渡邉美穂「“引くお芝居”ってこんなに難しいんだなと…」佐藤新らと映画『青春ゲシュタルト崩壊』の舞台裏を語る

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日向坂46の元メンバーで女優の渡邉美穂が13日、TOHOシネマズ新宿で開催された映画『青春ゲシュタルト崩壊』の初日舞台挨拶に登壇した。W主演を務めるIMP.の佐藤新をはじめ、新井美羽、藤本洸大、河村ここあとフレッシュなキャストが集結し、公開初日を迎えた喜びや撮影の裏話を語った。

本作は、丸井とまと原作の同名小説を映画化。高校生の間宮朝葉(渡邉)が、ある日突然、自分の顔を認識できなくなる“青年期失顔症”を発症し、周囲に知られることを恐れながら一人で悩む姿を描く。そんな朝葉の異変に気づいた同級生の朝比奈聖(佐藤)が「今までと変えなくていいの?」と問いかけ、彼女を支える。聖に影響を受けながら、朝葉は自分自身と向き合い、やりたいことや好きなことを見つめ直していく。一方、聖もまた、朝葉との時間を通じて自身が抱える問題に向き合っていく。共演の新井、藤本、河村は、それぞれ朝葉や聖の周囲の友人や妹役として、物語に深みを与えている。

渡邉さんは初日を迎えた心境について、「完成披露試写会の時は私もすごい緊張してドキドキしたんですけど、今日はまだ実感が湧かないのか、比較的落ち着いている。でも、ようやく自分たちが皆さんと一緒に作り上げたものがお届けできて、本当に嬉しい」と笑顔で語った。

佐藤さんも「完成披露試写会の時にもうドキドキすぎて、これは初日にどうなるんだろうって思ってたんですけど、いざ初日を迎えると嬉しい100パーセントですね。本当に幸せな気持ちでいっぱいです」と、言葉を噛みながらも率直な喜びを表現した。

役作りについて、渡邉さんは自身が演じた朝葉について、「思ったことがあっても飲み込んだり、素直に意見が言えなかったり、人から頼られた時に断れない性格の子。私が今まで演じた役は、比較的ハツラツとしたタイプが多かったんで、初めてと言うぐらい、“引くお芝居”をやってみて、こんなに難しいんだって思った、すごく勉強になりました」と振り返った。

佐藤さんは朝比奈聖役について、「朝葉に対する思いや祈(藤本)に対する想いはもちろんなんですけど、自分の意見をしっかり持ってる、芯が強いけど、人間関係に対しては繊細で、悩んで落ち込んじゃうところとか、学生時代の自分とすごく似てて。自分の気持ちと照らし合わせながら演じました」と語った。制服を着ることで「いろんなものを思い出したりして、グッと入りますね」と当時を懐かしんだ。

また、藤本さんとの共演では「学生時代どんな人だったの?とか、どんなスポーツやってた?休みの日何してんの?とか、僕が質問攻めして、めっちゃ仲良くなりました」と、積極的にコミュニケーションを取ったエピソードを披露。藤本さんも「めっちゃ質問してくださったんで」と笑顔で応じ、二人の友情が垣間見えた。

新井さんは、自身が演じた中条月加について、「私も妹がいるので、現場にも妹がいるみたいな感じで楽しくお話してました。高校生の役で、年も同じだったので、大きな役作りは特にしてなかったんですけど、好きかの気持ちの動きとか、悩んでるんだけど人になかなか言えなくて、人前では明るくしちゃったりっていう経験はあったので、割と入りやすかったです」と共感を込めて語った。

月加の妹・光を演じた河村さんは、「光は不器用で、妹らしくて、お姉ちゃんが優しく受け入れてくれるからこそ、ちょっと言いすぎちゃったり、思ってもないこと言っちゃったりするんですけど、お姉ちゃんに対してそういう人多いかなって。劇中では距離が空いてる感じなんですけど、休憩時間はずっとお姉ちゃんと話して仲良くなりました」と振り返り、渡邉も「移動の車でも隣同士で一緒にお菓子食べてて、ほんとの姉妹みたいで素敵でした」と微笑ましいエピソードを補足した。

藤本さんは、自身が演じた祈役について、「祈くんは年齢も近くて、僕も13年ぐらいサッカーを打ち込んできたので、祈が水泳に打ち込んでる部分は自分と重なった。役作りというより、聖との関係性に重きを置きました。シーンに至るまでの心情は、佐藤さんや監督と話して挑みました」と語り、佐藤も「お互いの気持ちを認識し合う時間がありました」と、役への深い対話を重ねたことを明かした。

撮影中の印象的なエピソードでは、佐藤さんが「新井さんと藤本くんで、都市伝説や陰謀論みたいな話でめちゃくちゃ盛り上がってた記憶あります」と明かすと、渡邉さんが「え、何それ? 混ぜてよ。楽しそう」と羨ましがる一幕も。渡邉さんは当時を思い出して、「4人ずつ座れる椅子が2個あって、片方に4人で座って、私だけもう一つの席で一人ぼっち。盛り上がりすぎて水をさすのもなと思って、外から見守ってました」と笑いながら振り返った。

また、渡邉さんと佐藤さんは「二人でバスケするシーンがあって、ちょっと練習させてもらって楽しかったです」と回想。バスケの経験がある渡邉さんは、佐藤さんの腕前について「本番に強い。一発でシュートを決めるんですよ。さすがスターだと思いました」と称賛した。

“ゲシュタルト崩壊”するほどハマったものコーナーでは、河村さんが「小学生のときに石が好きで、リビングのテーブルに泥がついたような石やコンクリートの欠片を置いてた。貯めてたら親に処分されてました」とユニークなエピソードを披露。

佐藤さんは「キッチン周りの汚れが取れなくて悩んでたけど、プロ用の洗剤でピッカピカになって、早く汚れないかなってぐらいハマっちゃって」と意外な一面を見せた。

新井さんは「週5、6でポテトフライを食べてて、1日2回食べる日もある。明日世界が絶滅したら後悔すると思って」と熱弁し、渡邉さんが「(太らなくて)羨ましい」と反応。

渡邉さん自身は「ガチャガチャにハマっていて、駅で見つけたらつい回しちゃう。家に大量に溢れてるけど、友達や家族に配ったり、カバンにつけたりして楽しんでます」と語り、客席は共感してうなずく様子が見られた。

藤本さんは「飽き性なんですけど、幼少期はずっとおままごと。レゴで恋愛劇とかしてました」と明かし、佐藤が「最近の話かと思った」と驚くなど、和気あいあいとした雰囲気が続いた。

最後に、渡邉さんは「この作品は高校生たちの悩みを描いたお話ですけど、若い世代はもちろん、大人の方やお子さんがいらっしゃる方にも刺さるお話だと思います。少しでも前向きに自分らしく生きていけるヒントを得てもらえたら嬉しいです」とメッセージ。

佐藤さんも「朝葉が抱える悩みは誰もが持つもの。どんな選択をしても、それは逃げではなく、自分らしく素晴らしいこと。自分を楽観的に見て愛するきっかけになる作品です」と締めくくり、会場は温かい拍手に包まれていた。

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