スパガ浅川梨奈、「やれよ!揉めよ!のセリフは意外とスカッとしました」 映画『14の夜』でヤンキー役に挑戦

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「SUPER☆GiRLS」のメンバーで、グラビアや女優などでも大活躍中の浅川梨奈さんがヤンキー役に挑んだことで話題を呼んでいる映画『14の夜』が、いよいよ12月24日に公開が迫った。GirlsNews取材班は、都内で浅川さんにインタビューを行い、作品にかける意気込みなどを尋ねた。

本作は、『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を獲得し、いま最も注目されている脚本家の足立紳さんが、監督作として初めて自らメガホンを取ったオリジナル作品。

1987年の田舎町を舞台に、性への妄想を膨らませる中学生・タカシ(演:犬飼直紀)と仲間たちの姿を、バカバカしくも真面目に描いた青春劇となっている。町に1軒だけあるレンタルビデオ屋でAV女優のサイン会が開催されるというウワサを耳にしたタカシら4人の中学生は、女性の胸への憧れから抑えられない衝動に駆り立てられる。

浅川さんはタカシの幼馴染のヤンキーな中学生を演じており、すでに予告などで披露されたタンクトップ姿で胸元をあらわにしたセクシーなビジュアルが話題となっている。劇中では、原付バイクにまたがり、タバコを持つシーンがあったり、驚くようなセリフを言っていたりと、大胆な演技でインパクトを残している。

インタビューでは、思春期の性がテーマの作品だけに“おっぱい”などのアイドルらしからぬ単語が飛び出しながらも、浅川さんは終始笑顔で質問に応じてくれた。

■浅川さんが所属している「SUPER☆GiRLS」は“正統派アイドル”のイメージですが、アイドルとして今回のヤンキー役のオファーを受けてギャップは感じませんでしたか?

グループ的には王道の清純派アイドルグループなんですけど、私自身はその中ではイロモノキャラなので。ライブ中はアイドルらしくしていますけど、ひとこと口を開けば、ズケズケとものを言ってますし。グラビアでは“1000年に1度の童顔巨乳”と呼ばれているので、役柄的に水着の仕事を見てお話をいただいたのかなと思ったら、オファーをくれたプロデューサーさんは、私がバラエティ番組に出ている様子に目をつけてくれたそうで、ちゃんと服を着ている姿を見て声をかけていただいたのがうれしかったです。

■すると、出演には抵抗が全くなかった?

最初はもしかしたら男の子から胸を触られるシーンがあるかもと聞いたので“えっ、触られるの”って、戸惑いました。さすがに“そこはどうにかなりませんか”とお返事したら、結局ナシということになったので、“じゃあ、やらせていただきたいです”とお受けしました。でも、出来上がってきた台本を読んでみたらセリフで“揉め!オラァ”ってなっていて、もう一回、確認してもらいました。私はともかく、事務所的にこのセリフはどうかなと思ったんですが、事務所からはあっさり“平気だよ”と言われて(笑)。実際にリハーサルで口に出して言ってみたら、意外とスカッとして、こうなったら思いっきりヤンキーをやってやろうと決めて、あとはメチャメチャ楽しんでやらせていただきました。

■この映画は男の子の性欲が前面に出た作品になってますが、それも平気でしたか?

私自身もシモネタが好きなほうなので、初号試写を観たときも“メチャメチャ面白いじゃん!”と笑っちゃいました。両どなりに事務所の偉い方が座ってたんで、あんまり爆笑できなくてかなり堪えてましたけど。私は“アイドルだから”って言われるのが好きじゃなくて、お人形さんみたいに扱われるのがいやなんです。だから、こういう個性のある作品に出ることで、それを払拭できるチャンスになればと思いました。自分の中で恥ずかしがったり、ちょっとでも手を抜いたりしたら、それまでが全てダメになってしまうという大事なシーンにも出させていただいたので、全力でやらせていただきました。

■ヤンキー役ということでバイクに乗るシーンがありますね?

バイクにはまたがっているんですが、走っているシーンはスタントなんですよ。実はこの映画ために原付免許の試験を受けたんですけど、4回も落ちました。4回とも44点で、あと1点足りなかった。引っ掛け問題が多かったんです。私はホントに純粋なんで、出された問題をそのまま受け取っちゃうんですよね。あれは問題が悪いと思います。さすがに悔しいので、また挑戦したいと思っています。

■実際の役作りはどのようにされましたか?

自分が小学生の頃はやんちゃで言葉遣いも悪かったので、それを思い出しながら割とナチュラルにやれました。今も普段は口が悪いので、それをもっとひどく大げさにと意識してやった感じです。

■撮影で特に苦労したところは?

ツバを吐くシーンですね。マンガではよくありますけど、日常ではツバを吐くなんてやらないじゃないですか。どう吐けばいいのか判らないまま撮影に入って、監督からは“ネチョとした唾液だと判るようにやって”とか細かく注文されました。10回ぐらい撮り直しをさせられて、自分の口の中にツバを溜めてベロ~ッて感じでやったら“いまのツバいいよー!”ってOKをもらいましたが、どこかいいんだ?と、その時は訳が判らなかったです。でも、あとで映像になるとそこがいい味になっていて、監督スゴイなと思いました。いちばん難しかったし、印象に残っているシーンです。

■タカシとは同い年の幼なじみの役ですが、少し大人びた印象でしたね?

メグミちゃんは中学生ですけど、ヤンキーで、年上の暴走族のボスと付き合っていたり、ちょっと大人びた子ですね。実際の中学生でもいるような、背伸びをして出来もしないメイクをしたり、似合わない露出度の高い服を着てみたり、そういうマセた感じなのかなと思います。実年齢は私が高校2年生で彼が一つ下なんで、中学生に見えるようには頑張ったんですけど(笑)。

■タカシとメグミはお互いをどう思っていたんでしょうか?

メグミちゃんは過去にタカシくんに助けてもらったことがあるんです。メグミちゃんがその過去を覚えているってことは、タカシくんに感謝の気持ちとか、気になる存在ではあったと思います。私の中でメグミちゃんは、中学生になった途端に、周りに染まって変わっちゃった女の子だと思うんです。だからタカシくんに対して、ちょっと寂しげに気になりつつ見ていたと思います。過去の出来ごと以来、タカシくんはカッコイイところがなくて、ぜんぜん冴えない男の子になってしまったので、またカッコイイところを見せて欲しいと期待していたのかも。最後のほうのシーンでは、タカシくんだけがメグミを見ていただけじゃなくて、メグミもタカシくんをちゃんと見ていたんだよという二人の関係性を感じさせるセリフもあります。

■ヤンキーの衣装は胸の谷間が大胆に見えるものでしたが、大変ではありませんでしたか?

よくこんな衣装を探してきたなと思いましたね(笑)。(予告編にも登場する)ピンクの服はブラジャーが半分出てたじゃないですか。最初はもっと上に上げていたんですけど、これは下でいいって言われて、出すなら出しちゃえと思って、ちょっとずつ下げていったら、ああなりました。インパクトを残せてよかったと思います。でも、普段は同年代の男の子と接する機会がほとんどなくて、あの格好で暴走族の男の子たちに囲まれているシーンは、どうしようって思いました。

■この映画を通じて、男の子に対して印象が変わったり、発見したことはありますか?

全編を通して“男ってバカだなぁ”と思いました(笑)。けど、ある意味ピュアだなとも思います。たかが“おっぱい”のため4人で力を合わせて頑張るわけじゃないですか。他のことで力を合わせればいいのに、そういうくだらないことで団結するのって、“バカだなぁ”って思うけど、そういう男の子の友情って、いいなと思います。たぶん、私と同年代の男の子たちも“おっぱい”って聞いただけで“うへへ”って、嬉しくなっちゃうんでしょうけど、そういう男の子のピュアに比べたら、中二の女の子はもっとませてますよね。

■浅川さん自身はどんな14歳でしたか?

私は14歳の時にはもうSUPER☆GiRLSで活動していました。人より大人ぶっていたので、背伸びをしているという部分ではメグミちゃんと一致しているかもしれません。でも、私は男の子との接点がなかったので、メグミちゃんを演じて、いろんな発見がありました。中学時代は友だちもそんなに多くはなくて、仕事以外では出かけることも少なかったです。なので、この男の子たちみたいにアホが出来る友だちを作っておけばよかったなぁと羨ましく思いました。

■ご両親と喧嘩をしたり、反抗期だったことは?

2歳の頃から現在進行形で15年間ずっと反抗期です。仲が悪いというわけじゃないですけど、連絡をしなさいとか、部屋を片付けなさいとか、小さなことですぐ言い合いになっちゃいます。ウチの親は心配症で寂しいみたいですね。

■最後に作品のアピールをお願いします

1980年代を舞台にしていて、特に30代から50代ぐらいの男性は、自分が経験したような話で感情移入がしやすいと思います。本題は性のことなんですけど、女性が観ても、門脇麦さん演じるタカシくんの姉が婚約者を親に紹介しに連れてくる場面など、家族愛やいろんな見どころがある作品で、たくさんの方に楽しんでもらえると思います。私の“おっぱい”のシーンも目をそらさなくて大丈夫なので、ガッツリと目に焼き付けてください。

映画『14の夜』は、2016年12月24日(土)より、テアトル新宿ほか全国順次公開

映画『14の夜』公式サイト