山谷花純、初主演映画でサバイバル・アイドル役を熱演「最後まで精一杯戦った自信はあります」

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山谷花純
山谷花純

『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のモモニンジャー役でブレイクした山谷花純さんが、10月1日公開の映画『シンデレラゲーム』で初主演する(シネマート新宿ほかで公開)。「素直に嬉しかったし、つかめたチャンスを絶対に逃したくない」と初主演の感想を語る山谷さん。ただ撮影では気負いはせず、「プレッシャーはなく自分のペースで撮影に臨めました」と振り返った。

所属するアイドルユニットの解散公演を終え、悲しみに暮れる沙奈(山谷)が目覚めるとそこは孤島だった。周りには同様に拉致されたアイドルたちの姿が。そこにタキモト(駿河太郎)と名乗る男が現れ、「これからシンデレラゲームに参加していただきます!」と告げる。トーナメント制のカードバトルを勝ち抜けばトップアイドルになれるという。亡き姉の夢を継ぎ、再びトップアイドルを目指すため、沙奈もゲームへの参加を決意する。しかし敗者には「死」が待っていた…。

山谷さん演じる沙奈は、自己主張が強くなく、優しい性格の少女。回りを蹴落としてでものし上がって行きたいという、ガツガツしたアイドルたちの中、「人の痛みをわかったり、ゲームの参加者が亡くなった悲しみを自分のことのように感じている」という、唯一普通の感覚を持っている。「物事をはっきり言えないとか、人に流されやすいとか、そういうところは私と性格が真逆だったりするので、周りに似ている子を探して、どう自分の中で消化していくかという形で役作りをしていきました」という。

非日常的な設定、その中でトップアイドルを目指すという、そんな中で感情移入はできたのだろうか。「アイドルのことだけを考えるとわからない部分もあるんですけど、でも私がやっている女優の仕事も、悪くいえば人のことを蹴落としながら登っていく世界だと思います。それは他の職業だったり学生の子たちの中でも存在する面であって、自分の立場に置き換えてみるとすんなんり入ってくると思います」という。どんな環境にでもある競争、それをちょっとオーバー気味の設定で描いているという。

女優として単独で活動している山谷さんだが、アイドルグループのメンバーに対して共感できる部分もあるという。「私にとっての『グループ』は、作品に関わったキャストでありスタッフさん。 短い期間でありますけど、だけど仲間と思ってやってるので同じ感覚です」という。特に『ニンニンジャー』の時には、撮影やイベント出演で長期間キャスト同士で共に過ごし、アイドルグループ以上に一緒にいる時間が長かったかもしれない。

「あれは特別な関係性ですね。友達でもなければ家族でもないし…。うーん、友達、家族、仲間をひっくるめた関係です」という。それはアイドルグループのメンバーの口からもよく聞かれる言葉だが…。「そうそう、それの男の子がいるバージョンですね(笑)。私の台は若くて、みんな10代で社会に出てこれからどうしようかという時に、1年間みんな切磋琢磨して一緒にものづくりしてきて、1年間ほぼ毎日一緒にいたから…」、特にその絆は強くなり、卒業してからも連絡を取り合うことも多いという。

戦隊キャストになると、番組出演以外に遊園地でのイベントにも出演する。「1日6公演で、3ヶ月間で40、50公演とかやってました」と、アイドルのリリースイベントよりもハードなスケジュールをこなしていた。「あれを経験すると何でも乗り越えられるなと(笑)。子どもが観に来てくれて、『頑張れ!』コールがあるんですよ。千秋楽の時に、その『頑張れ!』が聞けないと思うと、みんなぐっときていましたね」と振り返った。

今回の共演者はほぼ同年代の女子ばかり。「撮影期間中は『女子校ってこういう感じなのかな』って思っていました。夜は大広間にみんなで布団並べて雑魚寝していて。自分は共学の学校にしか行ったことがなかったので、みんなの会話を聞いてるのが楽しかったです。なんか動画を見てケラケラ笑っていたりとか、その光景を見て面白いなと」。これまでにない撮影環境に新鮮な気持ちになったという。

物語のクライマックス、ラストシーンの笑顔がとても印象的だが、「台本の最後に『なんとも言えない笑顔を作って笑う』という一文だけ書かれていたんですよ。その笑顔ってどういうふうにすればいいのか、すごく考えて、最後まで悩んでいたんです。でも短い期間の濃密な撮影を通して、身体的にも結構ハードで、そんな状況の中で生まれるものをカメラの前で表現できたらいいなと思っていました。きれいに可愛く映るのも、アイドルを扱った映画としては正解なのかもしれないけど、私の職業はアイドルじゃないから、私が演じるアイドルというものを最後にカメラの前で残せたらいいなと思っていました。役柄の悔しい思いだったり、疲労困憊もあるし、また自分のこれまでの芸能生活のことなどいろんなものを役と一緒に重ねて演じました」と語る。

「今回初主演をやらせていただいて、私自身も最後まで精一杯戦った自信はあります。10代最後に目標にしていたものがかなって、ラストシーンの灰谷沙奈であったり私の表情ってどういう顔をしているのか観ていただきたいです」と胸を張った。

また22日まで上演中の舞台『瞑るおおかみ 黒き鴨』にも出演。山谷さんにとってこれが初舞台になる。映像作品の出演経験は豊富な彼女だが、「ゼロからのスタートで、最初何をしていいのかわからず、回りのお兄ちゃん方(共演者)に支えてもらいながら稽古に取り組みました」という。映像で役を自分のものにする感覚との違いについては、「稽古がある分、見せ方の緻密な計算だったり、みんなの“あうんの呼吸”みたいなものを成立させていける。私はわりと、その場で生まれるものを大事にしてきたので、そこが全然違いました。しかも初めての時代劇でもあるんですよ。存在していた人を自分たちがお借りして演じるからには責任感もありますし、間違ったものを伝えたくないという思いもあります」と語る。

そして「アンサンブル含め唯一の女性ということで、女性の方にとって代弁できたり、感情移入できるそんな役になれたらいいな。悔しさ、感動…いろんな涙を流しながらいいものにしようと作り上げようと頑張っていますので、ぜひ観ていただければと思います」とアピールした。

舞台『瞑るおおかみ 黒き鴨』は11日まで東京・天王洲 銀河劇場、19日(月・祝)、20日(火)に大阪・森之宮ピロティホール、22日(木・祝)に北九州芸術劇場で上演。

(c)2016「シンデレラゲーム」製作委員会

■映画「シンデレラゲーム」予告

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