兒玉遥、この秋『空のない世界から』『渚に咲く花』、2本の映画で主演「役にギャップがあるので 振り幅を見ていただければ」

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元HKT48で女優の兒玉遥さんが、この秋『渚に咲く花』(11日公開)、そして『空のない世界から』(公開中)と2本の映画に主演、女優として躍進している。

『渚に咲く花』は、とある海辺の町で育った渚(兒玉遥)が、会社をサボってあてもなく海にやって来た彩花(金子さやか)と偶然出会ったことをきっかけに物語が始まる。次第に意気投合した二人は一緒に居酒屋を始めることに……。そんな二人の絆を美しい風景の中で描いている。

兒玉さん演じる渚は天真爛漫で、自然に周りを巻き込んでいくような勢いのある女性。演じていて「元気で明るい役でやりやすかったです。みなさんがイメージしてくれる“はるっぴ”に近いキャラクターで……」と語る。だけど「素の兒玉遥とはちょっと違う」とも。グループ時代も、自分がぐいぐいと引っ張っていったり、渚のように勢いで周りを巻き込んでいくタイプではなかったという。

撮影は昨年の12月、千葉県のいすみの海岸で行われた。冬の海での撮影はとにかく寒かったというが、「控室にいると波の音が聞こえるような場所で、すごく心地よかったです」と振り返る。「この作品のロケーションが素晴らしい! 海の美しさに注目してもらいたいです」と力説する兒玉さん。人と人の関わりが見どころである作品でありながらも、全編を通しての、おだやかな海を舞台にした物語が持つ空気感も素敵な作品となっている。

一方現在公開中の『空のない世界から』は、日本がまだ世界各国に比べ支援が足りていない、そして支援があっても上手く浸透していない“シングルマザー”の現状を、より身近に感じて欲しいという願いを込めて生まれた。兒玉さんは、シングルマザーとして懸命に生きながら、“無戸籍”である子どもに負い目を抱えながら葛藤していく姿を体当たりで演じている。「社会的に立場が弱く、自分に自信もないし引け目を感じながら、娘のことは第一に考えないといけないし、苦しい状況にいる女性です」と、自身が演じた麻衣香について語る。

初めてのシングルマザー役を演じたことについては、「自分にできるかどうか不安がありましたけど、周りの俳優さんや監督の支えもあって無事に撮影できました」と振り返った。

麻衣香は、暴力をふるう旦那から逃げ出してたどり着いたラブホテルで、住み込みで働きながら娘を育てる。小学校に通う年齢になっても、戸籍を取得しておらず、麻衣香は娘にどうしてあげたらいいのかわからない。難しい役どころで、撮影中演じるにあたり壁にぶつかることはなかったのだろうか?「不安は本番までに解消して撮影に臨めたので。監督の小澤和義さんが何度もディスカッションしてくださって、わからないことがあればしっかりと聞いてから本番を迎えたので、撮影に入ってから悩んだり迷ったりすることはありませんでした」という。

作品を撮り終え「今回母親という役のレパートリーも増えましたが、これからもいろんな役柄にチャレンジして役柄の幅を広げていきたいなと思いました」と意欲を見せた。

その意味では、今月発売の写真集『Stay 25』では、これまで見せたことのないセクシーな姿にもチャレンジしているのが話題となっているが、それは今後役としても、大胆な表現に挑戦することも選択肢に入ってくる布石となるのだろうか。

それについては「写真集と役は違います。写真集は今の私の姿を残したかったので、“ありのままの兒玉遥を見てほしい”という思いで作りました」ときっぱり。「大胆な役もオファーが来たらやりますよ」といいつつ、写真集で大胆な姿を見せたこととは全くつながらないという。

今回2本の作品が公開されるが「それぞれの作品ですごく役のギャップがあるので、振り幅を見ていただければと思います。『空のない世界から』が“陰”だとしたら、『渚に咲く花』は“陽”、そのコントラストが面白いなと自分では思っていて、ぜひどっちも観てもらえたら嬉しいです」と語りかけた。

一方、YouTubeにも意欲的に取り組んでいる。最近ではHKT48時代の同僚・森保まどかさんらとサウナを楽しむ姿など、こちらでは女優としての顔とはひと違う、素に近い彼女の魅力が見られる。相変わらず編集作業などスタッフの手を借りず、自ら手掛けているそう。

「楽しくやらせてもらっています。ものづくりが好きなんです、昔から。思い返してもスポーツより芸術が好きでした。お芝居したり、ステージの上に立つこともそうだし。絵を描くのも音楽も裁縫も……多分一からものを作るのが向いているのだと思います。コツコツ作り上げていくことが……」と。今の“主戦場”である演技においても「役柄をイメージしたり、役を作り上げていく過程が好きですね」と微笑む。

今回公開された2作をはじめ、今年発表された作品はいずれも昨年に撮影されたものだが、今年を振り返ると……。「ドラマの撮影が多かったですね。映画もいくつか撮影したんですけど」とのことで、特に映画については、今後情報が解禁されていくという。女優・兒玉遥の好調ぶりは2023年も引き続き見られそうだ。

最後に今後やってみたい役や挑戦してみたいことを問うと……。「なんでもやってみたいですけど、特にアクションをやってみたい! 体を動かす役が好きなんです」という彼女。具体的には「警察に潜り込むスパイ役とか。女性が戦う姿って美しい、かっこいいなと思っていて。挑戦できたらいいな、ボディコンのスーツとか着て。『ルパン三世』の実写版で黒木メイサさんが峰不二子役をやっているんですけど、あれ、めっちゃかっこよくて! ああいう役もやってみたいですね」と目を輝かせた。

兒玉遥(こだま・はるか)1996年9月19日生まれ、福岡県出身。2011年、HKT48 1期メンバーとしてデビュー。以降センターポジションを務めるなど中心メンバーとして活躍。2019年にグループから卒業し、本格的に女優活動を開始。2022年は上記作品のほか、映画『徒桜』(ヒロイン役)、映画『ウラギリ』も含め4本の映画に出演している。

映画『空のない世界から』はシネ・リーブル池袋などで全国順次公開中。
映画『渚に咲く花』は11月11日より池袋シネマ・ロサなどで全国順次公開。

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