったのかな、みなさんが私にいろんな話をしてくださって、そこから人生勉強をさせていただいたという感じです」
--気軽に頼れる人がいないから、それまでの作品以上に、スタッフさんたちの懐に飛び込んでいかなければならないという状況も大きかった?
「自分が心を許せる人がそばにいてくれるありがたさもありますけど、離れたからわかることも多かった時期に、撮影に入った作品でした」
--倉島さんはもともと演技を一番にやりたかった人だったんですか?
「そもそもこのお仕事をしたくて芸能界に入ったわけではなかったんですが、アイドル活動を卒業してから特にそう思うようになりました」
--さくら学院では“将来は演技を中心にやりたい”という人も?
「いますね。でも、私としては無我夢中の3年間だったので、自分の進路についてゆっくり考えるということはあんまりなくって。この道以外にもきっとできることはいっぱいあるんだろうなと思っていたんですけど……」
--芸能界以外のことも含めて?
「そうです。この先芸能界以外のお仕事に就くことも選択肢として考えていたんですけど……」
--そして、さくら学院を卒業するころに……、
「はい、歌とダンスは3年間かけていろいろやってきて、『この先どうしようかな』と考えていた時期に、お芝居のレッスンを受けていて“楽しいな”と思えて、でも自分にできない部分もすごく多くって、そこにチャレンジしてみたいなと思ったのが一つと、自分が好きな作品を観たり、家族が好きなドラマを観て『おもしろい』と言っている姿を見て、“自分もこれを仕事にできたらな”と思ったのが、今思い返せばきっかけだったなと思います」
--当時のレッスンを受けていた仲間とは今でも接点はありますか?
「そうですね、一緒に演技レッスンを受けていた黒澤美澪奈とはプライベートでも会いますし、今度一緒に舞台(音楽演劇「じゃ歌うね、誕生日だしウチら」8/16~8/20)もやります」
--それは二人の共演ありきで?
「ありき……というか、でも私と黒澤が一緒に舞台に出演することで喜んでくださる方というのはいっぱいいらっしゃると思うので、そこは意識しているかなとは思いますね」
--ほかにも、同じ時期に活動していた新谷ゆづみさんや@onefiveなど、現在も活躍している姿を見るとやはり刺激を受けますか?
「すごく刺激になっています! お芝居をしている子たちに限らず、@onefiveも路線は違いますけど、やっぱり一緒に活動していたメンバーたちが今頑張っているのを観ると、自分も頑張ろう!と本当に刺激になります」
--最後に改めて『緑のざわめき』の見どころを。
「一番最後のシーンが印象的で、それまで3人で揃っているシーンってないんですけど、最後に初めて3人が揃います。そのシーンでは監督と何回も話して何回も撮って、自分たちでも“ここはこうじゃないか”などと話し合いながら撮ったので、私も改めて“ああ、このシーンのために今までがあったんだな”と思えたシーンで、すごく見どころだと思います。杏奈の見どころとしては、叔母さんと喧嘩をして家を飛び出すシーン。そこはすごく思い入れがあって、もともとあったセリフから変わった部分が多く、それは自分の中で“やっぱりこうなんじゃないか”という部分を監督と何回も話しながら撮ったシーンだったので、そこは注目してほしいと思います!」
〈プロフィール〉
倉島颯良(くらしま さら)
2002年2月24日生まれ、茨城県出身。2014年「さくら学院」に加入。その後6代目“生徒会長”に就任し2017年まで活動。卒業後は女優活動中心に。これまでドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系/2017年)、オムニバス映画『21世紀の女の子/珊瑚樹』(2019年、※主演)、『DEAD OR ZOMBIE ゾンビが発生しようとも、ボクたちは自己評価を変えない』(2022年、※主演)などに出演している。
映画『緑のざわめき』は9月1日、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
ヘアメイク:ビューティ★佐口(OFFICE BEAUTY) スタイリスト:倉島千佳 衣装:ワンピース/LAYMEE、パンプス/CHARLES & KEITH、アクセサリー/スタイリスト私物
(c)Saga Saga Film Partners
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