【工藤綾乃インタビュー 】つば九郎主演の話題のドラマ『つばめ刑事』に出演「私確実にスワローズファンになっていました」

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工藤綾乃
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女優の工藤綾乃さんが配信ドラマ『つばめ刑事』に出演している。ヤクルトスワローズの球団マスコットキャラクター・つば九郎が主演という、話題の異色作。とある事情で球団マスコットをクビになり、刑事に転身したつば九郎が、セ・リーグ参入を企てる謎の球団からスワローズと神宮球場の平和を守るというストーリーとなっている。工藤さんはつば九郎の同僚刑事・川崎役を演じている。

--まず、この作品に出演が決まったときの感想を教えてください。

「本当に画期的なドラマだなと思いました。最初は、マスコットでしゃべらない主人公が相手って、どうやってお芝居すればいいんだろうとすごく不安だったんですけど、現場が楽しくて、みんなで和気あいあいと撮影できたので、出演できてよかったなと心から思います」

--工藤さんはもともとプロ野球に関心があった?

「私の地元・宮崎はプロ野球のキャンプ地になっていて、ちっちゃな頃から野球に触れる機会が多かったんです。巨人、ソフトバンク、広島、オリックスなどがキャンプに来てくれて、よく観に行ったりしていました」

--この作品を経験したことですっかりヤクルトスワローズのファンになったそうですね。

「はい。先日も神宮球場に観に行きました。連敗のど真ん中のときだったんですけど、青木宣親選手がホームランを打ったり接戦になって、結果負けたけど観ていてテンションが上がりました。神宮球場ってすごく心地いい! 今まで地元・九州のソフトバンクホークスの試合しか観たことなくて、ドームにばっかり行ってたんですよ。でも屋外の球場は開放的に野球を観られていいなと思いました」

--5月、6月ってナイターで野球を観るのにちょうどいい時期ですね。暑すぎず、寒くもなく。

「ビールがおいしい! 神宮球場は天気がいい日は特に最高だなと思います」

--ビールはマストなんですね(笑)。

「ビールは欠かせないです! 美味しいんですよね、球場で飲むビールというのは(笑)。これから応援方法もちゃんと覚えて、みんなと一緒にやりたいな」

--傘も持って?

「そう! 傘はつば九郎からもらったので、その傘を持ってこれから応援しに行こうかなと思います。このドラマを通してスワローズのことをよく知れたし、野球のことも前よりも詳しくなったので、もっと詳しく知りたいと思います」

--このドラマの出演者は役名が「池山」「土橋」などスワローズのレジェンド選手の名前になっていますが、「川崎」役の工藤さんは川崎憲次郎投手のことは知っていた?

「はい!憲次郎さんとは仲良くさせていただいていて……」

--け、憲次郎さん!? ……えっ、この作品に出てくるんですか?

「いえ、もともとテレビ東京のバラエティ番組でご一緒させていただいて、川崎さんも同じ九州で、大分出身なので、それで今でも家族ぐるみで仲良くさせていただいています。川崎さん父娘とかほかにも何人かでご飯に行ったり」

--それが縁で今回の役名になったのかな?

「はい。スタッフさんに『川崎さんと仲良くさせていただいています』と話したら、自分の役名が『川崎』になって(笑)。それですぐに憲次郎さんに連絡しました。そしたら笑ってくれました」

--そんな工藤さん演じる「川崎」の役柄は?

「舞台となる『鳥小屋署』の中で唯一の女性。ちょっとわがままで、一番年下なのに、年上の先輩に結構タメ口で話したりします」

--ちょっと“姫”系な……。

「我が強い女の子かなと思います」

--これまで演じた中ではわりと普通っぽいのかな?

「そうですね。前のドラマも中国人役だったし、結構クセの強い役が多いので」

--そういえば、その中国人留学生役を演じた『インベスター Z』(テレビ東京系)では、小学生のとき以来に前髪のある髪型にしていましたけど、また戻りましたね。あれはあの役柄限定で?

「はい。役作りのためにやっていたのですが、また戻しました」

--やっぱり、自分でも前髪がないほうがしっくりくる?

「私、すっごくめんどくさがりなんですよ。だから美容院に行くのも苦手で、前髪があったら逐一切らなければならないじゃないですか。それが続かなくて、やめました (笑)。でももう一回前髪作りたいんですよ。飽きちゃって、この髪型が(笑)」

--小学生時代から、昨年の一時期を除いてずっと同じですからね。

「そう、髪型変えたいなと思う時期で」

--ところで、ドラマの撮影現場でのつば九郎ってどんな印象でしたか?

「現場では共演者にとても気遣いをしてくれて、ありがたかったです」

--つば九郎って、ブラックなセリフを発したり、手荒いツッコミをしたりというキャラじゃないですか、でも内面は?

「内面は優しいし、ヤクルトスワローズをこよなく愛されていて、その愛が伝わりました。選手とも仲が良く、チームのことをすごく考えている人、いや、つばめなんだなと思いました」

--テレビなどで観ていても、お笑い芸人さん並みか、それ以上の頭のよさと反射神経だと思います。筆談でツッコんだりするので、間が芸人さん以上に難しい。

「内容的に、ちょっと間違えたら怒られるようなギリギリの発言もあると思うけど、そのさじ加減がすごいです。スケッチブックを使っての反応というのは大変だと思うんですけど、絶妙のタイミングでやっていただいて、すごくやりやすかったです。アドリブのシーンになるともうペンが止まらないんですよ。面白いなと思いながら、反応していました。普段やっているお芝居よりはリアルというか、何が出てくるかわからない状態だったので、自然な会話が出ていたんじゃないかなって」

--聞いてると面白さが伝わってきますね。

「プロ野球ファンの人やヤクルトファンの人は観たら絶対面白いと思います。ファンじゃない人でもこのドラマを観ると、スワローズについてもっと詳しく知りたいと思うようになるんじゃないかなって。私も最初のほうの撮影では選手の顔と名前が一致しなかったり、どういう選手だったのかがわからなかったんです。もちろんちゃんと調べて準備していたのですが、笑いのツボかわからないところもあって。でも撮影が進むにつれて、毎日神宮球場に行って、スワローズのことを周りから聞いていたりする中でだんだんわかるようになって、この間完成した作品を観て爆笑していました。私確実にスワローズファンになっているなと思いました!」

--選手のことをよく知っている人が観るとより笑えるのかも?

「はい。すごく面白くて。私、これからはホークスとスワローズを応援しようと思います。神宮球場は東京に住んでいると気軽に行けるじゃないですか、だから交流戦も観に行きたいです」

--ソフトバンク戦とか?

「そうです」

--どっちを応援するか難しい?

「もちろんヤクルトです。ヤクルト側で観ます」

--いつかは神宮球場で始球式も……。

「やりたいですね!できれば12球団の始球式を制覇したいです」

--なんだか稲村亜美さんみたい(笑)。

「私の場合は投げるのが全然得意じゃないんですけど」

--今まで始球式をやったのは?

「オリックスとソフトバンク……です。

--2球団なのね。

「でも日本ハム対オリックスの公式戦で国歌斉唱をしました」

--なんと!それは始球式より相当ハードルが高い。しかも歌手じゃないのに。

「1ヶ月くらい胃が痛くなるくらい緊張しました。宮崎で行われた公式戦で、もともと始球式をさせていただく予定だったんですけど、観光協会の方から『やっぱり始球式は地元の野球少年にやらせてあげたいから、国歌斉唱のほうをしてもらえませんか』って。歌手でもないし、ミュージカルも出たこともないのに、国歌斉唱をさせていただくことになりまして。観光協会、すごい勇気だなと思いました(笑)」

--神宮球場でも始球式のみならず国歌斉唱も。

「そうですね! ……いや、それは一旦考えます(笑)」

--でも始球式はぜひ?

「はい、やりたいですね。もしできることになったら川崎憲次郎さんにフォームを教えてもらおうと思います」

--ドラマの撮影では選手たちと接したことも?

「私は山田哲人選手とだけご一緒させていただきました」

--山田選手の印象は?

「背が大きかったです!」

--野球選手だからそうでしょうね(笑)。

「(笑)。なんか球場で引いて見ていると、そこまで大きく感じなかったのが、間近でお会いするとスポーツ選手ってすごいなと思いました」

--5月に23歳の誕生日を迎え、これが23歳最初の作品です。職業の制服が似合うようになりましたね。

「はい。これからもっと大人っぽいものもやっていきたいなと思います」

--その前もキャバクラ嬢役(『新宿セブン』)をやったりもしてましたしね。ところで、23歳になってどんなことをやってみたい?

「プライベートでは、お酒以外の趣味がほしい」

--趣味が“お酒”のみというのは……(笑)。女子力も磨かなければ。

「女子力も大事なんですけど、プライベートでもっと外へ出ていきたいなと思います。神宮球場に行って野球観戦がすごく楽しいと改めて思ったので、これからもどんどん行きたいなと思うし、サッカーも好きなので、スポーツ観戦で夢中で応援してストレス発散したいなと思います」

--工藤さんをあまり知らない人だと、“女子力高めできれいなお姉さん”という印象を持つと思います。でもインスタグラムなどを見ていると、ファッションやネイルなどより、ジムで鍛えてきました………みたいなのが多いですね。

「そこはそのままで行こうと思います。女子力も大事だけど、それより身体を動かすのが好き。昔は野原を駆け回っていたので、その習慣が今も残ってるのかな(笑)。じっとしていられなくて!」

--そしてこの春大学も……。

「卒業しました!」

--変化などありました? 学生の肩書きがなくなり仕事一本になって。

「うーん。でも3年生までに単位を取ってしまっていて、4年生の1年間はあまり学校に行ってなかったので、あまり卒業したという感覚がないですね」

--友達は就職したり?

「はい、会社にお勤めし出して会話が変わったなと思いました。みんな大人になってるんだな、自分も頑張らなければと」

--そういう友達との会話が演技に反映できることも?

「あると思います。大学の友達はいろんな職業の子がいるので、『OLさんってこういうことを日常的に言うんだ』『こういうことで悩んでいるんだ』とか発見があったらメモをとったりしています」

--普通のOLさんの役とかもいいかもしれない。

「これまではクセの強い役が多かったから」

--主演デビュー映画の『劇場版 妖怪レストラン』(2010年)なんか普通の女の子だったのに。

「あれが一番普通の女の子の役だったかもしれない」

--それにしてもあの頃は、9年後『お酒以外の趣味も作りたい』とか言ってるとは想像もできなかった(笑)。

「(笑)。私も大人になってきているので、これからもいろんな役ができるようになりたいです」

『つばめ刑事』はひかりTV、dTVチャンネルで先行配信中。9月3日にDVDが発売される。

〈プロフィール〉
工藤綾乃(くどう・あやの)
生年月日:1996年5月28日
出身地:宮崎県
血液型:O型
2009年、『第12回全日本国民的美少女コンテスト』でグランプリとモデル部門賞をW受賞。2010年、映画『劇場版 怪談レストラン』で主演デビュー。同年『Cafe レストラン ガスト』CMにも出演。以降ドラマ&映画『鈴木先生』、ドラマ『HIGH & LOW』『新宿セブン』などに出演。