【中田青渚インタビュー】『らんまん』の教授の若妻役、“だが情熱”の“若林の彼女役”で注目 ドラマ『僕たちの校内放送』では「青春を取り戻した感じです(笑)」

ニュース 女優
中田青渚
中田青渚

今年に入り『しょうもない僕らの恋愛論』(読売テレビ/日テレ系)、『だが、情熱はある』(日テレ系)、そして連続テレビ小説『らんまん』(NHK)と話題のドラマに続々出演、ブレイクの期待が高まる女優・中田青渚さん。現在出演中の深夜ドラマ『僕たちの校内放送』(フジテレビ)では、一匹狼的なクール女子役に初めて挑戦している。そんな本作の撮影エピソードや、躍進中のである女優活動について聞いた。

--朝ドラ『らんまん』での田邊教授(要潤)の若妻・聡子役が話題ですが、やはりこれまでのドラマ以上に反響は大きいですか?

「はい。おばあちゃん世代で観ている方が多くて、おばあちゃんがすごく喜んでくれました! バレーボールをしているのですが、『お友達にもっと広めておいたよ』と言われました(笑)」

--現在は深夜ドラマ『僕たちの校内放送』も好評です。高校の放送部を舞台に、ひょんなことから発生した放送事故をきっかけに、浩哉(木戸大聖)と健太(前田旺志郎)がお昼の校内放送番組で人気者になっていく物語で、中田さんは、ちょっととがった性格で、クラスでは一匹狼的存在ながら、二人の放送に興味を持って参加する瑞輝役を演じています。

「無口だったりクールなキャラクターを演じたことがなかったので、新鮮でした」

--瑞輝は制服の着こなしも特徴的ですね。

「スラックススタイルなんです。スカート以外の制服を着るのは今回が初めてで、動きやすかったのですが、ちょっと暑かったです(笑)。スカートのほうが涼しいと思いましたし、男子は夏場大変なんだなと思いました(笑)」

--ちょっとクセが強そうな瑞輝を演じるにあたり、心掛けたことは?

「撮影前の本読みで監督とすり合わせがしっかりできました。“この子はツンデレな子だから、どれくらいの度合いでツンにするか”とか“どこでデレを出すか”ということも監督と話し合いながら……」

--1話の段階では……、

「“ツン、ツン、ツン”という感じなんですけど(笑)、2話以降で心を開いていきます」

--周りの女子に友達がいない子なんですよね。

「女子に限らず、学校にあまり友達がいないくて保健室に登校しているような子です。お友達がいないというよりは、“青春しているなんて……”という感じで、斜に構えている役柄。一人になりにいっているというところがあります。そんな子が二人と出会って自分も青春していくという。ちょっと賢いキャラクターでもあるので、周りの子たちを見てちょっと“ケッ”と思う部分があるのかなと思います」

--浩哉と健太もかなりおバカっぽい?

「でもその裏表のない感じが、二人に心を開くポイントになったのかなと思います。“青春もちょっといいかも……”と心を変化させていきます。そこから瑞輝の可愛らしい一面も見てもらえると思います」

--青渚さん自身とはかなり違う役だと思いますが、そういう役柄は演じていて楽しかった? それとも難しく感じましたか?

「難しかったというのはあります。私の声がちょっと高めというか、かっこいいというよりは柔らかい感じの声なので、監督には『低めの声で喋ってほしい』と言われていて、しっかりとした芯のある声を意識しながら話しました」

--瑞輝の背景を考えたりも? 小中学生時代にどんなことがあって、こういう性格になったのか、とか。

「想像はしたのですが、多分高校だけではなくて、中学時代もどっちかというと集団の中ではなくずっと一人でいて、高校で二人と出会って、初めて青春を感じることができるようになったのかなと思っていました」

--青春を謳歌するくらいまでになる?

「そうですね、放送部に入って」

--青渚さん自身の学生時代の放送部のイメージって?

「中学生や高校生のときには放送部って何をするのか詳しく知りませんでしたが、お昼にお弁当を放送室で食べているのを見て、楽しそうだなという印象はありました」

--撮影は木戸さん、前田さんと3人で一緒のシーンが多かったんですよね。二人は年齢的に……。

「木戸さんが26歳で3つ上なのですが、前田さんはひとつ下で、でも年代的にあまり変わらずで。二人は会ってからすごく意気投合したみたいで、二人の雰囲気が役柄とリンクしていていいなと思いました。私は木戸さんとは初対面で最初緊張していたのですが、わりとすぐに打ち解けられました。こういう青春学園ものってあんまり経験がなかったので、学校みたいで楽しかったです。高校時代は部活とかやっていなかったので、それを取り戻している感じが楽しかったです」

--高校時代はもう仕事で忙しかった?

「高1から上京してきて、頑張りたいという思いがあって、その時代はレッスンに励んでいました。学校生活を楽しむというよりは、仕事をこれから頑張っていこうという思いのほうが強かったです」

--青渚さんは中学生時代、漫画雑誌のコンテストでグランプリになって、それをきっかけに事務所に所属したんですよね。最初は芸能活動にすごく関心があるわけじゃなかったそうですが、“女優になりたい”と考え始めたのはレッスンを受けるようになって?

「事務所に所属して半年くらいは地元にいたので、月1回だけ上京してレッスンを受けていたのですが、受けていく間に少しずつその思いが芽生えてきたという感じです」

--“もしかして演技って楽しい”って思い始めたきっかけは?

「それまで熱中していることがあまりなかったのですが、演技のレッスンに取り組む中で、自分の中からいろんな感情を引き出してそれを表現するということが面白いなと思いました」

--演技の先生からアドバイスもらったり……。

「一緒にレッスンを受けている子の中には、小さい頃からお芝居をやっている子もいたので、見ていて、一つの役をやるにしても人それぞれで全然違うんだなといましたし、演じる人によって全然違って見えるのがおもしろいなと思いました」

--これまで出演した作品で、特に自分自身成長できたなと思える作品はありますか?

「大きな役を初めていただいたのが、『街の上で』という2021年公開の映画です。ヒロインが4人いるのですが、その中の一人をいただきました。結構周りから好評をいただいたこともあって、自分の自信になったかなと思います。セリフ量も多い作品だったので、それまではセリフで苦労したことはなかったのですが、必死に覚えた記憶があります」

--最近では『しょうもない僕らの恋愛論』(読売テレビ/日テレ系)での一人二役も好評でしたね。

「昨年後半から今年にかけてドラマに出させていただくことが結構増えたので、『見たよ』といってもらえる機会も増えたかなと実感しています。『しょうもない〜』では初めての二役だったのでドキドキしました」

--本作では高校2年生役で、亡くなったお母さんの大学時代の同級生の男性と出会い……という内容で、そのお母さんの大学生時代役も演じました。

「久しぶりの制服だったので、オーディションも高校時代自分が着ていた制服で行って、大丈夫かなと思いながら受けました」

--オーディションだったんですね。力で勝ち取った大役で。

「はい、嬉しかったです!」

--二役の演じ分けが見事でした。

「衣装やメイクの見せ方も大きかったと思います(笑)」

--いえいえ、青渚さんの演技力が大きかった。観ていて、母と娘、一緒の人かな? いや、でも別人かな?と思ったり。

「私は自分が演じて自分で観ていたので、“一緒だ”と思いました(笑)」

--難しい役柄で出番も多く、こちらもかなり成長できた作品じゃないかと思います。

「そうですね。あと、これまで恋愛系の作品があまりなくて、ついに私にも恋愛系の作品が来たかと思いました(笑)」

--同年代の人との恋愛ものもなかった?

「彼氏がいるという設定はあったのですが、恋をしていく過程を描かれるのはあまりなかったので、新鮮で緊張もしました」

--その後の『だが、情熱はある』でも、本格的な恋愛ではないけど、高橋海人さん(King & Prince)が演じた若林正恭さんのガールフレンド役でした。こちらも話題の作品でしたね。

「いろいろな現場で『見てるよ、ニット帽かぶってるね』などと言ってもらえることが多くて、すごく嬉しかったです」

--『しょうもない~』で演技力が評判になり、『だが、情熱〜』で業界内視聴率が高く、『らんまん』でおばあちゃん世代の人にまで幅広く知ってもらえているという、いい流れで来ている印象です。

「『だが、情熱はある』のプロデューサーさんが『しょうもない〜』を観てお話をくださったようで、少しずつ繋がってきているんだなという実感がありました。『らんまん』でも、過去にNHKのドラマでご一緒したスタッフさんがたくさんいらっしゃって、『久しぶりだね』と言っていただいて」

--『らんまん』で演じる聡子は実在の教授の奥さんのイメージ? 時代もあるのかもしれないけど、慎ましやかしすぎる女性です。

「旦那様と歳の差もあって、結構内気になっているのですが、後半にかけて夫婦の関係性が少し変わっていきます」

--強さも?

「そうですね、お寿恵さん(浜辺美波)に影響されながら強くなっていきます」

--今後チャレンジしてみたい役などはありますか?

「ゾンビとかに追いかけられるような役をやりたいです(笑)」

--ホラーの経験ってなかった?

「映画の『ミスミソウ』(2018年)などサスペンス作品はあったのですが、ゾンビとか得体のしれないものと戦うのはなかったので、やってみたいなと思っています」

--ホラーはもともと観るのは好きだった?

「そうですね、好きです」

--お芝居以外でハマっているものってありますか?

「冬場に『しょうもない〜』を撮っている頃は編み物にハマっていて、ちょっと太い毛糸で帽子つくって、それをかぶって撮影に行っていましたね」

--最後に改めて『僕たちの校内放送』、終盤に向けての見どころを。

「3人各々が自分の殻を破っていき、放送部の活動を通して成長していく物語ですので、その成長を見てもらいたいと思います。それぞれが持つちょっとした悩みを乗り越えていく、そんな姿を見てもらいたいです」

〈プロフィール〉

中田青渚(なかた せいな)

2000年1月6日生まれ、兵庫県出身。2014年「第5回Sho-comiプリンセスオーディション」でグランプリを受賞。翌年女優デビューし、以降、映画『3月のライオン』(2017年)、『街の上で』(2021年)、ドラマ『しょうもない僕らの恋愛論』(2023年)、『だが、情熱はある』(2023年)、NHK連続テレビ小説『らんまん』(2023年)などに出演。

火曜ACTION!『僕たちの校内放送』は火曜深夜24時25分〜、フジテレビで放送。出演::木戸大聖、前田旺志郎、中田青渚、米倉れいあ、ほか。
詳細なストーリーなどは下記公式サイト参照。
https://www.fujitv.co.jp/schoolbroadcast/

    Comments are closed.