女優の芳根京子が24日、都内にて行われた映画『雪の花 ―ともに在りて―』の公開記念舞台挨拶に、松坂桃李、役所広司、小泉堯史監督とともに登壇。撮影中のエピソードや今後の目標について語った。
吉村昭氏の小説『雪の花」(新潮文庫刊)が原作、多くの人命を奪う疫病と闘った無名の町医者の愛と感動の実話を描く本格時代劇だ。
江戸時代末期。死に至る病・疱瘡(天然痘)が大流行し、多くの人命が奪われていく中、福井藩の町医者・笠原良策(松坂桃李)は、どうにかして人々を救う方法を見つけようとする。妻・千穂(芳根京子)に支えられながら、京都の蘭方医・日野鼎哉(役所広司)に教えを請いに出向いた良策は、異国では疫病の予防法として「種痘」が行われている事を知る。予防法成功の鍵となる「種痘の苗」を入手すべく、さまざまな困難にぶつかりながらも絶対に諦めない良策の志は、やがて藩を、そして幕府をも巻き込んでいく……。
本作で芳根さん演じる千穂の見どころの一つが太鼓を叩くシーン。はつらつとした表情や姿を見せている。また殺陣シーンもあり、おしとやかなキャラクターの女性でありながら、体を張った芝居も見せる。
芳根さんは「どちらも初めての経験だったんですけど、殺陣の撮影のときには監督が『芳根京子はこんなもんじゃない!』って言って励ましてくださったりだとか、太鼓の練習場にも監督が何度も来てくださり練習の経過を見てくださっていたので、来てくださるたびに『また良くなったね』と思ってもらえるように頑張ろうと思いました」と監督の激励がモチベーションの向上になったと明かした。
「太鼓の本番の撮影の日は、見てくださる方が本当に楽しそうに見てくださっていたので、私自身とっても楽しく叩くことができました」と笑顔を見せる芳根さん。今でも太鼓の動きが身体に染み付いているとのことで、「細長いものを持つと、つい手首の角度など蘇ってしまいます。これ多分しばらく続くんだろうなと……(笑)。昨日撮影の現場で細長いものを2本持つシーンがあって。ちょっと思い出しました」と苦笑いした。
鼎哉役の松坂桃李さんは太鼓に取り組む芳根さんの姿を見ていて「(太鼓のシーンは)圧巻でしたね。芳根さんが裏でどれだけの努力をしていたかというのを見ていて。ずっとテーピングしているんですよね。まるでボクサーの方のような姿でした(笑)。実際撮影のときにもすごかったです。圧倒されて、撮影が終わったとき芳根さんが泣き崩れるようになってて、その姿は忘れられないです」と称賛した。芳根さんは「あのシーンで良策さん(松坂)の笑顔を見られたこともすごく嬉しくて、『私が笑顔にしたぞ!』と思いました」と満足そうに語った。
また、あきらめずに成し遂げようと頑張った主人公の姿になぞらえて、今年成し遂げたいことを問われた芳根さん、「私は大きな目標は持つようにしているんですけど、目の前のことを精一杯頑張るというか、“今を頑張れば未来につながる”と思っていて、“今を全力で”ということを常に心がけているので、まずは今参加しているドラマ(『まどか26歳、研修医やってます!』)を、とにかく無事故、無怪我で完走するというのが今の目標です」と目を輝かせた。
映画『雪の花 ―ともに在りて―』は現在全国公開中。
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