倉島颯良・涼井菜生が映画『DEAD OR ZOMBIE』初日舞台挨拶に登壇「救われる人が一人でもいたら」

倉島颯良・涼井菜生

元さくら学院の倉島颯良が主演する映画『DEAD OR ZOMBIE』の初日舞台挨拶が21日、東京・新宿K’s cinemaで行われ、共演の涼井菜生、監督・脚本を務めた佐藤智也氏と共に登壇した。

映画『DEAD OR ZOMBIE』は、ゾンビ化した家族と共に暮らす引きこもりの女子高生の姿を描く、ホラーでもアクションでもない異色のゾンビ映画。2022年に公開された短編映画に前日譚と後日譚が加わり、4つのエピソードからなる長編として生まれ変わった。生きづらさを抱えた人々の静かなサバイバルを描く、超異端のゾンビ狂想曲となっている。

さくら学院を卒業後、映画や舞台で活躍する倉島さんは主人公・石動沙希役を演じた。涼井さんはドラマ『ちはやふる-めぐり-』や映画『恋に至る病』などへの出演で知られ、本作では平田愛生役を務めている。

本作はもともと長編の企画として構想されていたが、助成金の都合で短編として公開された経緯がある。佐藤さんは「どうしてもほかのエピソードも作ってしまえ!というところでやったのが、今回形になりました」と述べ、「自己評価が低い沙希という役から出発し、どんどん生きづらくなっていく世の中を描いてきた。いろんな世代、いろんな環境の人たちで描けたのはすごく面白かった」と振り返った。

4年ぶりに沙希役を演じることになった倉島さんは「助成金の話は聞いていたので、ようやく作れることになった裏事情を知っているからこその嬉しさがありました。沙希という役は私が演じてきた役の中でも共感できる部分が多い役だったので、またこうして演じられることが本当に楽しみでしたし、台本を読んで懐かしさをすごく感じました」と明かした。

前作では自信のなかった沙希が、今作では前向きさを取り戻す変化を見せる。倉島さんは「沙希の性格がガラッと変わっているわけではなく、愛生という存在がいることで自分自身の過去に重ねてみるからこそ、より客観的に見られるようになって、そこでちょっと前向きになれたのかなという部分を意識して演じていました」と役への向き合い方を説明した。

佐藤さんによると、前作の舞台挨拶で倉島さんが「60%ぐらいの決意」と語ったことを受け、続編では「80〜90%ぐらいの決意になるように」と話し合ったという。「100%ではないですね。それだと逆に嫌なやつという感じがするので」と笑いを誘った。

今作が初出演となる涼井さんは「本当に新しい視点で見るゾンビ映画で、佐藤監督のこだわりがギュッと詰まった脚本でした。愛生という人物をどう描こうと、すごく引き込まれました」と脚本を読んだ際の印象を述べた。

愛生という役柄については、監督から二面性を描いてほしいと求められたといい、「人前ではなるべくはっちゃけるような感じで、逆に一人になった時に『今日の私ってあれで大丈夫だったかな』と、一人反省会の時間を設けるように心がけました」と役作りのエピソードを明かした。

倉島さんは涼井さんとの共演について「愛生という役は監督が求めている通りの二面性があって、沙希としても本当に揺さぶられ、引きずり回される感じがしました。涼井さん本人も結構しっかりしているんですが、時々すごく面白いことを言う。涼井さんだったからこそこの二人でできたのかなと、本当に人柄に助けられました」と語った。

涼井さんは「倉島さんは自然と声をかけたくなるようなオーラというかカリスマ性をお持ちの方なので、なんかずっと話しかけてたと思うんですけど、撮影中は沙希との出会いのシーンを丁寧に描きたかったので、話しかけたいのをぐっと我慢して待っていました」と撮影時のエピソードを披露した。

特殊メイクについて、佐藤さんは特殊メイク界の第一人者・栄川悦子さんを起用したことに触れ、「時間をかけるメイクとパッとできるメイクをうまく使い分けてくれて、予算も時間もない中での撮影でしたが、とてもうまく対応していただきました」と感謝を述べた。

前作に続きゾンビとの共演となった倉島さんは「ゾンビを見て懐かしいという不思議な感覚になりました。こだわって作っていただいているので、すっとその世界観に入れる。非日常的にもかかわらず芝居をしやすい環境にしてくださった。感謝の気持ちがとても大きかったです」と述べた。初めて特殊メイクを施したゾンビを目にした涼井さんは「見た瞬間、本能が『逃げろ』と言うくらいリアルでした。特殊メイクがもたらす効果ってすごいんだなと感じました」と驚きを口にした。

最後に倉島さんは「佐藤監督が描くゾンビは人間の持った心が引き出されるようなゾンビばかりで、生きづらさを感じている方に、死ぬか生きるかじゃなくてゾンビという選択肢をこの作品で示して、救われる人が一人でもいたらいいなと願っています。ぜひ楽しんでいってください」とメッセージを送った。

涼井さんは「新しい視点から見るゾンビ映画になっております。生きづらさを感じている方々がこの映画を見終わった後に、佐藤監督からのメッセージをどう受け取ってくださるかがすごく楽しみでした。最後まで楽しんでいただけると嬉しいです」と呼びかけた。

佐藤さんは「いろんなキャラクターが出てきますので、いろんな角度で観れる映画だと思います。2時間を超える長尺ですがお付き合いいただければ」と締めくくった。

『DEAD OR ZOMBIE』全国公開中
©MARRHITO PRODUCTION
配給:ムービー・アクト・プロジェクト

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