【工藤綾乃インタビュー 2】ドラマ『インベスターZ』に出演中 中国人役の役作りのために人生初のアルバイトを経験

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工藤綾乃
工藤綾乃

放送中のドラマ『インベスターZ』(テレビ東京系/金曜深夜24時52分~)にレギュラー出演している女優の工藤綾乃さん。『インベスターZ』は投資をテーマにしながらも、身近なお金に関する疑問から結婚や就職の意味までを描き出し、楽しみながら有益な情報が得られる作品だ。

舞台は「道塾学園」という全国屈指の進学校。しかしこの学園はなぜか、入学金、授業料が無料。それは裏で学年トップの生徒たちが投資で金儲けし、そこで得た利益が学園の運営資金になっているからなのだ。そんな物語の中で工藤さんは、 道塾学園の生徒で中国からの留学生・リン・コウメイを演じている。リンは天真爛漫で、ちょっと“天然”さんな女の子。今回のインタビューでは、はじめてのアルバイト体験のほか、デビューのきっかけ話も聞いた。

ドラマの内容や役柄について語ったインタビューPart.1

--前作の連続ドラマ『新宿セブン』のキャバクラ嬢役もそうですが、最近とても弾けた役だったり、変化球的な役柄が多いような。

「最初からそうなのかもしれない、私(笑)。デビュー映画の『怪談レストラン』(2010年)のときは正統派の役だったんですけど、『鈴木先生』(2011年)くらいからそういう役が多かったのかもしれません」

--ちょっと変わった役は楽しい?

「楽しいですね。そういう芝居のほうがやりやすくて、普通の役のほうが難しい。みなさんそういうかもしれませんが。極端な役のほうが考えやすいので。リンちゃん役もそうなんですけど」

--今回は細かい表情のニュアンスを出すというよりは、わかりやすい芝居です。

「そうですね、感情を言葉に込める前に、まず中国人の日本語の喋り方というかリズム感を勉強しなければというのがあって」

--そのために撮影に入る前に中国料理店でアルバイトをしたとか。

「はい。今回は特別にやらせていただきました」

--それは、たとえばホステス役をやる人が事前にお店の見学をさせてもらうような感じではなく、ガチのバイト?

「はい、ガチのアルバイトです。皿洗いをさせてもらったり、フロアで注文をとったり。私以外全員が中国人という職場でした。中国語なまりの日本語を話す人ばかりだったから、もう“ネイティブ片言”みたいな」

--その甲斐もあって、ドラマでの工藤さんの“中国人が喋る片言日本語”感がとってもリアルですよね! アルバイトは今回が全くの初めて?

「はい。とてもいい経験になりました。失敗もありましたよ。一人前の注文なのに20人分取ったり。絶対悪口を言われてた(笑)」

--「ったく、あいつ何やってんだよ」みたいな(笑)。

「でもめっちゃいい人たちでした」

--バイト初体験の感想は?

「お金を稼ぐのって大変だなと改めて思いました」

--もし事務所の許可をもらえるとしたら、他のアルバイトもやってみたい?

「そうですね、いろんなところで。今のお仕事は自分が好きでやっているし、楽しんでやっていて、気づいたらそれがお金になっている感じですが、バイトって1時間いくらって決められているじゃないですか。普通の学生なら、最初に経験するのはまずそっちで、そういう感覚を知ることも大事だなと思って勉強になりました」

--もし次に働くとしたら?

「うーん。そうだ!洋服屋さんで働きたいです!」

--でも工藤さん、以前のインタビューで、洋服にそこまで興味ないって言ってなかったっけ?

「そうだったんですけど、最近少し興味を持つようになりました。洋服屋さんで働いたら、絶対に服をちゃんとしなければいけないじゃないですか。コーディネートを学べたりするし」

--自分が成長できるということで。

「そうそう」

--以前は一人のときはジャージでいるという話でしたが。

「この1年くらいでファッションはちゃんとやるようになりました」

--大きなお出かけがない日でも? ジャージではなく。

「はい、ジーパンをはくようになりました」

--ジャージからジーパンだけでも成長だ。

「そう、ジャージは好きなんですけど。22歳なのでちゃんとしようと思って」

--どこで誰に見られているかわかりませんから。

「そういえばこの間、電車に乗っていたところを見られていたみたいで、インスタグラムのコメントで『◯◯電車に乗ってましたよね。キレイでした』と言われて。嬉しかったんですけど、私電車の中では口を開けて寝てしまいがちなので気をつけないと、と思いました」

--うーん、それは女優さんとしてはちょっと(笑)。

「昼間の電車って好きで、揺られていると気持ちよくなってくるんですよ(笑)」

--そんな工藤さんですが、2010年に「全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリとモデル部門賞をW受賞して、早いもので、来年10周年イヤーを迎えます。

「10周年ってなんかすごいですね! 10年やってるっていう感覚があまりないです」

--他のタレントさんに比べて、地元にいる期間が長かったのもあるのかも(高校卒業まで地元・宮崎に在住)。

「だから全然まだ初心者みたいな感じです」

--いい意味でデビュー時から変わっていない新鮮さがあります。そもそもこの世界を志したのは?

「小学6年生の夏から興味を持ち始めたんです。地元の宮崎でライブイベントの『a-nation』があって、それを観に行って、『こんな華やかな世界があるんだ』って感動しました。当時私はダンスをやっていたんですけど、こんなにキャーキャー言われて、華やかな存在って! アーティストのライブを観に行ったのがそのときはじめてで感動しました」

--はじめてのライブ、相当なインパクトだったんですね。

「宮崎ってあまりライブで来てもらえないし、私自身ずっと川遊びをしている子だったので、ライブというものに全然縁がありませんでした。それでa-nationで大好きだったEXILEさんを観て、『このキラキラ感はなんだ!』と思って」

--そのときキラキラ感じた世界に実際に入った今、どう感じていますか?

「うーん、いろいろ難しいこともあります。でも誰しもができることじゃないし、やってて面白いので充実しています。楽しいんです、お芝居をやっているのが」

--今は自分がやっていきたいという流れにはなっている形?

「そうですね。まだちゃんとコンスタントにお芝居ができている状態ではないんですけど、でも自分が好きなことをやれているし、恵まれているな、幸せだなと思います。もっと頑張ります!」

--上を見れば、もっとすごい人がいるけど、どうなったら100点満点というのもないし……。

「はい。今できることを120%の力でやることしかないので、本当に一つ一つのお仕事をありがたいと思ってやっていきます!」

--今は自分が憧れられる立場、とりあえず電車の中で口を開けて寝るのはやめましょう。

「はい(笑)」

〈プロフィール〉
工藤綾乃(くどう・あやの)

生年月日:1996年5月28日
出身地:宮崎県
血液型:O型
2009年、『第12回全日本国民的美少女コンテスト』でグランプリとモデル部門賞をW受賞。2010年、映画『劇場版 怪談レストラン』で主演デビュー。同年『Cafe レストラン ガスト』CMにも出演。以降ドラマ&映画『鈴木先生』、ドラマ『HIGH & LOW』『新宿セブン』などに出演。